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漂うのは

無機質な数字の飛び交う空間で
漂っていたら
見つけたんだよ

おかしな子がいたんだ

今にも死にそうなのに
慣れないひきつった笑顔で
手を振っていたんだよ

怪我をして痛そうなあなたに
私は手を差し伸べて
助けようとしてしまった

そこからははやかった
あなたは必死に手を握り返して
救護を求めたっけ

その子は傷口から流血したままで
べっとりと私についた血は
真っ赤だった

それは生あたたかく
どこか鬱陶しい
不思議なものだった

***

朝日が昇るのを数えて
窓の外を見ていたよ
私の使命は?なんでしょうか

何度も何度も自問自答して
確かめました

自分を殺さず生きるために
尊重すべきこと
妥協すべきこと

その時点で答えは決まっていると
気がついてから
それからは本当にはやかった

間違わないよう
道筋を確認して

待ってましたとばかりに
行動したっけ

***

あなたの瞳は私の心の深いところを
一瞬で突き刺した

結果 私の体裁は
がらがらと崩れ去って
砂となったね

こんなことってあるかい?

***

住んでいる家の
階段には染みがついて
全体的には白いのに
この場所だけは擦っても落ちない

きっと何か違うものを塗り重ねても
汚れるだけで綺麗になることはない

雨でしわくちゃになった
冷たい郵便物
中身を見なくてもわかる
そこにあるのは義務と他者からの期待

どうでもよくなった体裁は
果てしなく続き
追いかけてきて
私の主観など置いてけぼり

きっと自由と引き換えの償いなんでしょう

生まれた愛着は千切れることなく
永遠の課題となり
私を離さない魂の繋がり

認めざるを得ない他者の存在

紐で縛りくくりつけられた
心臓が痛いな
引っ張らないでとは言えない
私は囚われた人なんでしょう?

白衣の大人たちは言う
休みましょうと
そこに優しさはあるけれど
無いものが目立って苦しいな

彼ら彼女らから欲しいものがない

欲しがっているんじゃなくて
ただ単純に
無いことが気になるだけなんだよ

他者との関わりは
簡単に私にとどめを刺せる

そんな無責任さに
脅威と空虚を感じるくらい
近くて遠い

もしもここに因果があるなら
宇宙の法則とやらを教えてほしい

この世界に生まれたことで
希望をもって息をすること
とても難しい

だけど空を仰げば鳥が飛んでいて
その姿を美しいと感じる
この気持ちだけで幸せは在り

雨でさえ愛おしいこの世界
欲しいのは安らぎなんでしょう
ただそれだけ
ただそれだけ

苦しいけれど
流れる血を止めて乾くのを待てば
痛いけれどその先には
希望があるよ

傷口は喋ることもなく
あなたに寄り添う
今は意味がわからないけれど
何れそれも受け入れたら
全てが平等に廻り始めるでしょう

それが自然でありのまま
そういうことでしょう?

見出し画像は稲垣純也様にお借りしています。灰色の海月が漂っているような不思議な感覚になります。白い紐がきつくギュッと結ばれていて記事の内容と重なり、このお写真を選びました。

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記事の最後に有料でこの作品を書いた時の気持ちをあとがきとして綴ります。

私のインターネットでの活動へアクセスしやすい地図を貼っておくので、みなさんどうぞここから様々な私をお楽しみください。

*あとがき*ダークバブちゃん

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