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名刺なき、我がペラッペラなキャリアが時々たまらなく恥ずかしくなってしまう

先日、企業向けのある勉強会に参加した。自社メディアの発信に関する内容で、参加費無料。とはいえ法人限定だったので上司の了解を得て申し込んだ。

開催日前週に来たリマインドメールを確認したら、持ち物の欄に「名刺」と書いてあるじゃない。困った。何しろ私は名刺を持たざる者なのだ。だってバイトだもん。

振り返ってみるとまともに名刺を持つようになったのは、30代でフリーランスのスタイリストになってからのことだった。

名前とSNSアカウントを書いて、顔写真をドーンと入れただけ。それでも自分がやっと何者かになれたようで嬉しくて、会う人会う人に配りまくった。名刺から仕事に繋がったことも少なからずあり、こんな古のツールでもちゃんと意味があるんだなぁ、と感心したものである。

そもそもフリーランス時代を除けばキャリアの7割を契約社員やバイトで過ごしている。そしてすべてが事務やバックオフィス業務なので、社外の人に会うことはほぼないに等しい。ならば名刺も不要だろう。

とはいえ、こうして社外のイベントに参加したり、ライターとしてインタビューに伺ったりすると、相手方から当たり前のように名刺が差し出されることがある。

「ごめんなさい、名刺がないもので…。」と曖昧に答えているけれど、内心どう思われているだろうとドキドキする。時には「もしかして社外の方ですか?」なんてマジレスされ、上手い返しが思いつかず口ごもってしまったこともあった。

名刺を持つ(持たせる)ことの意味は「こいつはウチんとこのモンでしてな、ひとつよろしく頼んまっせ!」という、会社からのお墨付きを受けている証拠になることだろう。

フリーランスになり自分の名刺を持てて嬉しかった一方で、あくまでそれは自作&自認にすぎない。会社という組織の看板を背負って立つからこそ、安心感や信用に繋がることは大いにある。小さな会社のロゴマークひとつ、役職ひとつで相手の反応が変わることなんてザラだ。

そう考えると私のキャリアは取るに足らない、実に薄っぺらいもんやなぁ、と感じてしまう。いい歳してちょっと恥ずかしいんじゃないか、なんて。

ま、それはそれで自由で責任のない、都合のいい立場なんですけどね。こうして欲しい時だけ会社の看板を借りて好きな勉強会に参加することもでき、個人事業や副業もできる。時間にゆとりもできて体調も良い。

良く言えば複業フリーランス、見方を変えればフリーター。どんな働き方だってメリットデメリットはあり、何を得て何を手放すかを自分で選択していくしかない。

結局、勉強会には会社説明資料を持っていったけれど「お名前が確認したかっただけなので大丈夫ですよ〜!」と軽く流され、一安心した。

薄っぺらくても、名刺がなくても、悪いことばかりじゃない。立派な肩書きを持つ人と比べてたまに自分を卑下してしまいたくなるけど、今の働き方が気に入っている。憧れは憧れのままでいいのだ。

事務やバックオフィスだって、目立たないけどなかったら困る部署だもの、そう悲観しなくたっていいでしょう。ま、それでもたまに気落ちしたりするんですが(笑)。

それでは、また!

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