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トマトの軟果対策は今からしましょう!

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。まだまだ寒い日もありますが、日は長くなってきました。冬至から2カ月半くらい経ちますから日は着実に長くなってきています。三寒四温といわれる時期ですから、寒い日と暖かい日が繰り返し気づけば春になります。

日中は暖かく感じられる日が増えてきました。トマト栽培において、暖かくなってくると発生しやすいのは『軟果』です。

せっかく順調に育ってきて収穫しようと思ったら、ブヨブヨで水風船みたいなトマトの時は本当にガッカリします。農家の方では軟十キロのトマトを収穫したにもかかわらず、ブヨブヨしたトマトばかリだったときはホントに心が折れそうになりますよね。ブヨブヨトマトは見た目にはわかりにくく収穫後に触るとブヨブヨ・・・・・・。
商品価値は下がってしまいますし柔らかいので割れたりもしやすくなります。
本当に腹の立つトマトの軟果は環境管理である程度は発生を抑えることができます。

●そもそも軟果とは?
春は軟果したトマトの発生が多くなる時期で4~5月に発生のピークを迎えます。軟果する原因はいろいろありますが、大きく分けると「栽培環境によるもの」と「栽培環境以外によるもの」の2つに分かれます。収穫遅れや収穫後の保管状態による軟果、果実への衝撃による軟果は「栽培環境以外によるもの」です。これらに関しては気をつけましょう、、ということになります。「栽培環境によるもの」についてはしっかりと知識をつけて栽培環境を作り上げることで軟果を減らすことができます。軟果は発生してからではどうしようもありませんので、栽培管理に軟果になる要因がないかしっかり確認し、早めに対策をとる必要があります。
軟果するケースの多くはアミ果になっているケースが多く、アミ果対策をしっかりとしていくことになります。

【アミ果とは?】
花芽が分化する時期に低温や多窒素等が続くと、植物の生長が栄養成⾧に傾き、トマトの子室(部屋)の数が増えます。子室が増えると中果皮の肉厚が薄く、ゼリー部が透けて見えるようになります。
アミ果とは果皮の表面を透かすと子室や維管束が網状にみえるもので、「網入り果」または「グズベリ状果」とも呼ばれます。

肉厚が薄いとゼリー部のウエイトが増えるため、柔らかい果実、すなわち軟果となりやすくなります。手に取ってみるとブヨブヨで水風船みたいな状態ですよね。アミ果の発生を予防することで、軟果の発生も抑えることができます。

①    光合成量に合わせた温度管理(とくに低温に注意する)
花芽の分化は開花のおよそ1か月前から始まります。4~5月に着果する果実は1~2月の低温期に分化が始まっていたものになるため、日射量が増えてきたら日中の温度は高めていきましょう。
冬季から春にかけての管理温度が低く、そこに多肥条件が重なると、栄養成⾧に傾きやすく、根も張らず、花芽が充実しにくくなります。

対策としては光合成量に合わせた温度管理することです。
暖房費節約のためだけのむやみな低温は減収や品質低下を招くことになります。もし温度を下げたい場合は前夜半(日の入後から日付が変わるくらいまで)を下げましょう。
果実にも光をしっかり当てることが必要です。果実への転流を促すには温度が必要となります。日射量が少ない時期は葉かきをして果実に光を当てましょう。12~2月は収穫花房2段上くらいまでは見えていても大丈夫です。日射量が強くなる4~5月に向けて徐々に葉数は増やしていきましょう。

②    灌水管理(”急激”な水分変化を避ける)
日射量に応じて潅水量を調整することは栽培管理をするうえで重要なことですが、日射量が強くなり、トマトの吸水量が増えたときに”急激”に灌水量を増やすのは良くありません。

乾燥状態から一気に植物体が吸水すると軟果しやすくなります。養液栽培の方は、日射量や飽差の変化に合わせて徐々に給液量を増やしていき、急な管理変更とならないようにしましょう。低温や多窒素により生育が栄養成⾧に傾いており、果壁が薄い状態で、収穫前に多量の水分が果実に流れ込むと果実が軟弱化します。

4~5月の収穫時期にブヨブヨで食味もよくない軟果を出さないためには、今からしっかりと栽培環境を作っていくことが大切です!


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com


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