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ハウス内の結露対策! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日はハウス内の結露対策についてお話いたします。ハウスでトマトなどを栽培していると悩ましいのが結露。よく朝方にハウス内でビニールに結露してポタポタと水滴が落ちてきているハウスを見かけます。

ハウス内で作業をしていると服が濡れたりするのも嫌ですが、植物が濡れると病気の原因になったり、果実が裂果したり、さらには濡れたままの果実を収穫すると段ボールなども濡れてフニャフニャになったりして余計な作業が発生してしまうので結露は防ぎたいですよね。

ではそもそも結露ってどうして起こるのでしょうか?
これは中学ぐらいに理科で習ったはずですが、遠い昔のことなので忘れちゃった人も多いと思うので復習します。

〇結露のメカニズム
結露のメカニズムは湿度の高い暖かい空気が外気で冷えた物体に触れると、空気の温度が下がります。 すると、温度が下がった分だけ、空気が含むことができる水蒸気量は減ります。 空気が含めなくなった分の水蒸気は、水に変わり「結露」として冷えた物体にとどまります。 これが、結露が発生するメカニズムです。冬に窓ガラスに結露するのはこれによるモノなんですね。

〇ハウス栽培での結露
冬の寒い時期、午前中の早い時間帯に、農作物に結露が発生しているハウスをよく見かけます。結露が発生していると、収穫作業をしていて農作物に触れると服が濡れてしまいます。また、ひどいときには収穫物の表面が濡れ、収穫箱まで濡れてしまうこともあります。

結露が発生すると、こういった作業上の問題だけでなく、灰色かび病に代表される病気の発生の原因となったり、果実表面の結露によって果実が水を吸収し膨らむことで裂果の要因になったりするなど、栽培上でも大きな問題を引き起こします。
長い時間をかけて育ててきた果実が裂果すると腹が立ちますよね。

そこで結露対策について記載していきたいと思います。

まず、結露が発生する状況について説明します。
例えば、トマト栽培において夜間の暖房温度が13℃だったとします。日の出後、日が差し始めると太陽の熱によってハウスの気温は、9:30頃には20℃近くまで上昇します。このとき露点は蒸散によって絶対湿度が上がることで、気温より少し低い18℃程度まで上昇します。農作物の葉は薄いのでハウス内温度の上昇に追随して温度上昇するのですが、
一方で、収穫期のトマト果実は水分を多く含み、体積も大きく熱容量の大きいので、急に気温が上昇しても同じように果実温度が上昇するわけではなく、果実表面の温度は相当遅れてついていくことになります。

露点とは
空気が冷却され含まれている水蒸気が液体(霧)になるときの温度のことをいいます。 ある温度において空気が含むことのできる水蒸気の限界を飽和水蒸気量といい、その限界(飽和状態)を超えた分の水蒸気が霧となって現れます。 このときの温度が露点(露点温度)といいます。

このとき、果実の表面温度が13℃のままだと、露点18℃との間には、5度もの差がついてしまいます。これは、冷たい水の入ったコップを室内に置いておくようなもので、あっという間に表面で結露が進んでいくことになります。

こうなることを防ぐために、朝方における気温の上昇が緩やかになるような温度管理を心がけてください。朝方にかけての温度上昇を緩やかにするほど、果実が温まるための時間がとれるようになり結露が少なくなります。

また換気を適宜することで外気の乾いた空気を取り入れることで結露を防ぐ対策になります。

当然、加温するために経費はかかりますが、多くの場合はハウス内環境を改善できれば、経費を上回る生産性の向上、作業性の向上が得られます。

ぜひチャレンジしてみてください。


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
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