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ロシアに対する金融制裁についてFPが解説する!①SWIFTからの排除

SWIFTとは

SWIFTとは、「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略で、簡単に言えば外国との迅速な決済を可能にするための情報通信システムのことをいいます。

つまり、外国との取引をしてその決済をするときの、お金のやり取りをするためのシステムなので、これがないと外国との迅速なお金のやりとりは難しくなります。

日本の中での送金は、日本の銀行間でネットワークを組んでいますから簡単にできます。
しかし、海外の銀行とはそういうネットワークがないため、簡単には海外に送金したりすることが出来ません。
そこで、使われるのが、このSWIFTなんです。

簡単に図示すると次のようになります。
日本のAさんが、アメリカのBさんに送金するという場合を想定します。

このネットワークがSWIFTなのです。
実際に現金を輸送することなく、迅速な送金が可能になるのです。

SWIFTと金融制裁

今回のロシアのウクライナに対する戦争行為は、侵略戦争ともいうべき非難されるべき行為です。
しかし、ウクライナは西側諸国の軍事同盟であるNATOに所属していませんでしたので、西側諸国は軍事的に介入することはできませんでした。
そこで、強力な経済制裁をロシアに課すことによって、早く戦争を終結させようとしているのです。

経済制裁の一つとして、SWIFTからロシアの7銀行を排除するという金融制裁が決定されました(3月2日18:00時点)。
これにより、ロシアの銀行は国際決済から締め出されることとなり、外国との貿易が出来なくなりました。
その結果、ロシア経済を混乱させ、戦争をやめさせようというものです。

ただ、今回の決定にはロシア最大の銀行であるズベルバンクとエネルギー関連のガスプロムバンクは含まれていませんでした。
ヨーロッパのエネルギー調達がロシアに依存していることが窺われます。

ロシア中央銀行に対する制裁

西側諸国はロシア中央銀行にが米連邦準備理事会(FRB)などに預けてあるドルなどの外貨準備を凍結することを決定しました。

ロシアの経済が混乱することによって、ロシアの通貨であるルーブルが急激に低下する恐れがあるため、それを防ぐには外国に預けてある外貨を売ってルーブルを買うという為替介入をすることが考えられますが、FRBなどがその外貨準備を凍結しました。
そのため、ロシアはルーブル安を食い止めることが出来なくなります。

日本への影響

これ等の経済制裁は、早くロシアに戦争をやめさせるためのものですが、この制裁は、経済制裁をする側にも大きな影響をもたらしまします。

まず、ロシアの海外決済が中断されたことにより、ロシアの海外支払いができないこととなりますから、デフォルト(債務不履行)が発生していしまいます。

また、ロシアのエネルギーの供給が途絶えることにより、原油、天然ガスの価格が上昇し、他の諸国の経済に悪影響を及ぼす可能性があります。

これ等は、特にエネルギー資源を外国に頼っている日本の株価にはよくない影響を及ぼします。

「銃声が鳴ったら買え」

「銃声が鳴ったら買え」という格言があります。
これは、戦争が起こったときは株価が急激に下がるが、のちに回復するので、戦争が始まったらすぐに株を買え、という格言です。

確かに、ロシアのウクライナ侵攻が始まってすぐに株価は下がりました。

しかし、現在はFRBの強力な金利引き締めが起こる可能性があり、そうなれば、日本の株価にはよくない影響を及ぼします。
また、先ほどのようにエネルギー価格の上昇は、日本には不利な状況です。

これらを勘案すると、慎重な判断が必要かと思われます。

戦争反対!!

どんな理由があろうと、戦争はあってはなりません。
ましてや、他国を侵略することは許されないことです。

早く戦争が終結して、ウクライナに平和な日常が戻ることを祈ります。

おまけ

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