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結婚式ゾンビ

家へ帰る途中に飼い猫のぎんを見かけた。
「何フラフラしてんだよ。二ヶ月も家に帰ってこないでさ。もう、死んだと思ってたよ。聞こえないのか?」
知らん顔して、いそいそと走って行く。
「小爺ついて行ってみようぜ。」
小爺はいつも胸ポケットにいる。

たったった、たったったっとぎんは桜公園を越えて山に上がっていく。
「どこ行くんだろう。」
後をつけて山に入ると古めかしい洋館があった。
「なんだこれ、来たことないし、洋館があることも知らなかったよ。」
「まぁ、様子を見ようや。」
洋館を覗いてみると猫がたくさん集まっている。みんな服を着ている、それも正装だ。

音楽に合わせてダンスが始まった。
みんなノリノリだ。

ぱかぱかーん、ぱかぱかーん結婚行進曲だ。みんな着席した。
「えっ、あの花婿イケメンじゃん、えっ、ぎん?花嫁は誰?美しい!隣りのはなちゃんだ、確か去年亡くなったはず、そうか、ゾンビになったのか。」

ゾンビの結婚式だ、いや、お題は、結婚式ゾンビだ。


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