ちょっとの勇気が違う世界に連れてってくれる
中学生の時、自分の人生が「ちょっと変わった」と感じた出来事があった。
当時は、女子100mハードルで全国大会で15位の実力を持つくらい毎日練習漬けだった。
平日は夕方から夜の11時くらいまで、夏休みは毎日朝から晩まで練習。
ただ、そんな日々の疲労の蓄積からか、靭帯断裂。
小学生の頃に後遺症が残る肉離れも起こしていたので、走るのを断念してしまった。
今まで自分の中で「ハードルで全国の表彰台に乗る」という目標に向かって走り続けてたから、ドン底を見た気分(思い出しただけでも辛くなってきた…)。
「走る」ということでしか自分に自信を持てなかったから、当時は何もやる気力がなかった。
そんな中、通学路の途中にあるおばあちゃんと会った。
夕方はみんなの帰りを見届けてくれるおばあちゃん。
部活がない日は帰りが早いので、たまに会っていた。
相当暗い顔をしていたんだろう、おばあちゃんが声をかけてくれた。
それで、陸上をやめたことに対して、今まで誰にも言えなかった辛い気持ちを話した。
話し始めたら自分でもびっくりするくらい止まらない。
言いたいことから話してるから、文章でもなんでもない。
だけど、うなずく以外何も発さず聞いてくれたおばあちゃん。
今思えば、自分は誰かに話を聞いて欲しかったんだと思う。
最後まで話し終わった後、おばあちゃんが口を開いた。
「人間はみんな変化することに怖がってしまう。今まで "これ" で生きてきたのにって思っちゃう。でも、変化することを恐れずにちょっと勇気を持って飛び込んでごらん。今までとまた違う世界が見えるから」
中学生の私はこの意味をあまり理解してなかった。
だけど、おばあちゃんがいうことに妙な説得力を感じた私は、陸上以外のことに目を向けることに。
大好きなディズニー映画や劇団四季を観たり、時間がなくてできなかった編み物を再開したり…
このことを始めてから、今まで話したことがない友達と話せるようになったり、やりたいことが広がったりと、自分が自分じゃないように感じていた。
「ちょっとの勇気が違う世界に連れてってくれる」
勇気を持って、ちょっと違うことを始めてみてよかった、今はそう思う。
そして、大人になった今、この言葉をもう一度深く考えてみた。
勇気を持って挑戦することをできる人って魅力的。
いろんな方とお会いして魅力的だなって感じる方の共通点はここにあるんじゃないかなって思う。
おばあちゃんが教えてくれたこの言葉。
中学生の時は背中を押してくれて、
大人になった今は魅力的な人になるための魔法だったんだと今は思う。
ちょっとずつ魅力的な人間、女性になれるように勇気を持って挑戦していく。
見ててね、名前も知らないおばあちゃん。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?