EP:2お母さんは私のことが嫌いなのだの証拠集め
◆もう一人のわたしが見ていた光景
私のお母さんの記憶は、
お父さんとケンカしていたことともう一つ、
私が何かお母さんの気に障ることをして、
謝るまでおしりを叩かれ続けたことです。
ごめんなさいを言うまで、永遠に叩かれ続けました。
叩かれ続けておしりが痛くて椅子に座れなくなるくらい、叩かれていました。
ごめんなさいを言おうにも、泣きすぎて嗚咽がひどく、
言葉も出ない状態。
ここでもまた私は魔法をかけるではないけれど、
その私を励ます私が居て
『次のしゃっくりみたいのが止まったら、ごめんなさいって言えるよ、頑張って!頑張って次言うんだ!』みたいに応援していて。
今思い返しても不思議な光景なのですが、見ている私がいるのです。
お母さんに捕まえられて、素のおしりを叩かれている私と、それを見て励ましている私。
私の記憶は、見ている側の私の目線。
なんだか、本当に不思議です。
◆祝!ひとつめの大きな思い込み
人間だから、お母さんだってね、好き嫌いあるはずで。
姉妹2人の私たちで、きっとお母さんは姉のほうが好きだったと思います。
育てやすかっただろうし、姉はお母さんのことが大好きだったから。
私はというと、
育児書に書かれているような育て方には対応していないタイプで、
自分のことだけどきっと大変だっただろうな~って思うのです。
EP:1でも書いたように、何を出しても食べないし、毎日おねしょするし・・・。
いつしか、お母さんは私のことは嫌いなんだな~って小さいながらに思うようになりました。
人と比べるとか、自分は愛されていないんだとか、
一体いつからそんな風に思うようになるのだろう?って
大人になってから考えるようになった時、
まさかこんな小さい頃に、すでに思っていたなんて、
人間の感情の機能のすごさを感じずにはいられませんでした。
小さいわたしが、ただ、日々を私なりに一生懸命生きていたことを、
認めてもらえない、私がわざと食べないわけではない、わざとおねしょをし続けていたわけではない、でもそれは認めてもらえない・・・。
(今日も、魔法が効かなかっただけなのに)
その想いは、いつしか本当に
『わたしはお母さんから嫌われている』の意識を創ることになるのでした。
◆鏡の前でのダブルショック
「お母さんに嫌われている」私は、どうしたら好かれるか?
どうしたら姉のように「いい子いい子💛」してもらえるか?考えていました。
そして、姉を観察するようになりました。
答えがそこにあるような気がしていたのです。
でも姉は特に喜ばれることや、なにか特別なことをしていたわけでもなく、ただの子どもでした。
本当にただ育てやすかっただけでした。
出された食事をぱくぱく食べ、お菓子も大好きで、夜7時にテレビを見て、8時には寝る。それだけでした。
でも私にはそれだけのことが出来ずに、
いつもお母さんを怒らせてイラつかせていました。
ある日、姉と二人で鏡の前に立って、自分の顔を見ていた時、
私は笑った顔(特にほうれい線のところ)が、ブサイクだなと思いました。
どう頑張っても、その線は笑うと出るのです。(当然です)
その事実にショックを受けていた横で、
姉は自分の笑った顔を見て
『〇〇〇ちゃん、かわいい💛』って
ルンルンになっていたのです。
私は余計にショックを受けました。
このほうれい線が出る顔をかわいいってどういうこと?って思いました。
そして、
そうか、姉はかわいいから好かれるのか。一方で私はかわいくないから嫌われているのか。
なんてことも思うようになりました。
◆脳の証拠集め機能RASのおかげで
脳には、自分が重要だと思うことを自動で集めてくれる機能(RAS)があります。
わたしの潜在意識に
「私はお母さんから嫌われている」という思い込みが出来てから、
RASは私がそう思っていることの証拠を日々の中に集めるようになりました。
この鏡の前での話も、証拠の1つとして集められました。
姉はかわいいからで、わたしはブサイクだからだ、です。
まだ小さいわたしの脳は若く、パフォーマンスもよく、
お母さんがいなくなるまでの短い年月の間に、
私の脳は可能な限りその証拠を集めてくれました。
お母さんをイラつかせるたび、怒らせるたび、証拠として保管し、
どんどん私の中の確信へと変わっていくのでした。
◆出せるカードが尽きた時
そのままのわたしで好かれることはないと知った小さなわたしは、
お母さんのためになにか特別に行動したら、好かれるのでは?と思うようになりました。
お母さんが起きる前に、あさごはんを作ってあげよう!と、
やったこともないトーストを、記憶をたどりながら、作ることにしました。
出来上がって、提供したときの私のイメージでは、
『ママ~?おはよう!あさごはんのパンあるよ~?〇〇が作ったんだよ!ママのために作ったんだよ!』
『え~、ほんとう?嬉しいな~💛〇〇ちゃんありがとうね(ギュ💛って抱きしめてくれる)』ていう感じでした。
でも実際は・・・(RASさん本当にありがとう)
パンは丸焦げ、炭の様になり、
部屋の中には煙が充満しお母さんを優しく起こすどころか、
激怒させることになりました。
またしても、やっぱり私は嫌われている・・・証拠を集めることになりました。
小さなわたしは、そのままでもダメ、笑ってもダメ、役に立とうとしてもダメ・・・
とにかく好きになってもらうための手だてはもうないと悟るのでした。
EP:3へつづく
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