見出し画像

【日経新聞から学ぶ】インド首相、中ロ首脳と会談か~インドは世界のカギとなるか~

1.インド首相、中ロ首脳と会談か

インド首相、中ロ首脳と会談か

インド外務省は11日、ウズベキスタンで15、16両日に開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に、モディ首相が出席すると発表した。同会議はロシアと中国が主導。出席が見込まれる習近平国家主席やプーチン大統領と対面会談が行われる可能性がある。インドと中国は未画定の国境問題をめぐり争っており、20人以上の死者を出した2020年の国境地帯での衝突以降、首脳会談は実現していない。ただ、インド政府は8日、係争地の一部から両軍が撤退を始めたと発表しており、首脳会議を前に緊張緩和を図ったとの見方がある。

(出典:日経新聞2022年9月12日)

世界におけるインドの重要性が今後高まっていくのではないでしょうか。人口は増加し、世界におけるGDPのランキングも上がっていきます。

ロシアのウクライナ侵攻までは、インドの重要性は注目されていたとはいえ、今後、経済的にかなりの力を持つという意味でした。しかし、ロシアのウクライナ侵攻によって、世界のパワーバランスが大きく変わり、インドの重要性が高まったように思います。

それは、ロシアとの関係です。インドは、欧米や日本がロシアへの経済制裁を強める中、ロシア産原油の調達を増やしています。つまり、ロシア経済の下支えになっているということです。

2.中国とインドがロシアの石油を爆買い


フィナンシャルタイムズが中国とインドの税関統計から手に入るデータを分析したところ、両国が2022年第2四半期にロシアから輸入した石油は、第1四半期と比べて1100万トン増えていました。ロシア産石油に対する両国の支払額は90億ドル(約1兆2800億円)増加しました。

輸入量の伸びが最も大きかったのはインドで、ロシア産石油の輸入は第1四半期の66万トンから第2四半期の842万トンに跳ね上がりました。

出典:フィナンシャルタイムズ

インドの貿易統計によると、インドはウクライナ戦争前の時期と比べても安い価格を享受しているようです。インドではロシアからの石油輸入価格は第1四半期に平均で1トン790ドルでしたが、第2四半期は同740ドルに下落しました。同じ期間、ロシア以外の原油調達先からの輸入価格は上昇しています。ロシアはインドに対して、原油価格の大幅な値引きをしているものと思われます。

それだけ、ロシアはインドとの関係を重視しており、インドも安い原油の調達ができているということです。そして、重要なのは、インドは決して西側諸国と足並みを揃えてはいないということです。しかし、中国とは違い、西側諸国と対立関係にはありません。

また、日本のように、米国追従しか立場をとっていないわけでは決してありません。独自の在り方で、世界の中で、存在感を増しているように見えます。

3.2030年にはインドはGDPでも世界第3位に


2023年に、インドの人口は中国を抜き世界1位になると予測されています。インドの人口は23年7月に約14億2900万人となり、中国を300万人上回ります。すでに2018年頃から人口ボーナス期に入っており、生産年齢人口も2048年頃までは増加が続きます。

(出典:日経新聞2022年7月29日

2030年にGDPも日本などを抜いて米国、中国に次ぐ世界3位に飛躍します。しかも軍事費はすでに世界3位の額となっています。数字の上では大国に位置する資格を持つことになります。

4.フィンテック大国インド


インドは昨年1年間だけで、100兆円以上がQRコード決済されています。日本ではほとんど報じられていませんが、この数字は昨年の日本のキャッシュレス市場全体を凌駕する規模です。インド全体のGDPが300兆円規模ですから、経済活動の1/3がスマホ決済ということになります。

2030年にはそれが1300兆円になる予想すら出てきている。14憶円の人口、そして日本の20倍存在する若手人口がこれを後押ししています。フィンテックとは人口ボーナスがモノをいう分野といえるので、今後のインドのフィンテック市場はまさに爆発的な広がりとなるでしょう。

QRコード決済が爆発的に普及した背景にはインドは国策で決済手数料を無料にしたからです。結果としてキャッシュレス市場がコロナ期間中に5倍以上に成長しました。消費者がスマホでの支払いに慣れ、今や紙幣に触れたくないという声が増え、支払を受ける側の企業も対応しないと商売にならない状況となったのです。

キャッシュレス化が進むと次は、決済データ、個人情報を適切に活用したビジネスである与信ビジネスなどが、急成長してきます。後払い(BNPL)、クレジットカード、融資ビジネスなどがオンラインで即時に与信されることで、ユーザーの利便性が飛躍的に向上します。その結果、フィンテック分野だけでユニコーン企業が22社も誕生しています。

そして、インドの電子決済プラットフォーム「UPI」を政府が技術まるごと周辺国に提供、接続し始めています。ユニコーンの何社かは、中東や東南アジアへの進出を始めました。

インドは今後、国際社会の政治的な位置づけも、世界経済の中でも、その重要性を高めていくことになると思います。

未来創造パートナー 宮野宏樹

自分が関心があることを多くの人にもシェアすることで、より広く世の中を動きを知っていただきたいと思い、執筆しております。もし、よろしければ、サポートお願いします!サポートしていただいたものは、より記事の質を上げるために使わせていただきますm(__)m