どっぺるげんがー
僕が似ていると言われる有名人です(本文とはそんなに関係ありません)
Wikipediaさん、いつもありがとう。相変わらずの長い前置き、りらごです
(今回は、不快になるかもしれない表現がされているかもしれませんが、敢えてストレートな言葉を使わせて頂きます)
ふと思い出したんですよ。アタシの知ってる人に似てるって言われたのを。まぁ、たぶん嘘なんだろうけど…
一人目はジーンズの販売してた頃、上の階にいた下着売り場のお姉さん
当時、百貨店に勤務してて食堂に行くわけです。規模の小さい田舎のお店なので従業員、ましてや若い男性(当時19歳)も少なかったので、いろんな方から的にされてました。
その方もその一人で、喫煙スペースにいるだけで話すようになり、食事に誘われました。
他愛のない会話でしたがふと、こんな話題を切り出してきた
「アンタ、似てるんだよね」
何でだったかな?彼氏彼女がいるいないの話からだと思う…確か。
誰に似てるんですか?
そう言うとお姉さんは少し間を置いて
「アタシが好きだった人」
うん、だろうね。僕は興味本意で切り返す
だったってことは、片想い?
「そんな感じかなぁ…」
今も好きなんですか?
「…どうかな。もうわかんないよね」
「だって死んじゃったんだから」
聞けば風邪で体調崩してんのにバイクに乗って雨の中、仕事かなんかに向かっていた時だそうで。
特に何を感じたとかはないけど、まだ19の若造は反射的にこう答えたのだけは覚えてる。
そう…なんですね。まぁ僕はその人にはなれないですからねっ!
そっからも、お話ししたりはしましたけど、今はどうされてるのかもわからないです。きっと幸せに暮らしているのでしょう。
そこから月日は流れ、お芝居始めた頃に昔っから通っていた古着屋さんで一人の女の子と出会う
常連さん同士が仲良くなるお店だったので、何気ない会話から繋がった子ではありましたが、ある日その子の家で飲もうよとなって、三人ほどで飲むことに。
他愛のない会話をしてた記憶しかないですが、女の子がひとり眠りに落ちた頃、その子がふと切り出した。
「アンタ、似てるんだよね」
瞬間的に、お姉さんとの会話がフラッシュバックする。
ん?誰に似てるの?
缶チューハイを飲み干して、女の子の顔を見つめる
「アタシの好きだった人」
僕は、冗談半分に聞き返した。
その人って死んじゃってたりしないよね?
「なんで知ってんの?」
あなたの過去なんて知らんよ。たまたま答えたら当たっただけ…とは言いませんでしたけどね。
その方は病気で他界されたそうで、彼女はずーっとそれを引きずっていた
じゃあ…あれだ!代わりに僕が言いに来たんやわ。前を向け!って
無責任極まりない返しをしたのだけは覚えている。
今、彼女はどうしてるか知らないけど、きっとどこかで幸せに暮らしているのでしょう。
さらに時は流れ、僕はひょんなキッカケで映画に出演することになり、始発に乗り二時間かけてロケ現場へ向かう。
クランクイン当日、相手役のお顔は知ってはいたものの緊張ぎみに電車を降りると、前を行く女性がひとり。
どこで追い抜いたのか、監督さんと話していると
「おはよーございますっ!」
僕は思わず耳を疑う。
僕は、その声を聞いたことがあったから…
振り返るとそこには、見覚えの無い、とても可愛らしい女性が立っていた
うん…そんなはず…無いよね。
あの子はもう、居ないんだから…
二人で朝ごはんを買いにコンビニへ。初対面ということもあって、なにかコミュニケーション取ろうと、僕はマーガリンを手にとって
これ、いらない?
要るわけ無いものを渡すと言う秀逸なボケのはずだったのに、彼女は驚いた表情でただ、僕の顔を見つめて黙っていた。
まぁ、面白くないボケだったしなぁと、あまり気にせず買い物を済ませロケを済ませた。
帰りの電車、二人とも眠りに落ち、互いにもたれ合いながら終点でおばちゃんに起こされる。
僕はヨダレを拭き、彼女を起こして、バイバ…
「のど渇いたからお茶しよっ?」
断る理由なんか無かった。もう少しだけ…
彼女の声が聞きたかったから…
彼女は、いろんな写真を見せながら楽しそうに話をする
僕は黙って、彼女の声に耳を傾ける
「あのさぁ、朝からずっと思ってたんだけど…」
少しだけ、彼女の声のトーンが変わった。
その先はもう、聞かなくてもわかっていた。
「アンタ、似て…」
知ってるよ?好きだった人は、いなくなっちゃったんだよね?
うん。知ってるよ?
だからあなたは、会いに来てくれたんだよね?
女性は、嘘が上手いのかな?僕は三人の女性から、嘘をつかれたのかも知れません。
でも、僕は今でも疑ったりはしていませんよ?
僕を、必要としてくれて…
だって
僕自身が、ドッペルゲンガーなのかもしれないから
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