感想:『パンとスープとねこ日和』
シンプルで、無駄がなく、どれも丁寧に作られている。
清潔。
正直。
愛らしい。
てらいもなく、
演出もなく。
なんでもないのに、
なんか、
特別。
こういう世界が好き。
ドラマ「パンとスープとねこ日和」。
台詞も登場人物も、ストーリー展開も、
無理なことや、
ドラマチックなことは、1つもない。
静かで、淡々とすすむ。
こういう映画、私は好きなのだけど、
十代の子にみせると、
エンタメに慣れてるから、
眠くなったりするみたい。
間を味わえるかどうかで、
楽しめるかどうかが、
決まってしまう映画も多いんだなと気づかされた。
映画やドラマの間は、
小説の行間に、似ている。
間も味わわせる小説って、
じつは、こんな作りなんだ、
とあらためて、また思ったり。
さらに個人的に、
「好きな人にだけ、わかってもらえればいいのよ」的な、
この競争心、闘争心のない構えが、
あり方として、ヒントをもらえた。
荻上直子監督の「かもめ食堂」も、群よう子原作だったけど、もしかして、群よう子の作品がそんななのかも。エッセイだけではなく、今度小説も読んでみよう。
かもめ食堂、めがね、プール、トイレット。
いずれも、わかる人にはわかる作品世界。
このシンプルさと清潔感が好き。
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