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建築における 『単焦点』 のススメ

コンピューター全盛の時代、なぜ未だに手描きの図面や建築模型が使われるのか。
それに対しての私の考えを書いてみます。

建築において、体感するということは、設計する行為においても重要です。
まるで自分が建物の中に入っているかのような、もしくは鳥のように空の上から眺めるような感覚で設計すること。
私たちは最も想像力を発揮できる方法で設計を行うべきだと思います。

未だに手描きの図面や模型が設計行為において重要なのは、それが『単焦点』であるからだと考えています。

カメラのレンズで言うと、
自分が対象から近づいたり離れたりするのが単焦点レンズ。
対象を自分に寄せたり離したりするのがズームレンズ。
そのように考えると…

CG=ズームレンズ
模型=単焦点レンズ。

CAD=ズームレンズ
手描き=単焦点レンズ

というふうに分けられるかと思います。
(CAD:computer-aided design の略。コンピューター上で図面を描くツール)

単焦点であることは自分の身体を使って、近づいたり、離れたり、覗き込んだり、見上げたりする。
そうすることで建築として抽象的な概念を残しながら、純粋な感覚で検討を行うことができる。
ここが単焦点の優れているところだと思います。

もちろん私も多くの図面をCADで描くし、コンペ等ではCGも使っていきたいです。
また、3Dから図面を描いていくことは設計においてむしろ自然なことのようにも思えます。
ただ、単焦点での設計行為に多くの気付きがあるのは確かです。
それぞれの良い所を活かして、今の時代だからこそ可能な、より良い設計をしていきたい。
そう思って今日も試行錯誤しながら設計を続けます。

それでは今回はこのあたりで。

私は久米岬建築設計事務所(個人の設計事務所)とジーマーミーアーキという3人組の建築家ユニットの2つを拠点として活動しています。個人の方は現在ホームページを作成中です。ジーマーミーアーキはプロフィールにリンクがありますのでよければ覗いてみてください。

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