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固定観念を外して部屋を考えることで暮らしがもっと豊かになると思う。アルヴァ・アアルト設計『カレ邸』の玄関から考えるくらしのヒント

こんにちは。
私とイラストレーターの火詩さんで運営しているYouTube『くらしの学校』より、建築家アルヴァ・アアルトが設計した『カレ邸』について一部抜粋してご紹介します。
今回のnoteでは動画の中盤で話しているカレ邸の玄関のこと。そしてこの玄関をヒントにして、部屋についている名前の固定観念を外すことで広がるアイデアなどについてご紹介します。

​YouTube『くらしの学校』は、世界の名作建築を学びながら、それらの素晴らしい点をみなさんの生活やこれからの家づくりに活かすためのYouTubeチャンネルです。

動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

前回のnoteはこちらからご覧ください。

画商であったルイカレ(カレ邸のクライアント)がこの住宅を建てるにあたってアアルトに希望したのは、『芸術の為の住宅』であること、そして『家族の生活と芸術が離れ離れにならないこと』でした。暮らしの中で自然に芸術を楽しむことができる、そんな住宅を望んでいたのですね。そしてこの希望を最も反映しているのが、このルイカレ邸一番の見どころでもある、玄関ホール兼ギャラリーです。

ギャラリー・メイン

ギャラリー高窓側

最高5mもの高さがあるこの玄関ホール。オーロラのように波打つ天井がとても印象的ですよね。ルイカレが所有する貴重な作品を飾るためのギャラリーを、アアルトはこの玄関に配しました。さて、比較的コンパクトにまとめられることも多い住宅の玄関に、このような大空間を用意したのはなぜだと思いますか?

ここで一度、玄関という場所に求められる役割を考えてみましょう。
その役割は主に

1. 外と内を行き来する
2. 他の部屋へ行くための通路となる
3. 来客を迎える

といった具合でしょうか。

これらを考えると、玄関にギャラリーを配置することで、全ての住人が日常的に作品に触れることができ(1&2)、来客へのおもてなしの役割も果たす(3)ことができるのです。
金銭的な上限がなく、敷地にもゆとりがあったこの住宅では、もちろん別途壮大なギャラリーを設けることも可能でしたが、「家族の生活と芸術が離れ離れにならないこと」という要望に沿うよう、このような空間が生まれたのですね。また、ルイカレはここを商談の場としても活用していたそうです。
確かに玄関を入ってこんなギャラリーが出迎えてくれたら、思わず自分の家にも美術品を迎えてみたくなってしまうかもしれませんね。

ギャラリー・商談の場

なお、ギャラリーとして絵画等を飾るために設けた2枚の白い壁の高さは2.2メートル、こちらはあえてヒューマンスケールともいえる、住宅として親しみのある高さで作られています。
このダイナミックで有機的な形状の天井とヒューマンスケールでつくられた壁の高さの対比によって、ここに飾られる作品がより一層引き立つように計算されているんですね。

note_futokoro_baseのコピー

家を建てる際、玄関ひとつを考える場合においても、このように他の用途を兼ねた空間を考えてみてはいかがでしょうか?
「玄関はこのくらいの広さ」という固定観念を取り払うと新たなアイデアが生まれて来ます。例えばDIYがお好きな方なら、土間を広くとって作業スペースをとったり、植物がお好きな方なら、日当たりをよくしてガーデニングを楽しむスペースにしてみたり。ちょっとしたお客さんに、お茶を出せるようなスペースを用意してもいいですね。

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玄関以外でも、部屋の名前に縛られない自由な空間づくりを考えることで、あなたらしい、素敵な住宅づくりに繋がると思います。

さて、今回のnoteはここまで。
次回くらしの学校の投稿では、今回のギャラリーでも特徴になっているカレ邸の『天井』をリビングや図書室を含めてご紹介します。

YouTubeの方も動きがあって楽しい動画になっていますので、復習としてご覧いただけると嬉しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=6znRKHMR-7k

それでは最後までご覧くださり、ありがとうございました。

掲載している全てのイラストはイラストレーターの火詩さんに描いていただいたものです。
引用させていただきました写真はクリックすると引用先のURLにアクセスする形としております。

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