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【ドイツ留学#1】フラットな感覚

ドイツの教育制度

ドイツ留学中に知ったのですが、ドイツは教育費用が無料です。これだけ見聞きするとドイツの制度がすごく魅力的に思えたのです。
しかし、その分の負担が他の部分に現れているというふうにも感じました。
教育費が無料の分、税の負担が日本に比べ大きいでしょう。
また、ドイツは日本以上に学歴社会であり、大学進学も大変厳しいと感じました。ドイツの制度などを色々調べていくと、この国では10歳ごろには将来の進路を決めて進学するようです。ギムナジウム(中高一貫)に進学しなければ大学進学はほぼ難しい。
日本では大学の授業料もかかりますし(ちょうど今大学の授業料値上げが話題となっている)、大学受験のために努力する必要はあります。ですが、10歳の頃に進路がそこまで狭められているとは思いません。
ドイツと日本の制度が一概にどちらが良い悪いでなく、このような各国での違いを留学中に知ったのです。

私と同じように海外留学に来ていた学生

私は今海外の大学に滞在して研究を行っています。
デスクで私の隣の中国人に話しかけてみたら、その方は博士課程からは自国を離れドイツに来ているとのことでした。なぜ海外で学位取得をするのか聞いてみるとその方は
「中国では博士を取得するのは大変すぎる。修士課程ではクラスも多くて研究をする余裕はないし、博士課程は最低でも4年はかかる」
と言っていました。母国では学位取得の審査が厳しいため、他国に来て研究をしているのだと思います。
日本では修士課程での授業は研究を圧迫するほどではないですし、三年で学位を取れる傾向にある(もちろん絶対ではないです)ということを伝えるととても驚いていました。この中国出身の学生と話してみて、日本に来て博士号を取得し、そのまま日本で過ごす中国人がなぜ多いのかも少しわかったような気がしました。
海外の学生もみな優秀かつ、真剣に学業に取り組んでいるので(正直私の体感では日本の大学生より真剣)すごく刺激になりました。

グローバルな環境に身を置く

留学先の大学では様々な国籍の方がいます。つい先日も新しくアメリカの大学(名門!)から学生が私と同じように留学のため学校に参加しました。
そして各国の学生に学校の環境を聞くと本当に日本の学校とは全然違います。
月並みな言葉ですが、やっぱりグローバルな環境に身を置くのは非常に刺激的で楽しいですし学びが大きいです。自分が他の人の人生を生きることはできないですが、いろんな話を聞いて誰かの人生やドラマを知り、思いを馳せることができます。そして自分では当たり前だと思っていたことを話してみても、すごく楽しんで聞いてもらえたりします。
本や映画などから学ぶこともありますが、このように留学をして身を持って経験した上で、自分の言葉で語ることができるのもいいなあと考えています。

色々と考える

学業面だけで各国について色々と考えてみました。他の事象に関しても言えることですが、断定的でキャッチーな言葉に惑わされてしまい偏った考えを持ってしまうときもあります。ですが、一面的に捉えずフラットな感覚を持っていたい、バランス感覚を保っていたいなあと思いました。
例えば、よく「日本は◯◯だからオワコンだ」などといった言説を見聞きします。ですが、私の恩師の言葉を借りていうならば「物事はそんなに単純じゃないし自分たちが思っているよりもあらゆる物事は繋がっている」ということです。この言葉にはとても感銘を受けましたし、これを忘れずにいたいです。
個人的には、日本が母国であるということに誇りを持っていますし、総合的に見たら本当に恵まれた国であり、私は大学で恵まれた教育を受けたのではないかと考えています。そのありがたみを噛み締めながら留学生活を送っています。

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