5歳のわたしは侵入者を求めた【ミサトカナエの性遍歴・1】
記憶の中ではいちばん古い、
おそらく、未熟な性欲の目覚めだったできごと。
5歳くらいの頃。
親が共働きだったので、平日は家からほど近い保育園に通っていた。
保育園にはお昼寝の時間というものがある。
給食を食べ終わった後、園児たちはめいめいお気に入りのブランケットを持って布団が敷き詰められた寝床に向かい、眠る。場所は決まっておらず、早い者勝ちだった。
もう本名は忘れてしまったけれど、けいくんという男の子がいた。
けいくんは安直に例えるならガキ大将みたいな、ちょっとやんちゃな男の子だった。
けいくんはお昼寝の時間になると、ブランケットを持って周りを見渡し、
わざと女の子の隣を狙って場所取りをしていたらしい。
ある日、わたしがたまたまけいくんの隣になった時。
ブランケットの端から、手が入ってきた。
けいくんだった。
けいくんの手は無遠慮にわたしのパジャマを捲り、腕やおなかや胸を掴むように、むしるようにまさぐった。
最初はびっくりして、動けなかった。
それをいいことに、けいくんの手の動きはどんどん不躾になっていく。
ただ、時間が経って驚きが収まっても、わたしの身体は手から逃れようとはしなかった。
もちろん、気持ちいい訳ではなかった。
けいくんの手つきは愛撫というには乱暴すぎたし、
5歳のわたしにはまだ、誰かに身体を触られることが気持ちいいことに繋がるという認識はなかった。
気持ちよくはなかったけれど、
嫌だ、やめて、とも思わなかった。
ただ眠れずに、ブランケットを頭まで被り、
肌を這うけいくんの手をぼうっと見ていた。
けいくんの幼い悪事の被害者は多かったようで、
お昼寝の時間になると女の子たちはけいくんから逃げたり、女の子同士で固まって場所取りをしたりしていることもあった。
そんな中わたしはというと、お昼寝の時はさりげなく隣に収まるために
こっそりとけいくんの後をついて行っていた。
けいくんの手は次第にエスカレートして、パジャマのズボンをパンツごとずり下ろしてお尻を思い切り鷲掴みにしてきたり
お尻の穴に無理やり指を突っ込もうとしてきたこともあるけれど、
わたしは手を払いのけることも身を捩ることもせず、じっと身を任せていた。
何故だったのかはわからない。
気持ちよくもなかった、他のみんなだって嫌がっていた。
でも、ブランケットの向こう側からけいくんの手がわたしを蝕んでくることを
何故だか確かに、わたしは期待していた。
結局、けいくんはそのうち普通に先生に見つかってお昼寝の最中に外へ連れ出され、
それからは先生の隣に布団を敷いて寝かされていたような記憶がある。
その後わたしがけいくんの手に襲われることもなくなった。
これが、わたしの性遍歴の始まり。
けいくんが先生の監視下に堕ち、やがて保育園から小学校へと生活の場所は移り、
他人に触られることのなくなったわたしの幼い身体は、もしかすると無意識に刺激を求めていたのかもしれない。
次は、わたしが始めて自慰行為に及んだ
小学校低学年の頃の話。
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