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いまさら聞けない ガザ侵攻①

『イスラエルとパレスチナ』ガザ侵攻について知ろう

 昨今、ニュースではイスラエルとパレスチナにおける戦争が大きく取り上げられています。日本においても中東における戦争は、物流や物価に大きく影響を及ぼしています。

 このガザ侵攻は非常に複雑で、歴史的な背景や国際情勢がかなり絡み合っています。深く調べれば調べるほど複雑の海に溺れてしまう内容ですが、そこまで詳しくないけれど、とりあえず勉強し始めよう!という人向けに今回は、ざっくり解説していきたいと思います!


背景と状況

 イスラエルとパレスチナのガザ地区での紛争は、長年にわたる複雑な歴史と対立から生まれました。特に2023年には、イスラエルとパレスチナの間で大規模な衝突が再び勃発しました。以下では、この紛争の背景と最新の状況について説明します。

紛争の背景

 イスラエルとパレスチナの対立は、1948年のイスラエル建国にさかのぼります。この時、多くのパレスチナ人が住んでいた地域にイスラエルが建国され、以後、両者の間で領土を巡る争いが続いています。特にガザ地区は、パレスチナ人の多くが住んでいる地域であり、イスラエルとの境界に接しています。

歴史的背景

 もともと、パレスチナ地域にはユダヤ人が古くから住んでいました。しかし、歴史の中でユダヤ人は世界各地に散らばり、中世のころ、パレスチナには主にアラブの人々が住むようになりました。この地域はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が集まっており、特にエルサレムは3つの宗教にとって重要な場所です。これが、この地域の対立をさらに複雑にしています。

ガザ地区が飛び地となっている理由

 ガザ地区は、イスラエルとパレスチナの間で複数回の戦争や紛争を経て、地理的に飛び地の状態になっています。1948年の第一次中東戦争の結果として、ガザ地区はエジプトの支配下に置かれましたが、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領しました。1993年のオスロ合意により、ガザ地区はパレスチナ自治政府の支配下に戻されましたが、地理的にはイスラエル本土と分断されており、飛び地としての性格が強くなっています。

イギリスの関与

 第一次世界大戦後、イギリスはオスマン帝国からパレスチナを受け継ぎました。1920年、イギリスは国際連盟からパレスチナの委任統治を任されました。1917年の「バルフォア宣言」により、イギリスはパレスチナにユダヤ人国家の建設を支援すると約束しました。この政策により、多くのユダヤ人がパレスチナに移住し始めましたが、これに対して現地のアラブ人は強く反発しました。この対立が深まり、地域全体での緊張が高まりました。


2023年のガザ侵攻

 2023年10月、イスラエルに対する突然の攻撃がガザ地区から行われました。ハマスというパレスチナの武装勢力が数千発のロケット弾をイスラエルに向けて発射し、これに対してイスラエルは大規模な軍事行動を開始しました。この攻撃により、多くの民間人が被害を受け、ガザ地区のインフラも大きなダメージを受けました。



ガザ地区の現状

 ザ地区は非常に過密で、住民は多くの困難に直面しています。現在、ガザでは食料、水、医療などの基本的な生活必需品が不足しています。また、イスラエルによる封鎖により、ガザへの物資の供給も制限されています。これにより、ガザの住民は深刻な人道危機に直面しています。

ハマスとは何か

 ハマスは1987年に設立されたパレスチナのイスラム主義組織で、武装勢力と政治部門の両方を持っています。ハマスはガザ地区を実効支配しており、イスラエルに対する攻撃を繰り返してきました。しかし、ハマスはパレスチナ全体の代表ではなく、パレスチナ自治政府の一部として活動しています。一方で、ハマスはガザ地区で学校や病院などの市民サービスも提供しているため、その存在は複雑です。住民にとってはハマスが提供するサービスが生活に欠かせない一方で、武装勢力としてのハマスの活動は地域の緊張を高めています。


ハマスとパレスチナ自治区の違い

  • ハマス: ハマスはイスラエルと戦ってパレスチナ国家を建国することを目指しており、反イスラエルの姿勢を明確にしています。ハマスはガザ地区を実効支配しており、武装勢力としての一面を持つ一方で、市民サービスも提供しています。ハマスの支持者は多く、特にガザ地区で影響力を持っています。

  • パレスチナ自治区(自治政府): パレスチナ自治政府は、イスラエルとの交渉を通じてパレスチナ国家を建国することを目指しています。自治政府はヨルダン川西岸を中心に活動しており、イスラエルとの和平交渉を進める立場にあります。


ガザの地上侵攻の重大さ

 ガザへの地上侵攻は非常に重大な事態です。イスラエルは空爆だけではハマスを完全に殲滅できないと考えており、特にガザに広がる地下トンネル網を攻撃するために地上侵攻を行っています。これらのトンネルは、ハマスが武器や兵士を隠し、攻撃を行うための重要なインフラとなっています。
 さらに、ハマスの戦闘員は見た目が分かりにくく、ラフな格好で戦車に上がっているような、民間人に紛れている場合もあります。そのため、イスラエルは敵とみなして攻撃するしかなくなってしまう状況です。
 しかし、イスラエルは民間人をなるべく巻き込まないようにするために、地上侵攻前に避難勧告を出しています。ここにはイスラエルが、国際社会に対して、民間人を巻き込まないようにしているという姿勢をアピールする必要性が大きく影響しています。
 地上戦は空爆よりもさらに多くの民間人に被害をもたらす可能性があり、家屋の破壊やインフラの崩壊により、多くの住民が避難を余儀なくされます。また、地上戦では兵士と民間人の区別がつきにくく、より多くの人命が失われる危険性があるのです。


避難勧告

 避難勧告は、戦闘が迫っている地域の住民に対して安全な場所に避難するように促すものです。しかし、ガザ地区は「天井のない監獄」とも呼ばれ、非常に過密で限られたリソースしか持ちません。多くの住民が避難場所を見つけるのが困難であり、水や食料などのライフラインが止まっている状況で、果たして何人が南に避難できるのかが世界中で注目されました。

 WHO(世界保健機関)は、この避難には無理があるのではないかということから、「この避難勧告事態を撤回するように」声明を出しています。また、南に避難したとしても、エジプト側が受け入れを拒否しており、逃げ場がない状況です。さらに、宗教上の「ジハード」という考え方から、その場でとどまって戦うことを選ぶ住民もいます。


アメリカの動き

 アメリカは、イスラエルの主要な同盟国であり、イスラエルの防衛に対する強い支持を表明しています。2023年のガザ侵攻に際しても、アメリカはイスラエルの自衛権を支持する一方で、民間人の被害を最小限に抑えるよう呼びかけています。アメリカ政府は、パレスチナ支援のための人道援助を提供することも表明しており、ガザの住民に対する支援活動を支援しています。  
 また、アメリカはイランに対しても警戒を強めています。イランは反イスラエルの姿勢を明確にしており、ハマスなどの武装勢力を支援しているとされています。アメリカはこの状況を注視し、イスラエルを支持する姿勢を示しています。
 アメリカが中東に何故ここまで関与してきたのかは、別の記事で今後ご紹介できればと思っていますので、記事の公開をお待ちください!

まとめ

 イスラエルとパレスチナのガザ侵攻について理解することは、現代の国際関係や中東の政治状況を理解する上で重要です。ガザ地区の現状を知り、国際社会がどのように対応しているかを理解することで、平和への道筋を考える一助となるでしょう。

詳細な情報

さらに詳しい情報については、以下のリンクから動画をご覧ください:

イスラエルとパレスチナのガザ侵攻に関する情報を理解することは、国際関係や中東の政治状況を深く理解するために重要です。ガザ地区の現状を知り、国際社会がどのように対応しているかを把握することで、平和への道筋を考える手助けとなるでしょう。

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