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短歌

60
短歌です
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安堵

安堵

宵の口シャッター降りる音がしてもうあきらめてもいいのか、と気づく

冷汗

冷汗

猫の目やぞっとするなり金色の瞳の中身はたぶん死んだ人

さくら

さくら

だれの血を吸っていたって知るものか
おれと夫婦になるのがいやかい?

うた

うた

人なんて映画の中で死ねばいいきみは木陰でうたをうたえよ

命綱

命綱

音楽がもともと生きていたことを思い出した日の酒の甘さが

360°

360°

前を見て右から左の音がしてうしろむいたらぼくがみている

ろくでもな

ろくでもな

ろくでもな朝を訪ねて五里霧中首のうしろで晴れがはねてる

時計

時計

風花にしうと巻かれたきみたちが同じ時計を持たなくなった日

ラブリー

ラブリー

隣人と友人、家族の喉笛をめがけてかけてるチョコレートの海

なんで?

なんで?

細雪あればかくせる大好きなわたしをなくしてしまった日のこと

ゆうれ

ゆうれ

うれへかしそこにいたのかしらぬまにやつとひとりになれたといふのに

音楽へ

音楽へ

救われろ救ってみせろくりかえしわたしの命を何度もつくれよ

わはは

わはは

夢のなかぼくが傷つけられたあと関東平野に肉が降りました

誰か!

誰か!

ぴぴぴっとどこかでごはんの炊ける音
がする価値を教えてよ、たすけて