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【後編】異国でのキャリアスタート。「人」が教えてくれた自分らしい幸せの形

みなさんこんにちは!
みらいずworksインターン生の鈴木妃奈乃(ひなちゃん)です🐣

みらいずworksメンバーのキャリアを紐解く「スタッフインタビュー」🎤
この記事は、今年度4月に着任したスタッフ五百川くんのインタビュー記事後編です!

▼前編はコチラから!

海外、教育という視点から、JICA海外協力隊としてジョブキャリアをスタートさせた五百川くん。
インタビュー後編では、大学卒業後のキャリアから、五百川くんの人生観に迫ります🌿

五百川 将(いおかわ たすく)
1994年生まれ。新潟県五泉市出身。高等学校教諭一種免所持。大学時代に国内外の教育ボランティアに参加して、海外の子どもたちの学びに興味をもち、卒業後、JICA海外協力隊として、ブータンの学校に体育教師として派遣される。帰国後は、日本の子どもたちの学ぶ環境に疑問をもち、「学校と連携し地域や社会で自分らしく生きる子どもたちを育てる」ことを実践するため、佐渡市で地域おこし協力隊として、放課後子ども教室や地域未来塾などの社会教育に取り組む。現在は、佐渡市の中学生×地元企業を繋ぐ「課題解決型職場体験」の企画・運営やコミュニティ・スクール事業、地域学校協働活動の支援を担当している。自主活動として、子どもたちが自分で考え、自分で行動できるように佐渡市をフィールドにした探究的な学びのプログラム「創るプロジェクト」を進行中。


異国でのファーストキャリアから考える、幸せの形

ーーー海外でのファーストキャリアに不安は無かったのですか?
自分にはスーパーポジティブな一面もあるので、「なんとかなる!」と思ってました(笑)
根拠のない自信や直観が結構あるので、不安よりもワクワクする気持ちの方がかなり大きかったです。

ーーーJICA海外協力隊としてどこに配属されてどんなことをしていましたか?
本当はアフリカの国に行きたかったのですが、学生時代の経験と派遣の内容をJICAが考慮してでブータンに派遣されました。
私が着任した当時のブータンは、体育が教育課程に入ってから20年ほどしか経っていなかったので、今いる学校の先生たちが体育の授業を受けたことが無いまま教えていて。日本でいう、ICT教育と似ている状況でした。
ブータンの学校で子どもたちに授業すること、先生たちに体育授業のノウハウを指導して、体育の価値や地位を向上をさせることが私のミッションでした。

体育の授業。体操着のない中でもできる運動を考えて、授業していました。この日はブータンの先生にサポートで入ってもらい、次の時間に現地の先生たち主導で授業を実践してもらいました。

日本でいう学習指導要領みたいなものは一応あったのですが、途上国の学習指導要領は他の先進国のデータをそのまま持って来て作られたものが多いので、その国の実態に全然合っていなくて。現地では道具が限られているのに道具をたくさん使う指導案になっていたりするので、そういったものをブータン仕様に変えていきました。
ですが、新型コロナウイルスの感染拡大で日本に強制帰還せざるを得なくなってしまって、整えた年間カリキュラムを実行することなく終わってしまったのは悔しく、心残りです。

ーーー次のキャリアに繋がるような出来事はありましたか?
ブータンでは、地域の人や保護者の方が普段からふらっと学校に来てくれることが多くありました。普段から地域の人たちが学校に出入りしているからこそ、例えば「机が足りない!」となったときに一緒に机を作ったり、子どものお母さんがふらっと学校に来て授業を見て行ったりすることも頻繁にあって。
日本でいうPTAみたいな組織があるわけではないけれど、ブータンでは地域の人や保護者の方が個人的に学校に関わっているのがすごいなと思いました。
ブータンは互いを助け合う精神が根底にあるから「幸せな国」という風に言われているのかなと感じて。ブータンの暮らしを自分で体感したからこそ、「日本はどうなっているんだろう?」と今度は自国の学校教育や社会教育分野に目が向きました。

子ども達の机を先生方で作成している様子

日本に帰国してから社会教育の分野で活動できる団体を調べていたときに、地域おこし協力隊の募集を見つけました。採用が早く、かつ放課後の活動支援が出来る佐渡市の募集を受けて、2020年の12月コロナ禍にて次のキャリアをスタートしました。

コロナ禍での地域おこし協力隊、「人」が教えてくれたこと

ーーーコロナ禍での地域おこし協力隊着任となると、大変なこともたくさんあったのではないでしょうか?
当時の多くの方がそうだったように、1年目はずっとマスクをしながらの生活でした。
その中でも、1年目の後半からはとにかく色々な人に会いに行って佐渡市の現状把握をしつつ、新規開拓や営業をしていました。そこからは、教室運営やイベント企画・実施など、自分の手で作っていったのが2年目以降だったと思います。

ーーー五百川くんはJICA海外協力隊や地域おこし協力隊など、自分1人で実践されてきた経験が多いですよね。働くうえで、何か意識していたことはありますか?
団体や会社に勤めていれば「あぁ、あの会社の人ね」と知ってもらえると思うのですが、自分の場合はそれが無かったので、五百川将という名前と、教育に関わっている人だっていうことを知ってもらえるように、色々な所に自分から出向きましたね。Instagramで毎日発信したりもしました。
JICAのときもそうだったのですが、実践のノウハウは分からなかったので、「とりあえずまずやってみる!行ってみる!」ということは大事にしていました。

佐渡市のいろんなイベントに参加して、子ども向けのブースを担当してました。

ーーープレイヤーとして活動する中での気持ちのアップダウンはありましたか?
イベントの企画・運営をたくさんしていたので、かなり大変でした。何かのイベントが終わったら報告書を書いて、またすぐに次のイベントが始まる、みたいな形でずっと動いてたので。

でも、イベントに参加してくれた人たちが「じゃあ次は自分たちでやってみよう」という動きを見せてくれたり、子どもたちの参加者がどんどん増えていったりしたことはとても面白かったし、自分の支えになってました。
「五百川くんのおかげで活動が広がったり、高校生の子たちが前より良い顔になったよ」とか、「この地域では繋がりが少なかったけど、また子どもたちと繋がることができて嬉しかったよ」というような言葉をもらうと、励みになりましたね。

ーーー五百川くんのキャリアの中ではずっと「人」がキーワードですね。五百川くんが「人」に惹かれ続けている理由はどこにあるんでしょうか?
なんだろう…学ぶ楽しさがそこにあるような気がします。
例えば、自分は大学時代のアルバイトで子どもたちにスポーツを教えるインストラクターをやっていたのですが、モチベーションはお金をたくさん稼ぐことよりも、子どもたちのために何かできることやスキルを身に付けて現場で働きたいという方にあって。
自分のできることが増えていったり、人と関わることで学ぶことや癒されることがあったり、そういったことを自分は大事にしたいのだと思います。
あとは、人が変わる瞬間が好きです。子どもたちや地域の人の表情が変わる瞬間を見ると、やって良かったと思うし、そういった瞬間を作っていくのがやっぱり楽しいなと思いますね。

ーーーみらいずworksにジョインしてから数カ月たちましたが、この数か月間はいかがでしたか?
本当にあっという間でした(笑)NPOならではなのか、事業がスピード感をもってどんどん展開していくので。
これまでは1人でやってきたからこそ、メンバーと協力したり、悩んだときに相談に乗ってもらえるのはありがたいですね。
少し落ち着いてきたら、自分で自主事業もやってみたいです。

みらいずworksネイチャー合宿の様子。
佐渡から来てくれる五百川くんに会える日はラッキーです🤝

ーーー素敵なお話を聞かせてくださりありがとうございました!最後に一言お願いします!
みらいずworksは「自分から 自分らしく みんなとともに、社会をつくる人を育てる」をミッションに掲げています。自分もこのミッションの実現に向けて、自分らしく生きることが出来る人を育めるように頑張っていきたいです。


編集後記

いかがでしたでしょうか?🌿
前後編を通して五百川くんが教育に関わる根っこの想いや、大切にしていることが伝わったのではないかと思っています。
私もお話を聞きながら共感する部分が多く、とても良い時間を過ごせました🫧

ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!
また次回の記事でお会いできるのを楽しみにしています!📒


▼みらいずworks公式ホームページはコチラ

執筆担当:鈴木妃奈乃(ひなちゃん)/学生インターン
新潟県柏崎市出身、新潟大学教育学部4年次在学中。専攻は教育哲学。小学校・特別支援学校教員免許状を現在取得中。地域活動をきっかけに越境学習やコミュニティ活性化に興味を持ち、大学1年次3月よりみらいずworksインターン生として従事。現在は通信制高校にもジョインし、生徒の探究伴走を行っている。自分の知らない世界に出会い、誰もが心のままに生きることができる未来の実現を目指して、学校内外の視点から教育に携わっている。

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