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ほんとうの彼女・前編(維嶋津)

【あらすじ】
 世間のトレンドは「人肉食」。アメリカ・カリフォルニアのベンチャー企業『ヒューマン・デリ』が三年前からスタートした、植物由来の代用肉を使って自分の体と同じ味を再現するこの「代用人肉サービス」は、多くの人々の注目を集めていた。
 幼少よりモノコトの才は並、容姿も並以下だったマキエは、次第に卑屈になっていった。押しつぶされるような閉塞感のなか日々を送り、それでも、諦めきれずにいた。未練がましくも夢見ていた。
 もしかしたら、いつか。
 ありのままの自分が認められる日が、来るかもしれないと。
 そんなある日、興味本位で「代用人肉サービス」を試したことで、彼女の人生は大きく変化していく。
【カテゴリ】#小説
【読了時間】18.5分
【著者プロフィール】
維嶋津(いしま・しん)。おもにSFをかくひと。

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●謝辞

 本稿執筆にあたり、彼女に関する各メディアの資料を多数参照・引用した。
 その中でも特に大きな役割を果たしたのが、彼女の遺した手記である。
 あの事件までの心情が事細かに綴られたこの資料なくして、本稿は成立し得なかった。
 手記の貸与に同意し、また筆者の度重なる取材に快く応じてくださった彼女のご両親に、この場を借りて深く御礼を申し上げる。

二○二三年二月九日
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●二〇二一年二月二十三日 ウェブサイト『カニログ』旧データベースより抜粋


期待を上回る「本物」の味!
投稿者:ザ・マイスター さん

 どもども! 毎度おなじみマイスターです。昔と比べて、最近はずいぶん投稿も増えましたね! 「食い専」としては嬉しい限り……なんですが、量が増えると相対的に質が落ちてくるのも世のさだめ。最近はダメな肉に当たることも多くてねえ……って、レビューでこんな愚痴を言ってもしかたないか。

 というわけで、さっそく食させていただきましたッ!
 今回いただいたのはSaraさん。ご存知、ランキング急上昇中の注目新人!
 ……でもぶっちゃけ、最初は期待してなかったんだよね。どうせいつもの高脂肪パターンでしょって。あれさ、確かにガツンとジャンキーなんだけど、やっぱりすぐ飽きがきちゃうんだよな。体臭もケアしてないことが多いし……まあ、それがいいっていう意見もまたあるんだけども、僕はそういうフェティッシュな方面じゃなくて、あくまで純粋に味を追求していきたいわけ。いくら人気だろうが、そこは厳しくいかせてもらいますよ!
 なんてことを言いつつ、パクリ。
 
 いや、おみそれしました。

 一口目から広がる赤肉のうまみ。一歩遅れてやって来る脂肪の甘さ。これは久々に出ました! マーーーーベラス! 一口食べてからはもう大興奮。ガツガツと一気に食べちゃった。無言で。そのくらい素晴らしかった。

 なんといってもバランスだよね! 最近はサプリで調整する人が増えたけどさ、やっぱ自然派の方が全然レベル高いわ。サプリ使った肉ってねえ、なんか粉っぽいのよ。その点、この肉はしっとりジューシー。肉質もグズすぎず固すぎずのいーい具合ッ! じっくり丁寧に肉を育てるその熱意がビンビンに伝わってきます。いやー、いい仕事だわこれ。
 
 ただあえて苦言をひとつ。これは女性の肉につきまとう問題なんだけど、やっぱり化粧の匂いだよね。ま、かなり気を使ってた方だとは思うけど、それでも最後にふわっと、薬っぽい香りがすこし残っちゃう。それがちょっとだけ惜しかった。本当にちょっとだけね。

 ここ最近食べた肉の中では間違いなく断トツです。いや、人気はダテじゃなかった。さらにここからまたどんどん改善してくってんだから、スゴイ新人が出たぞ、これは!

 今後のさらなる成長に期待大! ってなわけでマイスターでした。
 ごちそうさま!

評価:★★★★☆ 

●二〇二一年二月二十三日 マキエの自宅

 呼鈴が鳴る。

 

 土曜日。昼下がり。マンションの一室。電子音は、床に散らばったダイエット器具の頭を飛び越えて、耳障りに響く。三音だけのメロディ。その執拗な繰り返し。
 PCの前にかじりついていた沙良(さら)マキエは、画面から目を切って立ち上がる。
 きょうは肉の配送日だった。
 ひと月ごとの周期にはわけがある。ひとつ、ストックの問題。ただこちらはあまり重要でない。重要なほうのふたつめ。ある程度時間をあけ、肉質の違いを判りやすくするため。
 廊下を歩き、玄関に明かりを灯してから、マキエは扉を開ける。そこにはいつもの宅配員が立っている。くすんだ緑の制服の、くたびれた顔をした中年男。胸元の名札がライトの光を反射する。丸文字で書かれた「鈴木」という名前が見える。そのとなりで、ゾウのマスコットキャラクターが笑っている。まるで小学生のようだ、とマキエは思う。小学生。記憶が不意に蘇り、彼女の心音をすこしだけ乱す。
 配達員は銀色の保温袋から発泡スチロールの箱を取り出す。

「サイン、お願いします」

 差し出された伝票に手早く名前を書き、マキエは荷物を受け取る。そして、ドアが閉まる音を背中で聞く。リビングに戻り、PCの前を過ぎ、二十代独身のひとり暮らしには場違いなアイランドキッチンの、清潔な光を放つシンクに、手に持った箱を、そっと載せる。
 この瞬間を、彼女はたまらなく好いている。
 梱包テープをはがし、おごそかな手つきで、上ぶたを慎重に持ち上げる。新雪を踏みしだくときの音がして、中身があらわになる。300グラムごとに個包装された、真空パックの冷凍肉が、箱の中に並べられている。
 そのひとつを取り上げ、表面の霜を払ってから、うっとりと眺める。
 なんて美しいのだろう!
 赤身のキャンバスに、まんべんなく走る脂肪。霜降り肉のような、いかにも下品で人工的な桃色ではない。赤と白にわかれた筋がなまめかしく絡み合い、オーロラのようなグラデーションをなしている。

 まごうことなき傑作。
 そう彼女は思う。

 マキエは頻繁に、過去を思い出す。
 むかし骨折したくるぶしが、雨の日に痛む感覚に、それは似ている。
 彼女は冴えなかった。
 気立てがよくなかった。
 そのことと引き換えに、輝く才能がひとつでも彼女にあったのなら、なにかが違っていたのかもしれなかった。だが、実際はなにもなかった。マキエの才は並で、マキエの容姿は並以下だった。小学校のころ、同級生の男子児童らは、その事実を折に触れて指摘した。
「カバとウマのハイブリッド」という評を、マキエは忘れない。怒り、涙を流し、不正義を糾弾するクラス委員の背中に隠れながら、その短評に他ならぬ自分自身が納得していたことも、彼女は忘れない。幼子ゆえの残酷な評価がその実ひどく的確であることを、幼いマキエは十分に理解していた。その点では、彼女の自意識それ自体が、言葉を吐いた同級生以上に、自身にとっての毒だった。
 その日の夕食時、教師から連絡があったのか、彼女の両親は、しきりに彼女をなぐさめた。老いてようやく授かった一人娘に、両親はつねに寛容だった。あるいはふたりもまた、かつて自らの容姿によって苦い経験をしたことがあったのかもしれなかった。
 母は言った。
 あなたはそのままで十分。みんなまだ、あなたの魅力に気付いていないだけ。いいえ、きっとそれを知っていて、わざと悪口を言ったに違いないわ。
 父は言った。
 その通りだ。こんな可愛いマキエに、酷いことを言うガキもいたもんだ。まったく、信じられん。
 あらゆる言葉を尽くして、ふたりはマキエの自尊心の回復を試みた。しかし、マキエのいわば参照元である彼らの言葉は、マキエの心をただ上滑りしてゆくだけだった。言葉にひそむ空疎な響きは、彼女の心痛によりソリッドな影を落とした。
 マキエはその晩、ベッドの中でひとり静かに泣いた。自分の原風景はここにあると、彼女は自身の手記に繰り返し書き残している。
 鬱屈は、その後もマキエの精神をむしばんでいった。
 自分で自分を肯定できない彼女は、その役割を外に求める。しかし、世界は年を経るごとに冷酷になってゆき、対照的に肥大を続ける被害者意識は、表面上の肯定で満たされるレベルを、早い段階から超過していた。
 マキエは卑屈になった。ひねくれものになった。そのことが、周りからますます人を遠ざけた。悪循環だが、止めようがなかった。自分以外のあらゆるものが敵であるように思いながら、彼女は思春期を過ごした。
 短大を出て東京でひとり暮らしをしてからも、彼女に友人と呼べる存在はいない。誰しもが気軽につながれるSNS内においてすら、彼女の度外れた凡庸と偏屈は、誰の歓心も呼ばなかった。注目を得ようと無茶な計画をあれこれと思い浮かべるも、あいにくそれを実行には移せない程度に彼女は臆病であり、またその点においてもひどく平凡であった。
 仕事も彼女を救わなかった。何度転職しても、職場は彼女を「正しく」扱ってはくれなかった。文句ひとつ言わず働いてやっているのに、押し付けられた雑用もこなしてやっているのに、ときには一時間ほどのサービス残業すらしてやっているのに、誰も彼女が望むような肯定を、彼女に与えてはくれなかった。
 押しつぶされるような閉塞感のなか、日々は続いた。生活はペシミズムで覆われ、未来は先細っていく。目を逸らしきれない現実が背後に迫るのを、彼女は感じている。

 それでも、諦めきれずにいた。
 未練がましくも夢見ていた。
 もしかしたら、いつか。
 ありのままの自分が認められる日が、来るかもしれないと。
 

 電子レンジに肉を入れ、マキエは鼻歌を歌いながらリビングへと戻る。解凍が終わるまでの間、つけっぱなしにしていたPCの前に座り、その画面を見つめる。

『カニログ』。

 このウェブサイトで、彼女はSaraと名乗り、投稿を続けていた。
 きっかけはわからない。ネットニュースで話題となり、ふと好奇心からはじめてみたのかもしれない。なにかの確信があったのかもしれないし、わらをもすがる気持ちだったのかもしれない。ともかく、この決断がその後の彼女のすべてを変えた。文字通りすべてを。
 先日投稿した新作、つまりいま届いた肉は、以前にもまして好評だ。特に、有名レビュアーに絶賛されたことが大きかった。購入数は増え、ランキングは上昇し、いまや全体で六位。登録者五千人のなかの、上位〇.一パーセントという位置に、彼女はいる。
 マキエは思う。
 こんなことが、いままでの人生であっただろうか?
 慰め、同情、励まし。そういったものから切り離された、客観的な指標で評価される快感を、彼女はいま初めて味わっていた。誰かに必要とされている。私は何者かになれている。その実感が麻薬のように脳を浸す。飽きもせずくり返しレビューを眺め続ける彼女の顔筋は、久しく忘れていた痛みに引きつっていた。
 レンジが肉の解凍を報せ、マキエは再び立ち上がる。キッチンへ行く前に、ぐるりと部屋を見渡す。十畳のリビング。南向き。床にはワークアウトの器具。家具もなにもない、殺風景な部屋。だがいま、彼女は開け放ったカーテンから降り注ぐ陽光に気付いた。それを受け止める壁紙は純白に輝き、フローリングの床は焦がした飴色に艶めいていた。部屋にただよう粒子が、金粉のように光を散らしていた。空虚な印象を持っていた室内が、突如としていきいきとした印象を立ち上がらせるさまを、マキエは見た。
 希望が世界をこのように色づかせることを、彼女は初めて知った。両親の名義で借りたマンション。彼女の厩舎、実験室、そして厨房。この場所を中心にして、マキエの世界は動いている。そのことに改めて、限りない愛おしさがこみあげる。
 ワークアウトの前に、ご飯にしよう。
 キッチンへ向かい、肉をレンジから取り出し、フライパンに油をひいてゆく。その最中にも、脳裏にあるのはレビューの内容だった。化粧の匂いがすると書いてあった。本当だろうか? 確かめてみようと彼女は考える。自分はまだやれる。もっと上に行ける。そんな今まで抱いたこともなかった野心が、彼女の胸中で盛っていた。

 やがて、キッチンからうっとりするような匂いが漂いはじめる。
 彼女の肉の匂いが。 

●二〇二一年三月八日 日報テレビ『エイトニュース』書き起こし

 今週のもぎたてトレンドのテーマは、「人肉食」……といっても、本当に人間の肉を食べるわけではありません。植物由来の代用肉を使って、自分の体と同じ味を再現するというサービスが、いま人気を広げているんです。
 豚や牛の代用肉は、いまやスーパーではすっかりお馴染みの存在。味やにおいも、本物とほとんど区別がつきません。それならば、人間の肉の味も再現できるのでは? という発想から、アメリカ・カリフォルニアのベンチャー企業『ヒューマン・デリ』が、三年前からこの代用人肉サービスをスタート。世界的に人気が拡大し、ついに昨年九月、日本にも上陸しました。
 利用方法は簡単。お店で申し込み、三十分から一時間ほどの検査を受けるだけ。それから二週間以内に、データから再現された自分自身の肉が自宅へ郵送されます。当然、味もにおいも、自分とそっくり同じ……。なんだか不気味な感じもしますが、意外にも、いちど試してハマる人が続出しているのだとか。
 なぜ、ここまで自分の味に夢中になる人が多いのでしょうか? その理由を知るキーワードは、「つながり」と「健康」です。
 まずは、つながり。SNSを使って、自分の肉を売買したり、味のレビューをしてもらうサービスが人気を集めています。その名も『カニログ』。サイトオープンから登録者数は増加し続け、登録ユーザーの数はなんと七千人。食べた肉のレビュー機能や、人気ランキングもあり、肉の味に自信のある人が、しのぎを削っているのだとか。ちなみに、番組ADがモニターとして自分の肉を登録してみたところ……「肉が噛み切れない」「脂身が多すぎる」「変なにおいがする」と散々な評価でした。厳しい場所なんですね……。
 もうひとつのキーワードは「健康」。アメリカではいま、自分の肉の味を良くすることで健康になれる、という考えが広まっており、健康法・美容法として注目を集めています。南青山のスポーツジム『ブラッシュ』も、この人肉食メソッドをいちはやく導入している場所のひとつ。今回、詳しくお話をうかがってみました!

「自分の肉の味や栄養価を高めることが、美容や健康につながる……。この考え方のことを、アントロポファジー・メソッドと呼びます」
 
 そう説明してくれたのは、ジム専属インストラクターのSaraさん。先ほど紹介した『カニログ』でもトップクラスの人気を誇るカリスマで、独学で肉の味を良くする方法を研究していたところをスカウトされたという、この世界の草分け的存在。当然、本人の肉の味も一級品!
 この並べられたAとBのふたつのステーキ、片方がスーパーの牛肉で、もうひとつがSaraさんのお肉。どちらがSaraさんのお肉か、わかりますか? 正解は……Aのほう。見てのとおり、脂の乗りや肉の色がまったく違いますね! ナイフを入れてみてもご覧の通り。まるで高級和牛のようです。

「動物の中で、人間ほど食生活が多様な種はいません。だから肉の味も、食事や生活スタイルによって大きく変わってくるんです」

 肉の臭い、脂の乗り具合、旨味の強さ。それらをよくするために、バランスの良い食事と毎日のトレーニングを繰り返すのだとか。

「肉を美味しくするというと、太らなきゃいけないんじゃないかってイメージを持たれると思うんですけど、実は霜降りの黒毛和牛でさえ、体脂肪率は二十五%から三十%。女性の標準的な体脂肪率とほとんど差がないんです。ですから食生活の改善といっても油はむしろ控えめにして、大豆・穀類を中心に、野菜や肉を適度にとっていくことになります。食事についてはマクロビオティックに近いとも言われていますね」 

 実際にSaraさんの毎日の食事を見せてもらいましたが……確かにとってもヘルシー。本人のスタイルも、決して太っているようには見えません。

「脂肪も、必要な分を、全身にまんべんなくつけるんです。きれいなサシを入れるためには、毎日の運動も欠かせません。肉の味を高める、ということは、人間が本来持っている免疫力や自然治癒力を取り戻すことと同じなんです」

 そんなSaraさんほか多数のインストラクターが在籍するアントロポファジー・メソッドプログラムは、ひとりひとりの体質にあわせたマンツーマン指導。早い人は一か月で効果を実感できるとか。がんばって美味しくなった自分の肉を食べる感動は、またひとしおだそうですよ! いまなら、入会費半額キャンペーンを実施中。

 ゲテモノかと思いきや、意外と奥が深い人肉食の世界。これからもじわじわと人気を広げていきそうな予感! ……わたしもちょっとだけ「味見」してみようかな?

●二〇二一年三月十五日『ヒューマン・デリ』検査室

 ほそい針が身体に刺さる冷たい痛みを、マキエは愛している。

「きょうはどこにしますか?」
「太ももで」

 簡易ベッドに横たわるマキエが答えると、マスクと白衣をつけた職員は軽くうなずき、シリコンの手袋をはめた手で、脱脂綿にふくませたアルコールを塗布する。まだ年の若い男だが、無感情な目で黙々と作業を進める姿は、練達した職人か、工業用機械を思わせる。それは利用者を肉として見ているがゆえかもしれない。そんな妄想に、マキエは屈折した劣情を抱き、期待にかすれた息を漏らす。気化したアルコールが、肌の温度を奪ってゆく。
 職員は、傍らのセンサーを手に取る。
 センサーは、三センチ四方のパッチ型だ。マキエの親世代がやっていたふるいBCG注射にそれは似ている。器具の中心点からは中空の針が一本突き出ていて、器具の根元についたシリンダとつながっている。いっぽうで、センサーには別の黒いコードが直結されており、職員の傍らにある箱型の装置へと接続されていた。

「きょうはすこし深めに刺しますからね」

 針が肉にすべりこむあの感覚が訪れる。マキエは唇を噛み、ベッドサイドを握りしめる。痛みに耐える……それ自体がひとつの儀式で、約束された未来へと続く道だとマキエは思っている。寄せた眉根の皺に、腕に浮かぶ鳥肌の奥に、彼女はひそかな歓びを隠す。
 針が抜かれ、平穏が戻ってくる。マキエは脱力する。身をしばる重力が、ことさら増したように感じられる。額の汗をぬぐいながら、安堵と恍惚の表情を浮かべる。

「はい、終わりです。ここ、ガーゼ当てますので、血が止まるまで強く押さえててくださいね。お疲れさまでした」

 身を起こし、傷口のガーゼに自分の手を重ねながら、マキエはてきぱきと片付けを始める職員の手元を見つめる。取り外されたパッチの根元、先ほど空だった筒に満たされた、ごく微量の、黒い粘性の液体を。彼女の筋肉から採取した、血と組織液と細胞のカクテル。そこには彼女の肉を形作る数多の旨み成分が詰まっている。ミオグロビン、遊離アミノ酸、塩基ペプチド、核酸などの形をとって。またパッチに埋め込まれたプロープは、照射した近赤外線のスペクトル偏差を、つまりマキエの肉に含まれる脂肪酸の組成を、あの無機質な箱へと送り込んでいるはずだった。
 装置を見つめる彼女の瞳が、熱を帯びて輝く。
 この形をなさないドロドロの液体と近赤外光の波長の中にこそ自己のアイデンティティが詰まっているのだとマキエは思っている。このひと月の間に行った努力を思い出す。定期的なワークアウト、厳しい食事制限。夜更かしや過度な飲酒など肉の味を落としかねない習慣は厳格に律し、化粧は止め、乳液や美容水も利用せず、入浴時の石鹸やシャンプーも、すべてオーガニックな素材に変えた。
 自らがこれほどまでの忍耐と克己心を裡に秘めていたことに、彼女はいまさらながらに驚いていた。これまでの人生、生活が、いかに自堕落で、漫然と流れてきたことを思い返すと、この変化はほとんど奇跡のように彼女には思えた。それは『ヒューマン・デリ』に出会い、『カニログ』と出会い、多くの称賛を浴びて、引き出された彼女の特質だった。これらがなければ、おそらく、一生気づくこともなかったであろう美点。人生をかけて打ち込めることに出会えためぐり合わせを思い、信仰にも似た感謝が脳裏にあふれる。
 マキエは着替え、フロントに戻り、料金を精算する。肉が届くのはいつも通り月末になるという説明を聞く。受付は、大学生と思われる地味な女性で、彼女が検査に行く時間帯によく顔を合わせていた。いまでは、検査の終わりに少しばかりの世間話をする程度の仲にはなっている。
 その彼女が、きょうは妙に緊張した表情を浮かべていることに、マキエは気付く。

「あの、み、見たんです! テレビ……」

 貴重品ロッカーからマキエのバッグを手渡しつつ、彼女は切り出す。

「すみません、いきなり。あの、見間違いかもしれないんですけど……ほら、こないだのニュース番組に、似てる人が出てて、それでもしかしたらと思って。ほんとは、こういうこと話しかけるのダメなんですけど、でも、その」

 マキエは笑顔でうなずく。

「ええ、わたしですよ」
「やっぱり!」

 受付の表情が明るくなった。身を乗り出し、顔を上気させて、「すごい! すごい!」と連呼する。マキエは少し後ずさる。

「テレビデビューですね! おめでとうございます!」
「そんな大したことじゃないよ。ちょっとインタビューされただけ」

 謙遜などいつぶりのことかと、彼女は思う。自身の優越をあえて否定する、それはマキエに言わせれば強者の特権だった。他人の慰めを得るために、あえて自虐に走るのとは全くわけが違う。自分には縁のない感覚だと思っていた。今までは。甘美な肯定感が、彼女を酔わせた。現実の生活にまでネットの評価が侵食している危機感も、恍惚に塗りつぶされて見えなかった。
 そして受付は打ち明ける。

「実は、マキエさんのお肉、ずっと前から買ってるんです」
「えっ、本当に?」
「そうなんです! 恥ずかしくて言えなかったんですけど、昔からあなたのファンで! すごいですよね。他の人とは全然味が違うんですもん」

 マキエは泣きそうになる。彼女の手を取り、ひざまずいて、切々と感謝を述べたくなる。それを抑えたのは、芽生え始めた世間体の意識と、プライドだった。自身の立場にふさわしい態度をとらねばならない。この短い一瞬で、そのような不可思議な要請がマキエに生まれていた。まるで以前からずっと出番を待っていたかのように。
 マキエは穏やかな微笑みを作り、言った。

「ありがとう。これからも頑張るから、きっとまた食べてね」
「……はい!」

 顔いっぱいに畏敬の念をみなぎらせた彼女に見送られ、マキエは外へと出る。
 心地のよい風が、肌を撫でた。
 ジーンズの奥、太ももの脈打つうずきが、彼女を早足にさせる。
 最寄り駅のトイレに、息を弾ませて入る。それからジーンズのポケットをまさぐり、検査室から持ち帰ったそれを取り出して広げる。
 自身の血を拭き取ったガーゼだった。血はすでに乾き、黒い凝固した塊となって、繊維の間に絡まっている。マキエはそれを愛おしげに見つめ、においを嗅ぎ、そして舌を這わせる。鉄臭い味が口に広がる。そこに彼女は、自らの味の残滓を探す。代用ではない、本物の自分自身の味を。彼女の脳裏に、『カニログ』の絶賛レビューが蘇る。録画して繰り返し見た、自身のインタビューが蘇る。先ほどの受付の、畏敬に満ちた表情が蘇る。
 こらえきれなかった。
 ガーゼを口に含み、恍惚とわずかな背徳感にまみれながら、マキエは自慰にふけった。

●二〇二一年五月一日 春実社『ピアモ』二〇二一年六月号、ダイエット特集より抜粋


はみだしコラム
虫パウダー、波動共鳴、人肉食!? 最新「変わりダネ」美容メソッド

 ありきたりなやり方はもう飽きた。もっと最新のメソッドをを知りたい……そんな貴女におススメの、ひと味ちがう美容法をご紹介! 

(中略)

 最後に紹介するのは、なんと、自分自身を「食べる」ことで美しくなるという美容法! 自分の肉を大豆由来の代用肉で再現し、その味を高めることで、肌や内臓年齢を若返らせるのだとか。

「肉食動物が、なぜ草食動物を食べるのか。栄養、エネルギーが詰まっているからですよね。人間も同じです。味のよい……つまりエネルギーの高いお肉を作ることで、そのぶん、人間本来の若さや健康が取り戻せるんですね」(南青山『ブラッシュ』インストラクターのSaraさん)。

 意外にも、きちんとしたトレーニングを積んだ人肉は、とてもおいしいのだそう。日々の効果を『舌』で感じ取れるのも、リピーター殺到の秘密です。

(後略)

●二〇二一年五月二十五日 テレビ双日『眠れないXX(ダブルエックス)』書き起こし

 今週の『眠れない』ニュース。第二位は……「人肉美容法」!

(スタジオざわつく)

 アメリカで話題の『アントロポファジー・メソッド』が日本で人気急上昇中。大豆を使って自分の肉を再現し、その味を高めることで、若さと健康を保つ考え方だとか。

タレントA:「なにそれ~」
タレントB:「あっ、わたしこれ知ってます!」

「日々のトレーニングは、別に特別じゃないんですよ。食事制限だったり、毎日のこまめな運動だったり……だけど、他の方法と違って、肉の味って、短期間で効果がはっきりとわかるんです。一か月もすれば、肉の味は劇的に変わります。それがうれしくて、ハマる人が多いですね」(『アントロポファジー・メソッド』インストラクター、Saraさん)

 キレイになれる上に、美味しいお肉まで食べられる……確かにちょっとお得、かも? 

(後略)

●二〇二一年六月四日 ラジオ日月『神楽坂ヨシフミの奇人蒐集(フリークフリーク)』書き起こし

「というわけで今回のゲストは、いま話題の人肉評価サイト『カニログ』で絶大な人気を誇るカリスマ肉モデル、Saraさんで~す!」
「よろしくお願いしまぁす」
「いや、それにしても……。『カニログ』含め、代用人肉はもうすっかりブームになっているわけなんですが、あの、正直、申し訳ないけどね、俺はこれ、まったく理解できないんですよ。だって人の肉なわけでしょ? どういう気分なの? 自分の肉が食べられるっていうの」
「いや、もちろん嬉しいですよ! ふつうに」
「それがわからないんだなあ(笑)。だって俺、嫌だもん。たとえ美味しくても、食べられるっていうのは、こう、抵抗ある」
「う~ん」
「いや、否定してるわけじゃなくってね? ただ知りたくてさ」
「そうですね、たとえば……神楽坂さん、キレイな女性は好きですか?」
「はい?」
「それとも、顔よりもおっぱいの大きさとか、スタイルの良さとかの方が大事です?」
「ちょちょちょ、待ってよ待ってよ。いやまあ、確かに俺はどっちかというと先におっぱいの方に目が……じゃなくて!(スタジオ笑い)なんなのよ、いきなり」
「自分の味を知りたがるのも、同じだと思うんですよ」
「……どゆこと?」
「みんな、いろんな基準で、自分と他人を比べますよね。容姿だったり、スタイルだったり、恋人だったり。男の人だと、運動神経とか、お給料だったりとか、学歴や勤務先とか。そうやってみんな、世の中にあるいろんなものさしを使って、自分と他人を評価するわけじゃないですか。いいとか、悪いとか」
「う~ん、なるほど?」
「で、そこに新しい基準がひとつ増えたわけです。自分の肉の味っていう基準が。じゃあその基準を使ったとき、自分は他人と比べてどうなのか……気になっちゃうものじゃないですか?」
「心理テストを見ると、ついついやりたくなっちゃう感覚?」
「うーん、どっちかというと『これができたらIQ120!』ってクイズみたいな」
「あぁ! それ俺、めっちゃやるわ! いっつも解けなくてヘコむんだけどね。で、答えみて、さも自分で解いたような顔をすると(スタジオ笑い)。まあそれはともかく、そう言われてみるとわかる気もするな。俺の場合はあれだ、もう自分の肉がマズいに違いないってわかってるから、だから興味が湧かなかったのかもな」
「いやいや、意外とおいしいかもしれないですよ?」
「ないない! 酒もタバコも止められねえもん! 食うだけで不健康になっちゃうよ(スタジオ笑い)。……でもさ、そうやって興味本位で試したがるのはわかるけどさ。Saraさんみたいにこう、すっごくのめりこんじゃうっていうのは、どうしてなわけ?」
「それは……う~ん……。じゃあ、さっきの話に戻りますけど」
「うん」
「たとえば、世の中にあるいろんな基準で、ぜぇんぶ不合格になっていた人がいたらどうします? 容姿もダメ、頭も悪い、スタイルも全然ダメ、みたいな」
「あ~! それ、オレオレ! 高卒だしオッサンだしメタボだし……(スタジオ笑い)」
「でも神楽坂さんは、こうしてラジオのDJとして、もう十年ちかくも立派にお仕事されてますよね? やっぱりそれは、誰にでもできることじゃないと思うんです」
「まあ……それは……そんなこと……あるけど?(スタジオ:「おい!」と野次)なによ! 文句あっか!」
「あはは! だけど昔のわたしは……もうわたしのことだって言っちゃいますけど。『カニログ』に出会うまではもう、全っ然ダメダメだったんです。顔もブサイクだし、スタイルも悪いし、勉強も仕事も恋愛も、なんにもいいところがなくて」
「えぇ~? 全然そんなことないよ。素敵なレディじゃん」
「いやいや! 本当にひどかったんですよ。学生時代に言われた悪口聞きます?」
「なになに」
「『カバとウマのハイブリッド』って」
「ひっでえ!(笑)」
「でしょ!(笑)でもわたしもね、それ聞いたとき最初に思ったのが『うまい例えするなあ』って」
「納得しちゃったんだ」
「そう! でももう、骨格レベルでブスだったから、どうしようもなくて。ずーーっと、暗い青春を過ごしてました」
「へえ……ぜんぜん想像つかないね、いまの感じからは」
「就職しても、ちっともうまくいかなくて。友達もいないし、仕事もできるわけでもない。わたしの価値ってなんだろう? このままぼんやり年取っていくのかな……って、そう思ってたときに出会ったのが、『ヒューマン・デリ』と『カニログ』だったんです」
「ビビっときちゃったわけ?」
「なにがきっかけだったかもう忘れちゃったんですけど、初めて見た瞬間、『あ、なんかこれ、いいかもしれない』って。だって、味って見た目と関係ないじゃないですか。頭の良さも、要領の良さも、お金の有無も関係ない、今までとまったく違う基準じゃないですか。もしかしたら、ここなら、自分も認めてもらえるかもしれないって……」
「そしたら、フィーバーしたと」
「いえいえ、やっぱり最初はそううまくはいかなくて(笑)。いたって地味な評価でした。でも、誰かから反応がもらえたこと自体が嬉しかったんですね。わたし、いままで人から注目されるような結果を出したことがなかったから。それが『カニログ』では、人生で初めて、手ごたえを感じられた。それからですね。フィットネスクラブに通い始めて、ランキングが上がって、インストラクターとしてスカウトされて……」
「運命だね!」
「本当に! あの日、『ヒューマン・デリ』に出会わなければ、いまのわたしはなかったと思います」
「人生、どこでなにがあるか、わかんないもんだねえ……。でもさ、やっぱり反発もあるんじゃない?」
「そうですねえ。いまでも職場へのクレームは当たり前ですよ。『自分を食わせるだなんて破廉恥だ!』とか、『子供が真似したらどうするんだ!』とか……」
「あ~。まあ世の中、頭の固い人って多いもんなあ……(スタジオからヤジ)。え、なに? 『オマエもさっきそうだったろ』って? うるさいよ! ほじくり返すなよ!(笑)」
「でも、やっぱり理解できないって気持ちはわかりますよ。肉の味と健康がなんの関係あるんだ、とか」
「そういうときってどうするの?」
「エネルギーの話をします」
「エネルギー!」
「はい。おいしい肉、っていうと受け入れがたい気がしますけど、要するに、栄養価が高い体、つまり、エネルギーがいっぱい詰まった体を作りましょうってことなんですよね」
「おお! なんか一気にいいものな気がしてきた!」
「でしょう? 自然界でもそうですよね。肉食獣がなんで大変な思いをして草食獣を食べるのかといえば、草食獣のお肉がそれだけたくさんのエネルギーを持っているからなんです。いい肉、おいしい肉を作るっているのは、だからより活力に満ちた、健康な体作りをするってことでもあるんですよ」
「なるほど……Saraさんも、こう、エネルギーが満ちあふれてますもんね」
「昔の知り合いにもよく言われます。『すごく明るくなった』って」
「でしょうねえ……。『カバとウマのハイブリッド』って言った男の子も、いまごろ後悔してるんじゃないですか?」
「さあ、どうでしょう。いま会ったら、『牛と豚のハイブリッド』って言ってほしいですね。もちろん肉の味の話ですけど!」
「あっはっは! お後がよろしいようで。ってことで、お時間やってまいりました。さて、次のリクエストは、東京都足立区の匿名希望さんから……おっ、こいつはなかなか、ドンピシャなセレクトだねえ……エルトン・ジョンで『ラヴ・イズ・ア・カニバル』どうぞ!」

●二〇二一年六月二十日 陽光新聞Web版コラム『言の葉』より抜粋

「わたしを食べて」。ある深夜番組で、とあるインストラクターが発言した。何かのメタファーではない。しかし文字通りの意味でもない。その奇妙な事実に、悪夢を見ているような非現実感を覚える▼話題となっている代用人肉サービスのことだ。むろん本物ではない。豆類などから作られる人工肉に、人肉の味付けをしたもので、申し込んだ人間の「味」を忠実に再現するという。ブームに火をつけた『ヒューマン・デリ』は米国企業。ハリウッドスターもこぞって利用しているそうだ▼なぜ自身の味が気になるのか。その理由には美容や健康維持が挙げられる。おいしい肉を作ることで体にエネルギーが満ち、元気になれるという理屈。努力の結果が味わう楽しみにつながっているのも人気の一因なのだろう▼しかし懸念も多い。外国では、極度の偏食を行った女性が体調を崩したとして、親族がスポーツジムを提訴する騒ぎも起きている。インターネットで自身の肉を販売したところ、ストーカー被害にあったという相談も増加しているようだ。たとえ模擬的なものであっても、食べる/食べられるという関係はエスカレートする危険をはらむ。欧州では規制への動きもはじまった▼フランスの政治家ジャック・アタリは、カニバリズムの起源について「悪を遠ざけるもの」と表現した(カニバリズムの秩序)。ならば自ら「食われる」対象となる行為は、逆に悪を呼び込むことになりはしないか。「食べて」と自分を売り込む前に、その本質について立ち止まって考えてみる必要があるように思う。

●二〇二一年六月二十六日 NNH『あの人を食べる――代用人肉のゆくえ』書き起こし

 ナレーション:埼玉県のアパートで独り暮らしをしている、緒方尊さん。彼もまた、カニログに熱中する「食い専」のひとりです。

「最近ではもう、ほぼ毎日食べてますね。太りませんよ。もとは大豆だし。むしろ減りましたね、体重は」

 ナレーション:緒方さんは昨年、ネットでの販売仲介サイトを通じて、代用人肉の世界を知りました。以来、ほぼ毎日、さまざまな人の肉を食べる生活を送っています。

「ええと、これが専用の冷凍庫です。キッチンに置けないから、リビングに」

 ナレーション:業務用冷凍庫の中には、真空パックされた様々な肉。貼られたラベルには、肉の持ち主の名前や、性別、年齢、購入日などが書き込まれています。

「いろいろ食べてるけど、やっぱり、この人ですよね。知ってます? Saraさん。けっこういま、本とか出してて、有名な人なんですけど」

 ナレーション:なぜ、緒方さんはここまで、代用人肉にのめりこんだのでしょうか。

「やっぱり、人の肉を食べているという背徳感、なんでしょうね。肉の味って、思えばけっこう大きなプライベートじゃないですか。それを食べることで……なんていうんでしょう。その人生や、大げさなことを言うと魂まで取り込めるような気がして」

「やっぱり味にもそれぞれ個性がありますよね。努力してるんだろうなって人もいれば、そうじゃない人もいる。生活習慣によって味も肉質も変わってくる。面白いです」

 ナレーション:緒方さんは、ウェブサイトの評価機能を使って、肉の味についての感想を積極的に書き込んでいます。出品者や他のユーザーとのレビューを通じたコミュニケーションもまた、楽しみの一つだと緒方さんは言います。

「例えば、僕が感想を書いて、アドバイスもして。それを見た出品者の人が努力して肉質を改善する。で、それをまた僕やほかの人が食べる。そうやって人気になっていくのを見ると、なんというか、達成感がありますよね。俺が育てた、みたいな」

 ナレーション:様々な形で社会に大きなインパクトを与えている代用人肉。なぜ人はここまで、「他人の味」にのめり込むのでしょうか。きょうのNNHドキュメントでは、代用人肉ビジネスのいまとこれからについて、様々な角度から検証していきます。

●日時不明(おそらく七~八月ごろ?) 電車の中吊り広告より抜粋

 いま、話題沸騰! 体の中からキレイになれる、最新「美食」エクササイズ
 
『肉を磨く! Saraのカリスマメソッド100』
 
 ハリウッドセレブも絶賛する、話題の「アントロポファジー・メソッド」をカリスマモデルがわかりやすく説明。健康にキレイになれる100のエクササイズで、無理なダイエットとはサヨナラ!

〈付録〉
・あなたの体質がわかる? 肉質チェックリスト
・おいしく食べる「セルフクック」レシピ10
・解説DVD

 定価1680円(税抜)
 春実社ブックスより


(後編に続く)

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