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税金・節税情報

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税理士監修の企業経営向けの節税・手続き・税法改正など税金に関する情報を配信します。
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記事一覧

年末調整ってなんだ?意味を知ると大事な手続きだと分かります!

この記事は令和5年10月に書いております。これをご覧になっている方のお手元に保険会社から保険料控除証明書が送られてくる頃です。また、会社員の方は事務の方から年末調整の書類を渡される時期でもあります。 普段は税金に関心が無い方も、否が応でも「税」に関わる時期が年末調整と確定申告の時期です。また、全給与所得者に関係するので、関わる人数は国内でも最大級の公的手続きの一つと思われます。 「面倒だな」とか「適当にやっとけ!」と思っている方もこの記事を読むと、実は後々まで影響する大事

2割特例・少額特例・80%経過措置|インボイの特例や経過措置の整理!

この記事では、インボイスに関する特例や経過措置が、どの事業者に対していつまで適用されるかを整理してお伝えしたいと思います。 2割特例を利用できる事業者とは? 先ずは2割特例のお話から始めます。2割特例とは、売上に掛かる消費税に20%を掛けた分を納税する特例のことです。 例えば1年間の売上が990万円の事業者がいたとします。この売上に掛かる消費税は90万円です。2割特例を適用すると、この売上に掛かる消費税90万円に2割を掛けた分である18万円が納税額となります。 2割特

インボイスが無くても仕入税額控除ができる取引と間違いやすい取引

インボイス制度が始まってから、おそらく、経理担当者や経営者の皆さんが判断に困るであろう取引について解説します。 インボイスがなくても仕入税額控除できる取引 ここで紹介する内容は、インボイスの保存がなくても、帳簿を付けて必要事項を記入するだけでも仕入税額控除ができるとされています。領収証や請求書の発行自体が難しいとか取引相手が一般個人のものが多い印象です。 先ず、1つ目が公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送で3万円未満のものです。電車や地下鉄の自動券売機、

退職金の税金が上がるとは?何が問題?キーワードは「退職所得控除」

令和5年6月末以降のニュースで「退職金に掛かる税金が増税されるかも?」と不安になるような情報が報道されました。 情報の出処は政府の税制調査会であり「わが国税制の現状と課題 -令和時代の構造変化と税制のあり方ー」(令和5年6月30日)の96ページ 退職所得の欄に「現行の課税の仕組みは、勤続年数が長いほど厚く支給される退職金の支給形態を反映したものとなっていますが、近年は、支給形態や労働市場における様々な動向に応じて、税制上も対応を検討する必要が生じてきています」 https:

児童手当拡充+子の扶養控除廃止で税負担はどれくらい増える??計算してみた

政府は6月13日に公表した「こども未来戦略方針」で、中学生までの児童手当の支給期間を高校生まで延長すると同時に、16〜18歳の子供がいる親の扶養控除の見直しも検討するという報道がありました。年収によっては児童手当の増加分よりも、税負担が大きくなるケースもあり得るようです。 給与収入で900万円を超えたあたりで負担増となるようですが、むしろ給与収入が年900万円を超える方は全体の内数パーセントです。給与収入が年600万円までで全体の約80%になります。報道では一般層にについて

源泉徴収の間違いやすいポイント|仙台市役所の事例から学ぶ

今回は給与や年金から徴収される税金「源泉徴収」の実務とみらい創研の所在地がある仙台市役所において発生した源泉徴収のミスの事例から間違いやすいポイントも合わせてお話致します。 源泉徴収ってなに? 源泉徴収とは「お金を払った人」が税金を徴収する制度です。対象は一部の所得税です。本来、所得税はお金を受け取った人が自分で確定申告を行い税金を納めることが原則です。しかし、給与、年金、報酬、配当や利子など一部の個人に対する報酬や料金については、支払う方が予め税金を引いて納めてください

仮想通貨の税金・確定申告!相続税のことも少し解説

最近、インターネット上の検索数や弊社のYoutubeチャンネルの人気動画を見る限り、特に30~40代の会社員を中心に「投資」という概念が馴染んできたなと感じます。大きなコンビニや本屋さんの棚には投資専用のコーナーが有り、世間全体の投資に対する関心が定着していることを感じます。 さて、投資の経験年数がある程度の長さになってくると、株式・債権・投資信託以外の投資対象を探している方も居ると思います。FX、外貨、コモディティと並び仮想通貨も投資先に考えている方もいると思います。今回

住民税計算の仕組み!実は所得税より取られているかも??

住民税を取り上げているnoteや動画は少なく地味だけと所得税よりも身近で、人によっては所得税より多めに納めているかもしれないこの税金について解説いたします。 知れば知るほど、負担額の大きさに驚く方も多いと思います。税金自体は逃れることはできませんが、自分の所得から差し引かれる過程や概要を知って、ご自身の資産形成やライフプランを立てる際にお役立てください。 住民税はどんな人に掛かる? 住民税は1月1日時点で住所がある市町村にから課税されます。原則は住んでいる方全員が対象で

固定資産税・都市計画税の仕組み!路線価と評価額の関係も!

毎年、春になると固定資産税・都市計画税の納税通知書が来ます。この税金は予め市町村が税額を決めた上で通知してくるので、計算方法についてはあまり知られていません。何となく固定資産税を払っていませんか?どの様な計算を経て税額が決められているのかを解説いたします。 現在、戸建てや分譲マンションをお持ちの方やこれから購入しようと言う方は、ずっと払わなければならない経費のようなものになりますので、仕組みを理解するためのテキストとしてお役立てくださ 固定資産税・都市計画税とはどんな税金

インボイス制度「少額特例」と「少額な返還インボイスの交付義務免除」をざっくり解説(インボイス制度解説Part3)

令和5年10月1日から開始されるインボイスについて残り半年となりました(記事作成日は令和5年3月)。制度開始に伴う軽減措置がとられてはいますが、情報の浸透はまだまだという印象です。国税庁のホームページや動画を見ても、難しい用語が並んでいるだけで果たして何割の方が理解できたか疑問が残ります。 この記事ではインボイスの制度解説を3つのテーマに分けてお送りいたします。 Part1は消費税計算の基礎とインボイスとの関係 Part2はインボイス制度開始に伴う負担軽減措置である「2割特例

インボイス制度「2割特例」と「仕入税額控除80%の経過措置」をざっくり解説(インボイス制度解説Part2)

令和5年10月1日から開始されるインボイスについて残り半年となりました(記事作成日は令和5年3月)。制度開始に伴う軽減措置がとられてはいますが、情報の浸透はまだまだという印象です。国税庁のホームページや動画を見ても、難しい用語が並んでいるだけで果たして何割の方が理解できたか疑問が残ります。 この記事ではインボイスの制度解説を3つのテーマに分けてお送りいたします。 Part1は消費税計算の基礎とインボイスとの関係 Part2はインボイス制度開始に伴う負担軽減措置である「2割特

消費税計算の基礎とインボイスとの関係のおさらい(インボイス制度解説Part1)

令和5年10月1日から開始されるインボイスについて残り半年となりました(記事作成日は令和5年3月)。制度開始に伴う軽減措置がとられてはいますが、情報の浸透はまだまだという印象です。国税庁のホームページや動画を見ても、難しい用語が並んでいるだけで果たして何割の方が理解できたか疑問が残ります。 この記事ではインボイスの制度解説を3つのテーマに分けてお送りいたします。 Part1は消費税計算の基礎とインボイスとの関係 Part2はインボイス制度開始に伴う負担軽減措置である「2割特

ひとり親控除・寡婦控除・障害者控除|確定申告と年末調整

確定申告と年末調整でよくお世話になる控除制度について3回シリーズで解説します。 今回はひとり親控除・寡婦控除・障害者控除です。これまで、配偶者控除、と比べると認知度の低い所得控除ですが、該当するれば追加で控除できるので記事を確認してみてください。 配偶者控除、扶養控除については前回と前々回の記事で解説してます。 ひとり親控除 この控除は性別や結婚歴は関係しません。シングルマザー・シングルファザーどちらも対象です。ご自身の1年間の合計所得金額が500万円以下であり、再婚、

扶養控除の話|確定申告と年末調整

確定申告と年末調整でよくお世話になる控除制度について解説します。 今回は扶養控除です。所得控除の中では前回の配偶者控除と並びメジャーな控除です。お子さんの扶養についてはよく知られています。しかし、ご自身の親御さんや祖父母さんを扶養に入れる際には年金収入が有るので注意が必要です。 配偶者控除、配偶者特別控除については前回の記事で解説してます。 扶養控除の条件 扶養控除の対象にするには生計を一にする16歳以上の親族であること、年間の所得が48万円以下が条件です。配偶者特別控