【高校生主催イベント】おうち時間で未来を考えよう!『SDGs×コロナ』 第二回「飢餓をゼロに」
(編集者:吉澤、文珠、小林)
▼1. SDGsについて
皆さんはSDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を聞いたことがありますか?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連に加盟している193か国が2016年から2030年の15年間で達成すべき「17のゴールと169のターゲット(具体的目標)」から構成されています。
誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべく設定された、国際社会共通の目標です。
2000年に国連のサミットで採択された、
「MDGs(ミレニアム開発目標)」が2015年に達成期限を迎えたことを受けて、それに代わる新たな世界の目標として2015年9月に採択されました。
こうしてMDGsの成功を土台としつつ、気候変動や経済的不平等、イノベーション、持続可能な消費、平和と正義などの新たな分野を優先課題として設定された相互接続的な目標がSDGsなのです。
他人事として捉えるのではなく、私たち一人一人が「未来を担っていく当事者」として来たるべき2030年が良いものとなるよう、一つ一つの課題に着実に向き合っていくことが大切なのではないでしょうか。
第2回目となる今回は、17のゴールの内の2つ目、
「飢餓をゼロに」に焦点をあて、議論を行いました。
「飢餓をゼロに」の大きな目標は飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成すると ともに、持続可能な農業を推進するです。
「飢餓をゼロに」のターゲットは8つあります。ここに書いてあるのは、イベントで紹介したターゲットの抜粋です。
・2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする
・2030 年までに あらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う
・持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する
・開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
・世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する
そもそも、飢餓とは何でしょうか?飢餓には①突発的な飢餓と②慢性的な飢餓があります。
①突発的な飢餓は、一時的に食料が不足してたくさんの人々が栄養不足に陥ること。緊急食料支援が必要です。
②慢性的な飢餓とは、継続的に食料を手に入れられずに慢性的に栄養不足に陥ること。自立の支援が必要です。
より詳しく飢餓について知ってもらうため、イベントでは動画を見ていただきました。
▼2. 基調講演
【ゲスト】伊藤道雄さん
NPO法人ACC21代表理事
国際協力NGOセンター顧問
公益法人評議員
エファジャパン理事長
伊藤さん:
まず飢餓は大きく分けて2つあります。
1つ目は突発的な飢餓、もう1つは慢性的な飢餓です。突発的な飢餓は、一時的に食糧が不足してたくさんの人が飢餓に陥ることを指します。
私はフィリピンで路上で暮らす子供達、いわゆる貧困層の子供たちの支援しております。今フィリピンの首都マニラで起きている突発的な貧困についてにお話しします。
今回のコロナウイルスで、フィリピンの首都マニラでは突発的な貧困の人々が激増し、緊急食料支援が必要になっています。私たちACC 21でも緊急の食糧支援をこなっていますがフィリピン政府の徹底した外出禁止指示により配達が困難を極めている状況です。
また、慢性的な飢餓では、継続的に食糧を手に入れられずに慢性的に陥ることで自立の支援が必要です。
今回はコロナウイルスによる飢餓の子供達に対する影響を考えるということで皆さんのアイデアを出し合っていただければ幸いです。
(一部編集・抜粋)
▼3. ディスカッション内容
5つのグループに別れ、2つの論点について議論をしました。
たくさんの素晴らしい意見やアイデアを考えることができました。
1. 発展途上国で飢餓に苦しむ人に対して私たちのできるアプローチとは?
・遠隔から私たちにできることは缶詰や飲料水を緊急で支援。フードロス対策にも
・高校生に今できることは、伝えること。どんどん広げることで緊急支援にもつながるのでは
・募金。NPO法人やNGOに支援をする
・まずこの問題を知る。詳しくなって周りにシェアする。
・学校教育などで取り入れる。
・フードバンクを活用する。まずはフードバンクの存在をもっと知ってもらう。
・ステイホームが一番
・保管技術や食材運搬の方法がないことも問題なので、サポートを行う。
・突発的な貧困に比べ、メディア露出も少なく支援が集まりにくいので、積極的に発信していく
2. コロナ の影響を受け活動が制限される中、NPOはどのように対応することで飢餓に苦しむ方々を救えるのか?
・今後医療体制を整えることが重要になるので検査キットなどを支援する。
・モノカルチャー経済なのでその他の産業を成長させる。手伝い
・ユニセフなどにお小遣いを寄付してみて将来的な成長を助ける。
・まずこの問題を知る。詳しくなって周りにシェアする。
・みんなが自分ごととして捉えることができる制度を作る
・フードバンクを活用する術をNPOはシェアしていくべき。政府との連携ももっと強固に
・自立できる環境づくり。持続可能な社会を作るために教育を
・対面できないので、余ったものを違うものに変えて届ける仕組みを作る
・廃棄されてしまいそうな非常食などを送る
・インフラ整備など環境面のサポートも行う
▼4. 伊藤さんフィードバック
参加者の発表を受け、ゲストの伊藤さんにフィードバックいただきました。
伊藤さん:非常に興味を持っていて感動しました。
問題意識を持って行動しようという意識が伝わってきました。
全体の課題としては、配分が挙げられます。食料自体は余裕があるはずなので、大切なのはこれを分配することです。
分配に関しては政治が関わってきます。深い知識を持って欲しいです。
討論の中で国連、そしてWHOの話が出ましたが、できることに限りがあるのは事実でしょう。
政府や国連の対応に任せきりになるのではなく、私たちができることから行動していくことが大事です。
まだまだ話したいことがありますので興味を持った方は是非ACC 21までご連絡ください。
▼5. まとめ
今回も「飢餓をゼロに」をテーマに参加者それぞれが考えを深めることができました。さらに、前回の「貧困をなくそう」との深い関わりを実感し、包括的なアプローチの重要性を再認識することができました。
ご参加いただいた皆様、ここまでお読みくださった皆様、有難うございます。
ぜひ私たちと一緒に、おうち時間に未来を考えませんか?