見出し画像

「超逆歳の差カップルのリセットライフ」リアルストーリー~回想20~💙別れの予感

2023年7月

ケンが退職するまでの1か月間・・・

日に日に、お互いの会話も少なくなり
ケンから話しかけられても
前のような笑顔で素直に話せなくなりました。

そんな、自信喪失しきった
大人げない自分が

大嫌いになってしまい
心身共に疲れ果てました。

他人を恨み続けたり
ネガティブな先入観を持つと
自分と相手を不幸にする

そして
そこから得るものは
全くもって何も無いからでした。

だから・・・やはり
ケンと距離を置きたいと
その気持ちで毎日、過ごしていました。




2023年7月末 (回想19からの続き)

~ケンが退職した日~

私は、ケンを何とか説得をして
北海道行きのチケットを取ってもらった。

「ケン、お疲れさま・・・
仕事を辞めるよう
プレッシャーを感じさせてしまってごめんね。」

「いいんだよ。正直、本当にきつかったんだ。
 それに、次の資格を取るために必要な
経験値記録には、あの会社だと到達しなかったしからな」

「そう・・・少しは気分が晴れたかな?」

「ああ、早かれ遅かれ辞めていたよ。
ミライが理解してくれて気持ちが楽になった」

ケンは私を失望させたくないために
毎日10時間以上の労働を
無理をして続けていたことを再認識した。

「そう・・
あとは地元に戻って家族や友人と過ごせば
今までの私との生活を
客観視してみれると思う。

そしたら自分が、これからの人生で
本当に何をしたいかわかるよ・・」

私は胸が締め付けられるほど
辛く悲しかったが
ケンと別れを予感しながら伝えた

「・・・・・・・・・」

ケンの目は涙でうるんでいた
そして、私の本心を確かめるかのように
真剣な眼差して見つめ言った

「すべては俺が悪いのは分かっている
でも、ミライは俺と離ればなれになっても大丈夫なのか?
そんなに簡単に別れられるのか?」

私は何も即答できなかった
「・・・・・・・・・・・・・・・」

本心言うならば・・
別れたくないと思っていた。

でもそんな自分勝手な事は言えなかった・・・

29歳も年下のケンに
私との生活は負担が重すぎるから
もう解放してあげなくては・・・

ここまで向き合ってくれて・・・
ありがとう・・・

本当は明るく笑顔で伝えなければ
いけなかったが・・・

ただ、ただ・・・
うつむき涙がポロポロと止まらなかった

ケンは私を強く抱きしめてくれ言った

「ミライのことを、こんなに大切なのに
傷つけしまったことを、本当に後悔している
ごめんな・・・」

そして二人で涙した・・・・


2023年8月

~北海道へ旅立つ日~


夏本番の晴天
エメラルドグリーンのキラキラ光る海は
多くの観光客を幸せに包んでいる

那覇空港も往来で、ごった返していたので
私は出発ロビー前の停車場までケンを送った

「ケン・・・
私の為にここまで真剣に向き合ってくれ
ありがとう・・・

大好きな北海道で心身ともに休んで
現実に戻ってほしい」

ケンの悲しげな瞳は
まるで2年前に千歳空港で
別れた時と同じように
喪失感で曇っていた。

「うん、わかったよ
ミライ・・・無理するなよ」


もうこれで・・・
彼と会うのも最後かもと思うと

呼吸が早くなり…
胸が張り裂けそうなぐらい
苦しくなってしまった。

それでも何とか涙をこらえながら
ケンの顔を見上げた

「うん、ありがとう・・・
元気でね・・・」


蒼白になり疲れ切っている
ケンの姿には…
生気のかけらもなかったが
最後に手を振ってくれた

ケン・・・さよなら・・・


ちょうどケンが沖縄に来てから1年が過ぎていた・・

去年の今頃は

こんな悲劇が自分に襲ってくるとは
想像もしていなかった・・・

いやいや・・
友達いわく
普通の50代なら、想定していたはずなのかも?

惨めな自分に腹立たしさと
ケンを失ってしまった虚しさが
一気に襲ってきた。

バカな私・・・
だが自分で選択した道・・・
誰のせいでもない・・・

そう自分に言い聞かせた




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?