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自責思考と他責思考の中間

自己啓発が好きな人は「自責思考」を賞賛し、「他責思考」を批判する傾向にあります。しかし、それは0か100かの極端な考え方なので、精神衛生上良くないと思っています。

責任の範囲を具体的に見極めて、自分がとるべき責任については謝罪し、そうでない範囲については、自分を守るという考え方の方が大切なんだと思います。

そうしないと、何でもかんでも自分が悪いということになってしまい、不当な要求をされたり、必要以上の謝罪を求められてしまう恐れがあります。人の弱みに付け込む人なんてたくさんいます。

ちなみに「自分が悪い」「自分は罪人だから罰が与えられて当然だ」といった考えに至った場合、うつ病になってしまう可能性は高いと思います。これは実体験です。上司のパワハラも「自分がダメだからだ」と思いつめてしまいました。自責思考を徹底した結果です。

一方で、「自分は全く悪くない」「すべてあいつが悪い」と、自分の取るべき責任についても誰かになすり付けるようなことをすれば、争いは避けられません。相手が折れてくれれば楽ですが、それでも人間関係は破綻してしまうでしょう。

もし交渉ごとや勝負に勝つことが最大の目的なのであれば、短期的な視点であれば、全ての責任を相手になすり付けた方がメリットがあるように感じるかもしれません。しかし、長い目で見れば、その相手との人間関係は破綻しますし、その争いに費やす精神的な負担や疲労を考えると、そこまで生産的とは言えないはずです。

自分の母親は、「自分が不幸なのは全てあの人(夫)が悪い」と幼少期の自分に愚痴を言い聞かせていましたし、なんで離婚しないの?という問いに対して、「あんたたち(自分と兄)がいるからね」と、その責任の所在が子どもにあるといった主旨の発言をしていました。それが原因で、自分の存在が不必要だという考えを持つに至っていましたが、今ならそれが間違いだったと思っています。そんな親の責任を負う義務は、子どもにありませんから。

心理学者アドラーは「自他の区別」が大切だと言っていますが、それと同じように、これはあなたの責任、それは自分の責任、といったように、責任についても具体的に区別することが大切なのだと思います。

自分も鬱症状があるときは、つい「自分が悪い」「自分が変わればいい」と判断してしまうことがありますが、それは大きな間違いですし、余計なストレスをかかえ込むことになってしまうので、そうならないように注意したいと思っています。

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