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幸せの見つけ方

自分はどうあると幸せか?

私は、「子ども達が幸せに生きる力を身に付けることを支援する」活動をしています。伝えていることの根幹は、自らをありたい姿へ導くセルフリーダーシップです。
具体的には、
①「自分はどうあると幸せか」をよく考えて、自分のありたい姿を描く 
②今の自分はどんな状態かを理解する 
③今の自分からありたい自分になるためには、何が必要かを考える 
④必要なことを丁寧に確実に実践する 
⑤幸せは、ありたい自分になった後のことではない。ありたい自分に向かって成長する毎日が幸せな生活。途中でありたい自分が変わってもOK 
ということです。
この中で「自分はどうあると幸せか?」が分からないという声をよく聞きます。確かに、まだ人生経験の少ない子ども達にとっては難しいことだと思います。
私は、大人がびっくりするような壮大な夢でなくてもよいと思います。子どもには、その時点でのその子なりの喜びがあり、それを日々感じられればいいと考えます。日々喜びを感じていることが大切で、そのような子ども達は、多くの経験を通して視野を広げていくことができるはずです。
今日は、私が「ありたい自分」を見つけることができた経緯を紹介させていただきます。

「今日の症例」

私は、「優秀な医者になって、人の役に立ちたい」という思いで医学部受験を決めました。誰よりも「医師になりたい」という思いは強かったと思います。今でもそのおかげで医学部に合格できたと思っています。
ただ、「人の役に立ちたい」の前にある、「優秀な医者になって」が強かったと思います。優秀な医者になるためだから、医学部での勉強も研修医時代の当直も好きでした。
「優秀な医者になるために」、研修医になってから「今日の症例」を記録するようになりました。その日に担当した症例の中で勉強になった症例を記録していき、自分の知識や技術につなげたいという思いからです。その結果、「今日の症例」を選ぶために、毎晩その日に担当した症例を振り返る習慣がつきました。
医師になったばかりの頃は、新しい知識や技術を身に付けることに精一杯で、毎晩「今日の症例」の記録にいそしんでいました。ただ、ある程度経験を積んで余裕が出てくると、1日を振り返る時に「今日の症例」より気になることができてきました。「今日の嬉しかった症例」です。

喜んでもらえることが一番嬉しい

毎日、大なり小なり嬉しかったことがあります。夜寝る前に嬉しかったことを思い出すと、翌日への活力が出ますし、気持ちよく寝られます。それ以来、「今日の症例」だけでなく、「今日の嬉しかった症例」を確認する習慣がつきました。
毎日「今日の嬉しかった症例」を確認し続けると、「自分は何を嬉しいと感じるのか」、「自分にとって大切なことは何か」が分かるようます。私にとって一番嬉しいことは「患者さんに喜んでもらえること」でした。
それらの症例は「医学的には」決して特別な症例ではありません。誰も思いつかないような病名の診断をした症例でもありませんし、特別上手な処置をして治した症例でもありません。でも、何かいい気遣いができたのか、ちょうど患者さんが聞きたかったことを話せたのか、何かの理由で「喜んでもらえた患者さん」がいます。
嬉しかった症例は、患者さんの診察だけではありません。後輩の医師をサポートして喜んでもらえたことや、看護師さんから依頼された仕事を他の医師より手早くやって感謝されたことなどです。
毎日、自分が嬉しかったことを確認することで、自分は「人に喜ばれることが嬉しい」と確信しました。そして、私は今、「人と社会に喜ばれることをして生きる」というありたい姿を目指して、日々生活しています。

毎日、嬉しかったことや楽しかったことを振り返る

「自分はどうあると幸せか」を知るために、毎日、嬉しかったことや楽しかったことを振り返ることをお勧めします。今日勉強したことを復習するのと同じです。嬉しい、楽しいという感情はなんとなく過ぎてしまうものですが、日々振り返ることで、できればそれを記録することで、自分にとって本当に大切なことは何かを知ることができると思います。
嬉しかったことや楽しかったことを振り返る時に大切にしてほしいことがあります。「他の人になんて思われるだろう?」、「普通の人はこんなこと楽しいかな?」といった、他人や「普通」の価値観を気にしないでほしいと思います。もちろん、誰かを傷付けたり、足を引っ張ることはいけません。でも、誰かに迷惑をかけることがないのであれば、他の人と違っていても、自分が嬉しい楽しいと感じることを大切にして、自分自身がそれを認めてあげてほしいと思います。

みんな自由

私は、幸せに生きることは、有名な大学に入ることでも、ステータスがあると言われる職業につくことでも、お金持ちになることでも、結婚して多くの子どもに恵まれることでもないと考えています。その人自身が、自由な価値観で感じる「こうありたい」という姿でいられること、それを目指していることが幸せだと考えています。そして、ありたい姿はいつでも変えることができます。私は医師になったばかりの頃、まさか将来、こんなに科学的根拠のない、自分の体験話を書いていると想像できませんでした。そして、今、とても幸せです。
いつも自由でいられること。これも幸せを見つけるコツかもしれません。





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