最後の最後に大やらかし! スイスコンサルプロジェクト ~番外編~
もうあとちょっとというところでホッとしてしまったのだろうか、それとも頭が限界を迎えパンクしてしまったのだろうか。
プロジェクトの集大成であるクライアント企業への最終プレゼンの日に大失敗をかました。このnoteではやらかし記念に、そして自分への戒めに、当時の状況や気持ちを書き残しておく。
ひぃ。
大学の図書館で勉強していた私の携帯にチームメンバーから着信が入る。
今電車の中?
、、、??え?あ、違うの、周りがうるさいのは学校にいて、、、
いや、もう電車出発したけど?
ん?なんのこと??
いや、この時間出発の電車で待ち合わせしてたじゃん
。。。!!!!???え、まってまってまってもしかして最終発表って今日??、、、
、、、。次の電車で来い。
え、でもTシャツジーパンだし、家まで30分かかるから往復で1時間かかって、、
、、、。とにかく今すぐこい!!
うわ、最悪だ。いつもあんなに優しかったチームメンバーが怒っている。そして明日とばかり思い込んでいて最後のプレゼン練習ができていない。
今から行くと公開処刑の極みだと思うと、逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、今まで精一杯頑張ってきたプロジェクト。とりあえず電車に飛び乗った。
目的の駅まで12分。
悔しくて、申し訳なくて、情けなくて自然と涙が溢れ出てきた。
最終発表に向けて1週間前から私が緊張していたのを知っていた友達。
直前まで一緒に図書館で勉強をしていた。そんな私が血相を変えて飛び出していったのを心配して励ましのメッセージを送り続けてくれている。
メッセージを読んで気持ちを落ち着かせつつ、全く働かない頭で少しでもプレゼンの練習をしようとする。そんなこんなで一瞬で到着。駅で待ってくれてたみんなのところへ。
いよいよだね、よく頑張ったよね、最後楽しみきろうね!
最後らしい雰囲気で会場まで徒歩で向かう。そんなみんなの会話に入る余裕なんて微塵もない。
ただひたすら携帯でスライドを見ては要点を確認する作業に努めた。あっという間に会場に到着。
いざ
用意されたステージ。社長さんをはじめとするクライアント企業の方々、大学の教授陣、さらにプロジェクト内容を聞き、駆けつけたノルウェーの教育関係者の方々が続々と席についていく。
スーツ姿に準備バッチリのチームメイトとTシャツジーンズで半べその私。
ああ、もうだめだ。終わった。
そんな時、ふと友達が送ってくれたメッセージが降りてきた。
たかが服装だよ、スーツ着てると思い込んだらいいじゃん。何より、みさきはお仕事を任せてもらったコンサルタントなんだよ、ステージに立ったら足を肩幅に開いて姿勢を良くして、深呼吸をして、笑顔も忘れずに。
なんだか吹っ切れてきた。
起きてしまったことは仕方がない。問題はここからどう動くか。
ドレスコードやプレゼンテーションなんてあくまでも目的達成のための手段。
目的は調べてきたことを根拠に、提案を行うこと。よし。
お水を飲んでお手洗いに行って、いざ、本番!
プレゼンがはじまり、自分の番になり、オーディエンス一人ひとりとゆっくり目を合わせながら話し始めるとあら不思議。
言いたいことがすらすら出てくる。
そして自分の番が終わり、ホッと一息。するとオーディエンス側にいたコーチが他の誰にもバレないように机の下からグーサイン。
思わず涙が溢れそうになるのをグッと堪えて私も小さくグーサイン。
1時間のプレゼンテーションも拍手喝采に終わり、その後の鋭い質疑応答30分の時間を耐え抜き、無事プロジェクト完遂!!!!!
ふぅ。
耐えた。やりきった。
地獄のような状況だったからこそ、この1日だけで学んだことがたくさんある。
ひとつは失敗をいち早く認め、その場全体の最善策をとるべき、ということ。
今からプレゼンだと知った時、私の頭に浮かんだのは、いかに自分の失敗をカバーできるか、ということ。まず、スーツに着替えなきゃ。
違う。チームにとって大事なのは私がいち早く現場に駆けつけること。
こんな格好では恥ずかしい、プレゼンの準備もできていない、という私情は一旦置き、私が調べてきたことを私が最後まで責任を持って説明することがチームにとって最善であった。
当時はこんな冷静に考えられなかった。チームメイトに今すぐ来い、と強く言われ、ほぼ思考停止で電車に飛び乗った。そして飛び乗れたからこそ、「失敗にまっすぐ向き合った結果、学びを得る」という成功体験を得ることができた。
もしあの場で逃げ出していたら、「念の為日程の再確認をすべきだった」「私がいなくてもプレゼンテーションが回るように共有しておくべきだった」という浅い反省で終わっていた気がする。
おっちょこちょいだから、きっとこれからも色んな失敗を繰り返すはず。もちろん未然に防ぐ努力は必要だけど、失敗自体はきっと悪いことばっかじゃないよね。それよりその後いかに失敗にまっすぐ向き合うか、ピンチの時にいかに周りのことを考えられるか、を徹底できる人でありたい。
もう一つは成りきる、ということ。
これも1つ目と共通しているのは、自分、自分、ではなく、相手の立場に立つと言うこと。
恥ずかしい、悔しい、逃げたい。のは私。相手はこの日を楽しみに、何なら外国から来てくれている。ありのままの自分で叶わないなら、相手の期待に応えられるような人物像に成りきる。
私はコンサルタント。この目と耳、手と足でたくさんのリサーチを行なってきた、という自信を持って提案まで持っていくべき。
友達のメッセージがこのことを気づかせてくれた。ありがとう。
3つ目は努力は裏切らない、ということ。
形式的な準備はできていなかった。もっとスマートな伝え方があったかもしれない。
でも、自分の言葉には力があった。伝えたいことがすらすらと出てきた。言葉に自分の想いが乗っているのを感じた。想定質問リスト、なんてなかったけど全ての質問に根拠と共に答えることができた。
もがきながら、必死で行なってきた努力は、どんな状況であれ、確かにそこに存在していた。
これはステージに立って、話し始めてみるまで気づかなかったこと。やっぱり
ステージに立ててよかった。
そんなこんなで最後まで波瀾万丈だったコンサルティングプロジェクト。
待ち遠しくて、ワクワクして、嬉しくて。モヤモヤして、悔しくて、情けなくて。やってやるぞって思って、できなくて、もうどうにでもなれって思って。
いろんな感情に揺れ動かされた毎日。
なんにもできなかったけど、それでも日々は進んだし、気づいたらたくさんの学びを得ていた。だからこそ改めて思う。
動き続けよう。
ずっこけたらええねん。迷子になってもええねん。迷惑かけてもええねん。
逃げ出さなければ。ありがとうを忘れなければ。
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