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再発!?その時家族の生活は #5

ANAを退職して2か月後、仕事から帰ると母が苦しそうに部屋から出てきて喋るのもできない状態。
「救急車呼ぶ?」と聞くと、頷いた。

夜中の12時頃だったと思う。家から徒歩10分のかかりつけの病院。
弟は寝ていたので一人家に置いてきたが、8歳の子供を一人にしている事も心配になりながら、救急からの所見を病院内の閑散とした椅子で一人待つ。人はもちろん誰も居ない。

「再発!?」

その二文字が頭によぎりながらも、何とか打ち消そうとするが上手くできない。このシチュエーションは、心細さと緊張と怖さで、脈拍がかなり早くなるのを自分でも意識するほど。

救急でできることは限られているが、分かる範囲では「腸閉塞」とのことだった。
ただ、健康な人の腸閉塞とは違い、腸の一部が全く動いていないんだとか。
いわば壊死している状態。
「動いていない部分を切除しましょう。」と言われた。

それしか方法がないのかな?
でも、分からないし、他に調べている時間もない。
夜中のやや頭の回らない疲れた脳みそで懸命に考えたが、それ以外に何も思いつかない。医学知識もないし当然なんだけど。。


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すでに夜中2時ごろだったかと思う。
そのまま入院することになったので、私は一旦家に帰り、
翌朝、入院グッズを持って弟と一緒に病院に行った。

(*入院グッズ:パジャマ、タオル、歯ブラシ、スリッパ、おむつ、油性マジック、癒しのアロマとか)

小学校2年生の子供に病名とか言っても分からない。
でも、病院の雰囲気とか、ベッドに横たわる母の姿を見て「状況を理解」することはできる。こういう時は変に子供扱いしたり嘘をついてはけない。子供は案外鋭いので、雰囲気で察するものだ。

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2週間ほどの入院だったと思う。
不思議と退院の時のことはあまり覚えていない。

それからしばらくは何も考えないで、普通に生活するようにした。
母も仕事に復帰した。

母はたばこが好き。かなり吸うほうだと思う。
「たばこ吸ってるうちは元気」
母がよくそう言っていた。

だが、母の食はあきらかに細くなっていた。
例えば、唐揚げ1個だけレンチンしてたべようとするが、一口かじると気持ち悪くなって食べれない。そんな感じ。
もともと母は細身の体形。164㎝、49㎏。
この頃にはすでに45㎏くらいになっていた。


そういう光景を日常的に家の中で目の当たりにすると、私もだんだん気が滅入ってくる。かといって、どうしてあげればいいのかも分からない。
自分は無力なんだなと感じながら、見守ることしかできない。

「先生、食道が胃のような働きをしてくれるようになるって言うてたけど、全然そんな感じに見えへんで」

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弟も何か感じていたのだと思う。
母が仕事が終わる時間にいつも職場まで迎えに行く。
私が出かけるときも、「お仕事?」「すぐ帰ってくる?」と聞くようになっていた。

家族が離れ離れになってしまう。そんな予兆を感じていたのかな。。。

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年明けすぐ、母が再び腸閉塞で緊急入院。そして、、、。

#6 23歳の私に伝えたいアドバイス

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