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何故だかデヴィッド•リンチまつり

コンバンハ!

コロナウィルスが猛威を振るう今日このごろ、「ウィルスよりコワイものをみて、ウィルスへの恐怖を紛らわせたい•••」という思いから(よくわからない?笑) 鬼才デヴィッド•リンチ監督関連のシネマを鑑賞しました。
気味悪さの骨頂『インランド•エンパイア』と、リンチ監督自身のドキュメンタリー、『デヴィッド•リンチ:アートライフ』です。

『インランド•エンパイア』のあらすじはWikipediaさまさまから下記引用させていただきます。

"ハリウッドに住む女優ニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)は、『暗い明日の空の上で』という映画の主役に抜擢される。監督(ジェレミー・アイアンズ)、そしてもう一人の主役デヴォン・バーク(ジャスティン・セロウ)と共に製作に意気込むグレイス。
しかしこの映画はいわくつきのポーランド民話を元にした映画『47』のリメイクで、呪われているらしいことが明らかになる。『47』は映画化の際に、主役の2人が謎の死を遂げ製作が中止に追い込まれていたのだ。それでも映画の撮影は進められたが、やがてグレイスの周りで不可解な事が起き出し、現実と映画の世界が交錯しはじめる。"

なんで自分であらすじ書かないで、Wikipediaからの引用なの?ナマケルナっ!と、思われたミナサン。まずはこの映画をみるべし。正直言って、一回観ただけじゃ勿論、二回鑑賞しても、私にゃあらすじらしきものがまとめられるほど意味が理解できなかったんです。Wikipediaにのってるあらすじでさえ、簡潔すぎるあらすじですが、これくらいの部分しか、【わからない】のがホントです。

この映画は、リンチ監督が行き当たりばったりで(失礼)制限時間も気にせず撮影した、巷では「こんなの映画じゃなくってよ」とさえ言われてしまっている作品でして、言ってしまえば意味不明のトンチンカンで、観客はどちらかというと、この物語のあらすじを理解させられるというよりは、断片的で悪夢的、かつショッキングな映像をボヤーっとひたすら見せられることになります。

3時間もある薄気味悪い映像の連なりを鑑賞し終わったあとは、ひたすらながいながい不気味な夢をみおわったような気分になります。そんな気分になって、薄気味悪くって、この気持ちをみんなはどう解消したの?と気になり、Googleに'インランド•エンパイア 不気味'だとか'インランド•エンパイア 意味不明' だとか、'インランド•エンパイア 謎解き'だとかをひたすら打ち込んでひたすら関連記事を読み、何とか慰められてやっと眠りについたら、ホンモノの夢の中で映画のシーンが出てきちゃったりして、ウエーっとなったりするわけで、そんな一連の出来事の最中は、キレイサッパリコロナウィルスのことなんか忘れられました。

この映画が賛否両論ありながらもなんだかんだ語られたり繰り返し鑑賞されたりする理由は、この映画を個人の経験にしたくない鑑賞者が、感想や解釈をシェアし合うからだと思います。個人の経験にしておくには、あまりにも不可解でショッキングだからです。

そして、Googleで検索をかけまくり、色々な解釈や感想に触れるのは、本当に面白かった!
リンチ監督は、こういう楽しみを与えてくれるから凄いのだな、と切に思います。
いろんなひとがいろんな解釈を書いていましたが、私は'ぜんぶ当たりだな'と、思いました。なぜならリンチ監督はシュルレアリストです。この映画には間違いなく、ダリやマグリット、キリコの絵画のそれのような、複数の解釈が埋め込まれているのです。'観るものに自由な理解の喜びを'なのです。
あるひとは「なんてすてきな愛にあふれた映画!」といい、あるひとは「さっぱり意味わかんない。つまんない」といい、またあるひとは「なんてかなしい•••」なんて言う。その事実こそが、何より面白いと思います。

その不気味な作風ゆえ、「こんな不愉快な世界を創り出して、ひどい!大嫌い!」と評論家に言われてしまうこともある監督ですが、彼の作品を丁寧に観察すると、世の中に必ず蔓延る'悪'や、'闇'の世界を、精神的なレベルで深く'疑似体験させてくれる'いわゆる苦い薬のようです。'毒薬'ではなく、'苦い薬'である、というのがポイントです。どの作品にも必ず、光の存在が謳われているからです。

それはデヴィッド•リンチ氏をドキュメンタリーで撮影した映画『アートライフ』で、確信することができました。

さてもう0時をまわりましたので、そのお話は、また別の機会にて。

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余談ですが、『アートライフ』のなかで監督は、殆どのシーンで煙草を吸っていて、もはや監督の髪型まで、煙草の煙に見えてきます。


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