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観葉植物より造花派

自然と触れるのは、生きていくうえでとても大切なリラックス時間。
目に優しい色なのはもちろん、葉や樹木から発散される香りに癒される。
この香りは「フィトンチッド」と呼ばれるそうで、リフレッシュや消臭などの効用があるようだ。
科学的にも心理的にも、植物に触れることで人は癒しを得られると実証されている。
花や葉によって季節の移ろいを感じられるし、いいことづくめだ。

最近はひきこもり需要も相まってか、観葉植物を買う人が増えた気がする。
街の花屋さんにも、ショッピングモールにできた植物専門店にも、人がわんさか集まっている。
やっぱり初心者向けはサボテンといったところ。
パキラやガジュマルも聞いたことはある。
家庭菜園も兼ねてバジルやミニトマトなどもあったりする。
お花だと毎月その季節に合わせて旬のお花を選んだりする人も。

サボテンといえば、私は何回か枯らしてしまったことがある。
「どんなにズボラな人でも枯れない」なんて言われるけど、気づいたらしぼんでいなくなっていた。
お水は一応季節に合わせて量を調節していたつもりだ…1ヶ月ぐらいは。
そのうち面倒くさくなって、エアコンの下に放置していたら、ある日サボテンがいなくなっていることに気がついた。
え、しぼんだ?とびっくりしてあたりを見回してみると、カラッカラになった小さな穴だらけの物体が転がっていた。
ああ、サボテンに申し訳ないことしたな。砂漠でもこんな思いはしないだろうに。
少しの間サボテンに思いをはせて、ゴミ箱に捨てた。

前科はサボテンだけではない。他の植物にも同様のことがあった。
なんせ水やりを習慣化するのは難しい。
実家も別にお花を飾ることはほぼ無かったし、ベランダにある鉢植えたちは自然の雨だけで毎年花を咲かせていた。
だから、わりと放置していても植物って生命力あるんだなと過信していた。
でも、いざ頂いたお花や買ってきた観葉植物を育てようとすると、
水やりを忘れ、水換えを忘れ、気づいたら枯れてしまう。

私には植物を育てる才能が無いんだなと半ば諦めつつ、でも家に自然を取り込みたいと思った。
そこで造花の出番だ。
造花ならお世話もいらないし絶対に枯れることがない。
ブリザードフラワーとかもあるけど、それよりお手軽な値段で買えるものも多い。
最近はかなりリアルな造花も増えているし。

唯一家に飾っている造花は、結婚のお祝いで職場の方から頂いたもの。
ピンクを基調にとても可愛らしいサイズ感で、お気に入りのアイテム。
疲れたなと思った時は、そちらに目をやると少し癒される。
何も香りは発散してないし、結局は偽物だから効果があるのかはなんとも言えないところ。
それでも、ちょっとお花の色があるだけで、部屋の中が一気に明るく感じられるし、癒し効果ももたらしてくれる。

日々ストレスを感じやすくて繊細な私にとって、お世話のことも考えなくていいし枯れる不安と戦わなくていい造花は、とっておきの癒しアイテムだ。
…とはいってもたまには公園へお散歩に行って、本物の自然に触れる必要があるけれど。

miru

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