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実践型インターンシップ実施企業インタビューvol.7 NPO法人みらいの学校 松浦孝行さん

こんにちは、NPO法人みらいの学校のインターンシップ生、岩橋瑞樹です。

今回は、2019年夏にインターンシップを実施された、NPO法人みらいの学校、代表理事の松浦孝行さん(以下、敬称略)へのインタビューを以下にまとめております。

僕の今のインターン先でもある「NPO法人みらいの学校」は、昨年6月に設立されました。
秋田県羽後町が2017年から実施している地方創生プロジェクトに関わってきた主力メンバーで、事業の継続とエリアの拡大を目的に掲げ立ち上げました。実施している事業は「キャリア形成支援事業」「地域課題解決事業」「地域プロモーション事業」と3つの柱で展開しています。「夢や目標に向かい挑戦が生まれて続けている地域社会」を目指し日々尽力されています。

プロジェクトでは、ご自身が担当する「地域プロモーション事業」の一環として、「ローカル情報最前線! 地域のバンキシャとしてWebニュース用の記事を取材作成せよ!」という内容でインターンを実施されました。

プロジェクトの詳しく内容はコチラから

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岩橋「実践型インターンシップを実施された理由を教えてください。」

松浦「理由としては、私自身やりたいことは多くあるのにプレイヤーが足りていないという現状がありました。私は以前から地域プロモーション事業の一環で「UGONEWS(ウゴニュー)」という羽後町のローカルニュースサイトを立ち上げていましたが、そのサイトに掲載する記事を書く記者がいないという事態に陥っていました。

ウゴニューでは、羽後町の住民以外の人にソトもの目線から町を取材してもらい、記事を掲載したいといった考えもあました。以前から記者がいなかったために住民である私自身が編集長であり記者であるという一方向の目線でしか記事を書けていないという課題がありました。そこで、多様な目線を取り入れるために実践型インターンシップを実施し、インターン生に記者として町の声を拾ってもらうということを目的に実施しました。」

岩橋「実践型インターンシップを導入して得た成果を教えてください。」

松浦「成果としては、取材を通して町の声を拾い、データベースに残す情報や記録を収集して記事として発信するという流れをインターン生自身でやってもらい、特集記事を作ることができたことです。

今回インターン生として2人を受け入れましたが、具体的に、地域行事を網羅した記事やインターン生自身が町で体験したことを書いた記事、町のお店を巡る特集記事など、最終的に1人当たり10本以上の記事を書いてもらうことができました。2人とも今後活用できる取材のテーマや視点などのカタチを残してくれ、それを今後、別の記者へ引継ぐのが現時点での課題です。」

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岩橋「インターンシップを通して感じた、利益や価値について教えてください。」

松浦「貨幣価値の利益はありませんが、記者が情報発信していく既成にいたる段階で想像以上のことをやってくれたので人件費相当の価値はあると感じています。企画を立ち上げてから、取材を行い、記事を書いてサイトにアップするまでの工程をすべてインターン生自身でやっていて、私がお金を出して雇ってもいいくらいのスキルがインターン生にはついたのではないかと思いました。インターン生自身に企画力がもともとあったので、お願いできる範囲も広く、私自身インターン生主体のプログラムを実施することもできるのではないかと気づかされました。2名の受け入れを通して、インターン生の自主性は受け入れ側にとって必須の条件であると感じました。」

岩橋「インターンシップを実施する中で、不安や問題点はありましたか?」

松浦「インターン生と会う前までは、オンラインでしかやり取りをしていなかったので、”インターン生が一ヶ月間耐えきれるのか”、”どれだけ持久力があるのか”などがわからないことが不安でした。また、自分の仕事とそれ以外でオンオフがなくなるのではないか、学生の対応に追われて自分の仕事の時間が削られるのではないかという不安を抱いていました。しかし実際に一緒に取り組んでみて、自主的に様々なことをこなしてくれましたし、私の右腕として大いに活躍してくれました。逆に、私がインターン生から刺激を受けることが多く、ローカルメディアの可能性を知ることもできました。インターンが始まってからは、当初抱いていた不安は全く感じなかったというのが事実です。」

岩橋「インターンシップを実施して、ご自身や周りの方で心情の変化はありましたか?」

松浦「私自身、記者が取材し記事を作成していくといったフォーマットをつくることができ、今まで1人で記事を作る際には気づけなかった”第三者が関わることを想定した視点”を持つことができました。記事を書く上での概念だけではなく、誰であっても記事作成ができるなど、業務を遂行する上で必要な仕組みを作ることの重要性に気づくことができたのは一番大きいです。

また、法人内でも、私が担当している事業について理解が進みましたし、他の分野で実際にインターンシップを実施するにはどのようなプロジェクトにするか?といった部分で事業の現状分析が進んだ点などは、私がインターンシップを実施したことで与えられた影響ではないかと感じています。」

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岩橋「実践型インターンシップはどのような企業が実施すべきだとお考えですか?」

松浦「実践型インターンシップは企業のなかでも制度化できていないものが見えてくる貴重な機会であると感じています。この面では、どのような規模の企業であってもインターンシップを実施することで一定の価値があると思いますが、特に小さい規模の企業に与えるインパクトは大きいと考えています。大企業の場合は人事や育成についてプログラム化がなされているため、学生側の得るものは多いですが、企業側の得るものは少ないのではないかと思います。その反面、人事機能をもっていないような中小零細企業には新入社員のような若い視点を取り入れられる良い機会ですし、より大きな価値があると感じます。」

岩橋「松浦さんにとって実践型インターンシップとはどのような価値や機会だと思いますか?」

松浦「新卒社員を入れることができない企業にとって良いシミュレーションであり良い起爆剤であると感じます。インターンシップを実施することで、事業や組織の見えなかった点が見えるようになりますし、学生を迎えることに対して気づくことも多くあり、それを知れただけでも企業の未熟さを実感できる機会ではないでしょうか。どのような学生が来ても、次回も遂行できるプロジェクトになっているのが優秀なプロジェクトであり、企業にとっても事業のプロジェクト化や見える化は必須であると感じます。その点でも複数回インターンシップを実施して様々な視点からプロジェクトなり事業なりを完成させていくのがよいと思っています。私自身も事業を進めていく上で、またインターンシップを活用したいと考えています。」

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岩橋「今後の目標を教えてください。」

松浦「インターンシップを実施して、単に記事を書くだけでも、多様な目線を取り入れたい、年代別にも幅広い目線を取り入れたいと思うようになりました。また自分たちが取材するだけでなく、町の方たちにも住民目線で記事を書いていただきたいと思うようになり、今後はその入り口となるセミナーやイベントを開きたいと考えています。記事は、ターゲットやシチュエーションによって価値は多様です。ウゴニューのようなローカルニュースサイトでは新聞に載らないようなローカルな物事も発信できるという強みがあります。これからは、羽後町の多様な価値を表に出せるような発信を積極的にしていきたいと思っています。」

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松浦さん、お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました!

記事の中で紹介しました、松浦さんが手がけられている羽後町の住民参加型ニュースサイト「ウゴニュー」はコチラからどうぞ。実際にインターン生が取材し作成した記事もご覧いただけます!

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