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【高校生主催イベント】おうち時間で未来を考えよう!『SDGs×コロナ』 第三回「全ての人に健康を福祉を」

(編集者:崎田、吉澤、小林)

▼1. SDGsについて


皆さんはSDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を聞いたことがありますか?


SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連に加盟している193か国が2016年から2030年の15年間で達成すべき「17のゴールと169のターゲット(具体的目標)」から構成されています。


誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべく設定された、国際社会共通の目標です。


2000年に国連のサミットで採択された、「MDGs(ミレニアム開発目標)」が2015年に達成期限を迎えたことを受けて、それに代わる新たな世界の目標として2015年9月に採択されました。


こうしてMDGsの成功を土台としつつ、気候変動や経済的不平等、イノベーション、持続可能な消費、平和と正義などの新たな分野を優先課題として設定された相互接続的な目標がSDGsなのです。


他人事として捉えるのではなく、私たち一人一人が「未来を担っていく当事者」として来たるべき2030年が良いものとなるよう、一つ一つの課題に着実に向き合っていくことが大切なのではないでしょうか。

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第3回目となる今回は、17のゴールの内の3つ目、
「すべての人に健康と福祉を」に焦点をあて、議論を行いました。

▼2. 基調講演


【ゲスト】小林りこさん 
2019年度 全日本高校模擬国連大会優秀賞獲得。
Global Classrooms International High School Model United Nation Conference(高校生模擬国連国際大会)に出場。

この会議の議題が「知的財産権に関する国際的規範の策定」であり、医療品アクセス問題についてリサーチを重ねた。


子供の死亡率は高い国が多く6秒に1人がなくなっている計算になります。その原因のひとつが衛生環境です。

医療の充実に必要なモノと言えば、病院、医療機器、医師、看護師......そして医薬品。


①医療品アクセス問題とは

世界各国に必要な医療、医薬品が行き渡らないという問題です。

その理由として、
・TRIPS協定と公衆の健康に関する特別宣言
・グローバル化に伴う自由貿易
・製薬会社の特許料              などが挙げられます。


②現状

先進国では特許料により薬品の開発が重視される一方、途上国では不衛生な環境によってエイズやマラリアなどの感染症が蔓延し、生産力や労働力の低下、貧困、不衛生というように悪循環に陥るため、まずは公衆衛生が重視されます。

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そこで顕著になるのが「特許vs公衆衛生」といった対立です。


③医療品アクセスの4つのA

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・Access
各国 の社会、経済、医療環境に応じた費用で治療を受けられ、医薬品を購入できること。
・Availability
病院や薬局が近隣に設けられ、必要な医薬品が当該国で認可されていることなど、医薬品を入手できる機会があること。
・Adoption
患者が薬による治療方法や副作用などを正しく理解し、それを納得した上で、自ら服用する意思を持つこと。
・Architecture
上の3つのAを実現するための基盤となる戦略・仕組み(保険制度等の医療インフラや医療従事者等の教育システム)を作ること。

④特許か命か?

個人的な見解ですが、この二つは天秤にかけることではないと考えます。

特許は研究開発の開発者の権利を守るためのものですし、100%悪だとは言い切れないと思います。

そのため、小さなことではありますが「互いを尊重する姿勢」によって、包括的アプローチを行っていく必要があると考えます。


▼3. グループシェア


5つのグループに別れ、3つの論点について議論をしました。様々な意見を交換し、考えを深めることができました。

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①医療品アクセス問題についてどのように考えるか?また解決策はあるか?
・4つのA(affordability,Availavility,Adoption,Architecture)において、
 発展途上国では特に医療インフラが整っていないため、まずはそこに着手すべきだ。
・WHYやWHATが足りないため、特許料が取られてしまうのではないか。
・何よりも先に意識作りが必要。
・企業が営利目的で行っているため貧困国を対象としていない。
・強制実施権によるコピー薬品の仕組みがいらないくらい、すべての国に薬が普及して欲しい。

②新型コロナウイルス感染拡大に伴って、薬やワクチンの開発が急がれている。すべての人に健康と福祉を提供する為製薬会社、あるいは国は何をするべきか?
・まずは営利目的の人たちの意識改革を行う。
・また世界規模の問題であるため、各国の成功事例を生かして世界が一体となって立ち向かうべき。


③日本で「心の健康」を保つために、私たちができることは何か?何をどのように改善、対処していくべきか?
・コミュニティの構築。高齢者の孤独死に対しても、私たち高校生が鍵と慣れるのではないか。
・自分がどう生きるのか、本質的な幸せについて考える。
・哲学的思考を活用する。


▼4. フィードバック


①研究開発(特許)と公衆衛生(患者の命)の対立について
繰り返しになってしまいますが、特許がなくなれば良いというわけではないと思います。
様々な立場の人がいる中で、目的意識を統一させることに努め、SDGsの特徴である包括的アプローチが求められる問題だと思います。

②「心の健康」について
心の健康とは、私たち自身の問題だと感じています。自分の周りから、コミュニティに巻き込んで輪を広げていくこと、そして各々が友達や家族など話せる人をつくることが大切だと考えます。

③医療品アクセス問題について
今回初めてこの問題を知ったという方も多いのではないかと思います。表立っては取り上げられることが少ない問題ではありますが、大変奥深いので、一筋縄では行かない問題の本質を考えるきっかけとなれば、と思います。

▼5. まとめ


基調講演を踏まえたディスカッションを通して、新たに得た学びをその場でさらに深めることができました。

社会の状況を多角的な視点から考えるはじめの一歩になったと感じます。共に学びを深めることのできる環境にいる、と感謝し、社会のために実際に働きかけることができるよう、成長していきたいと強く感じました。

ご参加いただいた皆様、ここまでお読みくださった皆様、ありがとうございます。

ぜひ私たちと一緒におうち時間に未来を考えませんか?

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