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学校でうまくいかなくても、大人になれば何も困らないよ①

中学から中高一貫の女子校に通った。同い年、同じ性別、同じ県で育って、同じ音楽を聴いて、同じ授業を受けている。そんな子達が200人以上いても私はなんだか誰とも合わないなと思っていた。

共学ではどうかわからないが、女子校ではグループが命だ。
同じクラス内でできたどこかのグループに所属し、他のグループと掛け持ちすることは許されない。
掛け持ちがだめ?本当だ。私は一時期、なんとなく他のグループの子達によく話しかけていたことがある。そうしたら、同じグループのリーダーのような子に呼び出されて「mirenちゃんは私たちのことが嫌いなの?」と泣かれたことがある。さすがに困惑した。
もちろん、何処にも所属しないぼっちはイレギュラー中のイレギュラー。いじめられることはないが、市民権はない。

表立って態度には出さないが、みんなカースト上位のグループに所属したがってがんばっている。ジャニーズの雑誌の切り抜きを交換しあったり(時代…)、制服を少し気崩してみたりして。
そんな努力もできない陰キャ達は、素直に他のアニメ好き達とつるんで教室の隅で「青春してー」とか愚痴ってる。それはそれで、今となっては青春だと思うんだけど。

私は陰キャアニメグループだったり、真ん中よりやや下ぐらいのグループにいた。友達によって、ジャニーズの話を聞くことも、アニメの話をしたこともあった。でもどちらもハマるほどではなかったので、周りの熱量に無理やり合わせて会話していた。番組を見てもアニメを見ても、おもしろいとは思うが、それ以外に言いたいことは何も思い浮かばなかった。
でも、何か話さないとグループから脱落して、市民権がなくなって、クラスの中の”名無しさん”になってしまう。

部活は中学では漫画研究会、高校では美術部に入った。どちらも友達に誘われて入った。漫画も絵画も描けないし、描きたいとも思わなかった。でも、周りに合わせないとグループから脱落して、市民け…(以下略)

かといって、特に周りに話したいことがあったわけではない。でも、自分の興味や感情をオーバーに表現したり偽ったりすることにつかれていた。そんな私はブログ(時代…)に逃げた。
当時何を書いていたのか全く思い出せない。でもとにかく本音を、鬱憤を、クラスメイトの悪口を書きなぐっていた。そして学校ではがんばって笑っていた。
そんなことが祟って、ある時美術部メンバーに私のブログがばれてしまった。私は学校の廊下で10数人のメンバーに囲まれた。
100%自分が悪い自覚があったので、泣きながら必死に謝った。
真っ青になりながら泣く私を見て、ほとんどのメンバーは寛大にも許してくれた。でも遠巻きにいたある1人が私に向かって冷たい声でこう言った。

「部活辞めるよね?」

ハッとそちらを向くと、恐ろしく冷たい目で私を見ていた。お洒落なビジネス街でホームレスを見るような目だった。
彼女からしたら、私はもう「部活にいる、なんかさえない同級生」から「ごみ」にランクダウンしていたようだった。


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