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中国コロナ再び市場揺らす 香港株5日続落、商品も売り~世界経済の懸念要因~【日経新聞をより深く】

1.中国コロナ再び市場揺らす

中国での新型コロナウイルス感染拡大が再び市場を揺らしている。本土での感染者数が約2万8000人と過去最多に迫り、部分的な都市封鎖(ロックダウン)など感染対策が広がる。規制緩和期待で値上がりしていた中国旅行株のほか、テスラなど中国関連銘柄の株価が下落。2023年以降の世界経済のけん引役としての期待が高まっていただけに、市場は冷や水を浴びせられた格好だ。

22日の中国株式市場では、香港ハンセン指数が5営業日連続で下落した。旅行予約サイト大手の携程集団(トリップドットコム)の下落率が一時前日比4%超、中国国際航空は同1.7%安となる場面があった。

新型コロナの感染急増が投資家心理を悪化させており、中国本土の21日の新規感染者数は2万7899人(入国者除く、無症状含む)だった。上海市と吉林省長春市が全面的な都市封鎖中だった4月13日に記録した過去最多(2万9317人)に迫る。北京や広州など主要都市の一部で外出自粛や飲食店の営業停止などの措置が実施されている。

11月に入り、新型コロナの感染対策の緩和による中国経済の回復期待が先行していた。中国当局は11日に入国者らの隔離期間の短縮を発表し、市場では「(2023年1月下旬の)旧正月前にも感染対策の追加緩和が期待できる」(国内証券)との楽観論も浮上。香港ハンセン指数は15日までの3日間で1割強上昇していた。QUICK・ファクトセットがまとめたアナリスト予想でも、中国の実質国内総生産(GDP)の前年比成長率予想は11月ごろから上方修正が目立っていた。

(出典:日経新聞2022年11月23日

中国で再びコロナ感染拡大からロックダウンが広がっています。フィナンシャルタイムズの報道も併せて読んでみてください。

中国のロックダウンの現実を知るには以下のフィナンシャルタイムズの記事をご一読ください。

2.中国が行うロックダウンは何をもたらすのか

(出典:TRADING ECONOMICS/中国GDP成長率

上記は中国のGDP成長率ですが、2020年の武漢でのパンデミック発生後、また2022年3月下旬から5月末までのロックダウンの時期はGDPがマイナス圏に沈んでいます。今回も、範囲が広いため、同様にGDPマイナス圏の可能性もあるでしょう。

今回の幅広いパンデミックが懸念される前は、回復傾向にあると思われていた中国経済です。しかし、実はそれほど力強くなかった可能性があります。

11月7日に発表された10月の貿易統計によると、輸出は前年比0.3%減少、輸入は同0.7%と減少しています。

輸出入が同時に減少したのは、2020年5月以来です。世界各国のインフレと金利上昇を受けて外需が低迷したことに加え、やはりゼロコロナ政策での生産、消費の低迷が影響しています。

また、中国の輸出の低迷は「元安」が起きているにも関わらず、不振です。これは、世界経済全般が景気悪化していることが影響しているといえるでしょう。

(出典:TRADING ECONOMICS/ドル-人民元為替

回復していくと思われていた中国経済は実はそれほど強くなかったことに加え、不動産バブルの崩壊に直面している中国経済は、世界経済の悪化とあいまって、さらに下降していく可能性が大です。

景気刺激策として、世界が金利を上げる中、金利の引き下げる、又は不動産部門を救うための救済策の実施などを行っていくと思われますが、それで果たして支えられるかどうか、です。

3.インド、インドネシアが勃興する

OECDが経済見通しを発表しました。そのGDP部門を見てみます。

Tighter monetary policy and higher real interest rates, persistently high energy prices, weak real household income growth and declining confidence are all expected to sap growth. The United States and Europe are slowing sharply and the major Asian emerging-market economies are expected to account for close to three-quarters of global GDP growth in 2023.
金融引き締めと実質金利の上昇、エネルギー価格の高止まり、実質家計所得の伸び悩み、信頼感の低下などが、成長を阻害することが予想されます。米国と欧州は急激に減速し、アジアの主要新興国経済が2023年の世界GDP成長率の4分の3近くを占めると予想される。

(出典:OECD Economic Outlook, November 2022
(出典:OECD Economic Outlook, November 2022
(出典:OECD Economic Outlook, November 2022

世界各国GDPの予測ですが、この中で人口規模が大きく、中国を上回る経済成長が予測されるのがインドとインドネシアです。

インドは2023年には中国と入れ替わり世界で最も人口の多い国となります。インドネシアも人口はまだ増加しています。それに対して、中国は人口が減少を始めます。

バリでのG20でも影響力を見せたのが両国です。インドは経済でも、世界のパワーバランスでも重要な国となりそうです。また、インドネシアは経済発展で注目を集めていくでしょう。

2023年、米国、欧州、中国はそろってかなりの景気悪化となるでしょう。日本も巻き込まれる可能性が高い。それに対して、インド、インドネシアは経済成長していくと予測されます。また、中東のサウジアラビアも力強さがあります。

欧米日と中国だけが世界の経済ではないということが、2023年以降、はっきりと見えてくるかもしれません。

未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】


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