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畑に消費者を呼び込もう!(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
農業ってまだまだポテンシャルを秘めていると思うのですよね。農家の人にとってあまりに日常すぎて価値を感じていないことが実は一般の人にとってすごく価値のあることというのが非常に多い。一般の人にとっては農業、農園、畑ってふだん接することがほとんどないので非日常なのですよね。さらに田畑の風景、田舎の風景に「幸せ」や「癒し」を感じるというのも人間の本姓の中に組み込まれているので、農園を単に「野菜を栽培するところ」としてとらえずにそれらを含めた多くの価値のあるところとして利活用することで農業のポテンシャルを開花させることができると思っています。今日はそのあたりの話をしたいと思います。

人間は経済が成熟化すればするほど人は「形あるモノ」ではなく、「形のないコト」に価値を見いだすようになります。IT化が進めば進むほど逆にリアルでアナログな体験の価値も高くなります。 最近、令和の若者たちが「昭和」を“エモい“と感じ、昭和レトロが流行ったりするのもその傾向の一つかもしれません。昭和は物質文化が花開いた時代ではありますが、今ほどデジタルではなく、まだまだアナログな物質文化で人情的なモノ人と人のつながりのようなものを感じる時代でした。
農業においても同じような傾向があると思います。農産物を食べるだけでなく 農に関する体験が価値を持つようになっています。例えば、農村観光、農場訪問、果物・野菜の収穫体験、生産者との交流、貸し農園、農家レストラン、農園カフェなどに行ってみたいと思ったことはありませんか?多くのご家庭でも家庭菜園をしたりしますよね。癒しであったり、知的好奇心であったり体験することで満たされるものがあるんですよね。体験価値の重要性がますます高まっているということもその現象の一つだと思います。

そう考えると現代の農業を野菜を作るだけの一次産業として捉えることは時代遅れで もったいないように思います。もちろん一次産業として自然の恵みを享受し 農産物を生産する活動は大切です。しかし生産活動だけで農業が成長し発展していくことは難しい時代が来ていることも事実です。 現代の農業はものづくりのみならず、コトの中に農産物を位置づけるという発想が求められています。

産地で食べる農産物の味は格別ですよね。農産物そのもののおいしさに加え、こんな素晴らしい土地で作られたものは 美味しいはずだという心理や採れたてで鮮度のいいものは美味しいはずだと言った心理も作用すると思います。産地で食べる農産物は味覚だけでなく視覚的にも聴覚的にも嗅覚的にも訴求してきますよね

農業の現場で五感で体感する情報は メディア経由の視覚・聴覚情報とは全く違います。いくらお金をかけて広告したとしても、もしくはなんど消費地でイベントを開催したとしても産地でのリアルな体験から得られる情報にはおそらくかなわないでしょう。消費地では 全国の産地が同じように紹介をしています。消費地でのプロモーションは 他の産地との競争に埋もれてしまいやすい。 もちろん 消費地で無料の試食イベントをすれば、ある程度は 人は集まってくれると思います。 そして参加者の多くが美味しいと言ってくれるかもしれない。 だが無料で試食させてもらえれば、 たとえ 美味しいと思わなかったとしても美味しいと言いたくなるのが人間です。一つぐらい土産に買って行ってもいいかなという心理にもなります。無料の紹介での美味しいという評価は“ありがとう”と言ったお礼程度と考えたほういいです。おそらくその評価の多くは「その場限り」でリピーターにはなりにくいです。大切なのは 美味しいと言ってくれた人がその後も 食べ続けてくれるか リピーターになってくれるかです。

消費地に販売促進に行くよりも産地・農園に来た人に地域の美味しい農産物に出会ってもらう 。そして五感を通して農産物の味+αを体感してもらう。その方がはるかに効果的です。産地・農園での体験はおいしさが 風景や香りと共に心に刷り込まれます。産地で美味しい体験をすると次に そのブランド名を見たり聞いたりした時 あのおいしくて感動したという記憶や その土地の風景がリアルによみがえってきます。美味しいイメージが思い浮かべば 購買意欲も喚起されるはずです。産地で生産者と交流すれば、作り手と買い手の心理的距離が近くなりブランドとの感情的なつながりが生まれます。消費者は体験によってブランドを認識し理解するのです。

そのようにして産地・農園に消費者を呼び込み、五感を通して農作物を味わい感じてもらうことがリピーターにつながり農作物のブランド化につながっていきます。
 
産地・農園に消費者を呼び込もう!


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com

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