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展覧会『織り機につどう』のお知らせです(クラウドファンディング支援のお願い)

こんにちは。
私は現在、山梨県のFUJIHIMUROという場所で2月7日(金)より開催される展覧会『織り機につどう』の会場構成を担当しています。

装いの庭というファブリック・テキスタイル関係のイベント運営をしている藤枝さんが発起人であり、写真家の山口明宏さんとともに主要メンバーとして現在計画を進めている真っ只中です。

まずは、こちらのプロローグムービーをご覧ください。

この展示はこの映像に出てくる織り機を解体・再構築することがメインコンテンツとなります。
また、その織り機に『つどう』人々についても、もうひとつの大切なテーマとして考えています。

私が最初に会場構成のお話をいただいたとき正直、織り機のことをまったく知りませんでした。(当初、私はノスタルジックな手織り機をイメージしていましたくらいです。実際は映像にあるような、現在も稼働している機械織り機がテーマになります。)

しかし何度か現地に趣き、織り機の周りで仕事に携わる人たちから話を聞くことで、そこで仕事をし、悩み、笑い、生きていく人々のリアルが見えてきました。
そこにはそこで紡がていく布がただ、ただ『好き』で集まってる人々がいました。
今回の展示では彼・彼女ら、織り機に『つどう』人々についても、もうひとつの大切なテーマとして考えています。

さて、機械織り機は現在もこのように複数の工場が稼働しているとはいえ、やはり将来的には縮小していく方向にあると思われます。それは中国や東南アジア等の大規模工場による低コスト・大量生産の波に抗えない面が大きくがあるからです。
しかし、ここで作られる布は小ロットであるがゆえに、細かなオーダーに対応できることや、確かな品質が確保されることから、所謂作家物やハイブランド等から一部では需要があることも確かです。

(ちなみにバンドのフジファブリックはこの土地、「富士」吉田の「織物」産業から来ているそうですよ。)

このような状況の中で、現在危惧されていることであり、今回の展示での大きなコンセプト。それは『織屋番匠(はたやばんしょう)さんが高齢化・後継者不足により、いなくなってしまうかもしれない』ということです。織屋番匠とはハタオリ機の解体構築(解体して移動や組み立てをすること)や修理メンテナンスを専門に行う機械工のことです。
次の動画で紹介していますので、ぜひご覧ください。

以下はクラウドファンディングサイトFAAVOからの説明です。

みなさん、「織屋番匠(はたやばんしょう)」という仕事をご存知でしょうか?

名前を聞いただけでピンと来る方はほとんどいらっしゃらないと思います。織屋番匠とは布を織るハタオリ機の解体構築、修理メンテナンスを専門に行う機械工のこと。【中略】

今、やまなしの織物産地でもっとも差し迫った課題がこの職人たちの高齢化です。現在、地域で仕事を請け負っている方は2名のみ。いずれも70歳を超えています。もしかしたらあと数年のうちにこの仕事はなくなってしまうかもしれません。

地域で活動する中で工場の方々へ「今、もっとも困っていることは何でしょうか?」と尋ねてまわると、もっとも多く答えとして返ってくるのは「彼らがいなくなってしまう」ということでした。
どうにかしなくてはいけないと多くの機屋さんが感じているこの仕事を継承していくには、仕事を学ぶ気持ちを持った人と学ぶ機会が必要です。
今、地域には、この仕事に興味を持つ若者や学ぶ機会があるなら参加したいと考えている工場の職人たちがいます。機屋番匠さん監修のもと、その方々が実際に織機の解体や構築を体験できる機会があれば、と思いついたのがこのプロジェクトのきっかけです。そして、その様子を展示として一般の人にも見てもらったり触れてもらうことで、仕事を知ってもらい、興味を持ってくれる人がさらに現れるかもしれない。
企画展「織り機につどう」は、今、織り機につどっている人たちへの事業継承の機会であり、仕事を紹介し織り機につどう人を募るための企画展です。
しかし、展示を開催するためには大きな織機を会場に運搬・設置しなくてはなりません。この資金100万円をクラウドファンディングで募集させていただきます。

企画展「織り機につどう」では、機屋番匠さんにお願いし、ギャラリースペースの中に2台の織機を設置します。1台は織機を使ったインスタレーションに、もう1台は機屋への就職を考えている若者や織機の構造を改めて勉強したい機屋さんが触って解体と構築を行うデモンストレーションに使用します。運営の都合上、デモンストレーションへの参加は地域の事業者限定とさせていただきますが、見学はどなたでも自由に行っていただけます。

インスタレーションでは、織機の記憶をテーマに躯体や織機のパーツを再構成した演出を考えています。構成を担当する久米岬から出てきたのは、四方から伸びた糸が織り機に集まって円をつくるというアイデアでした。このために使う糸はコンセプトに共感をしてくださった石川県の織機パーツメーカー「モリモト」さまより協賛をいただき、織機で使われる「通じ糸」を使用します。
また、準備工程に使われる機械も数種運び入れ、触れたり、作業を体験できるようなワークショップを行います。こちらは会場にお越しいただければどなたでも自由にご参加いただけます。

織機のパーツを使ったアート作品の販売や映像作品の上映も行い、さまざまな観点から織物の仕事とそこに集まった人々を紹介します。

私たちはこの展示が、富士吉田の、日本の織物産業の未来につながっていくと本気で信じています。
先日、会場であるFUJIHIMUROにて夜中の3時過ぎまで3人で『なぜこの展示をするのか』話し合っていました。一部では衰退していくことが避けられない産業についてこのような展示をやる意味はあるのか?と。
しかし結局最終的に残るものは織り機に関わる人々の『好き』という感情であると結論づけました。そして私達はそれを精いっぱい『伝える』ということに専念すべきであることを。

現在私達はクラウドファンディングにて、織り機を会場に運搬・設置するための資金100万円を募っています。
少しでも興味を持ってくださった方、この瞬間をできるだけ多くの人に見てもらうためにもあたたかなご支援とご協力をどうぞよろしくお願いします。
また、随時状況については更新をしていきますね。

三人

藤枝さん、山口さんと会場のFUJIHIMUROにて。

展示企画概要

タイトル:織り機につどう
開催期間:2020年2月7日(金)〜3月29日(日)
時間:10:00〜17:00
休館日:火・水・木
場所:FUJIHIMURO
山梨県富士吉田市富士見町1-1-5

企画:装いの庭
会場構成:久米岬
広報・制作:山口明宏
主催:富士吉田織物協同組合
協力:ふじよしだ定住促進センター
音楽:「LOOM」by田辺玄・森ゆに

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