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大好きなホストマザーの話。

あと数日で帰国が近づき、毎日
「あー!最後の月曜日ー!!!」
「最後のビーチ…!!!」
などと、感傷に浸りまくってるけど笑
今日は、ホームステイ先のことを書きたいなー、と思う。


ステイ先が決まってから。

日本の留学代行のお姉さんから
ステイ先が決まったんですが…
学校から遠くて…大丈夫ですか?
近いところに変えてもらえないか、頼んでいるところです

と言われた。

調べたら、学校まで徒歩1時間…!!!笑
歩いて行くのは不可能、毎日バス通学。

まぁ、でもよく考えたら、セビージャのステイ先から毎日片道30分歩いてたし、バルセロナでもバスを使って通ってたから、なんとかなるかなー、と思い始めた。

お姉さんには
学校までの距離よりも、ホストファミリーが良い人だったら問題ないです
って伝えた。

以前のステイ先では、ダブルブッキングで2人部屋になったり、わたしのTシャツの袖を切ってタンクトップ仕様で勝手に着られてたり…笑
今となっては笑い話だけど、想像外の出来事が多くて、穏やかに過ごせなかったことも話した。

それを聞いたお姉さん。
「そこまでのステイ先初めて聞きましたー!!!
しかもTシャツ切って着てるとかヤバすぎますねー!!!笑」
と、いっしょに大爆笑。

その後、学校からステイ先の追加情報が入り、他の学生にとても評判の良いファミリー、ということも分かったので
それなら大丈夫です、と快諾した。


サンセバスチャン出身の先生に住所を伝えたら
「その住所聞いたことないなー。
何階?え?部屋番号ないの??
サンセバスチャンの一軒家なんて、超金持ちだよ」
と言われ、急に不安を感じはじめる…


ママとの出会い。

前日から、何度もバス停と地図を見返し、イメトレ。
日本でもバスの乗り方に地域差があって難しいのに、海外はよりハードル高め。
バスは、あまり得意ではない乗り物の1つ。

バスの運転手さんに助けてもらい、無事にバス停に着いて家を探していると。
わたしの名前を呼ぶ声がして、ママが出迎えてくれた。
そして、わたしをぎゅーっとハグしてくれた。その瞬間に、抱えていた不安がパッと消えて
あぁ、ステキな人だ、もう心配ない。
って確信した。
ハグは、たくさんの感情が伝わる、ステキな行為だな、って改めて思った。


そこから、ひろーいお家を案内してくれた。
ひろーいお庭のお花たちも、ひとつひとつ、丁寧に紹介してくれた。
ママのお花たちへの愛情を感じて、きっと素敵な人だろうな、って分かった。


手間をかけて作られた、おいしいご飯たち。

ママのご飯は、いつもおいしい。
しかも、とても丁寧に作られてる。
サラダを作るときは、トマトやタマゴ、オリーブ、ニンジンなど、8種類くらいの野菜や具を使う。
スープを作るときは、それ以上にたくさんの具材を使う。
時間もたくさんかけて、作っている。
ママは
美味しいものは時間をかけるのよ
と言っていた。
時間をかけなければおいしいご飯が作れない、という意味ではなく。
丁寧に作れば作るほど、おいしくなる、という意味。

肉、魚、野菜、豆。
同じ食材が続かないように、毎日、日替わりでメニューを考えてくれている。


少しでもママのご飯を覚えておきたい、と思って、メモがわりにツイートすることにした。
どうやって作ったか、何が入っているかも教えてもらった。
おかげで、動物のボキャブラリーの授業では、魚だけ完ぺきに答えられた笑
(ママに言ったら、かわいそうに、と言われた笑笑)

おいしく食べるコツも、たくさん教えてもらった。
たとえば、ムール貝は手で持って、スープまでキレイに食べること。
サラダや、お肉のソースなどは、パンに浸して食べるとおいしいし、お皿を洗うときに少し楽になること。
パテやチーズにナイフを使うとき、パンで拭くこと。
硬いパンは、鳥たちのご飯にすること笑
しまいには、おいしいものを口に入れたときの反応や声までママと同じになってしまった笑笑


ていねいな暮らし。

地元の人たちに住所を伝えると、高級住宅街だ、と言われることが多い。
確かに、周りには一軒家ばかり。
ママの家は、3階建て。
おふろ3つ、車6台入るガレージ(シャワー、トイレ付き)。とにかくデカイ。

家賃が高いことで有名なサンセバスチャン。
マンションは、ワンルームでも月800€以上
この広さの家は、相当の金持ちだ、という、もっぱらのウワサ。

でも、ママの生活は、いたってシンプル。
生活に使うお金も、とても少ないように感じる。
高価な食材を買うわけでもなく、服飾品にお金をかけている様子もない。

彼女のクローゼットは、季節ごとに分かれていて、それほど多くない数の服が並んでいる。
そして、すべて状態が良く、丁寧に管理し、愛着を持って着ているのがよく分かる。
カオスな私のクローゼットとは大違い。


家が大好き、と言うママ。
毎日のリズムはだいたい決まっている。

朝起きて、瞑想、ストレッチ。
朝ごはんの前に、庭のレモンを使ったレモン水を飲む。
そのあと、ココアかコーヒーを日替わりに飲み、トーストやフルーツを食べる。
家事をこなし、昼、夕飯を作る。
また少し家事をしたら、映画を見ながら少し横になる。
19:30ごろから、庭のお花たちに水をあげ、1時間ほど英語の勉強をする。
夕飯を食べたら、寝るまでに数独、本を読みながら眠りにつく。

日々、少し違いはあれど、だいたいルーティン。
わたしは、穏やかにいるのが好き、という彼女。
日々の時間の使い方も、とても豊か。


たくさんの生きるヒントを教えてくれる。

ある日。ママと夕ごはんを食べながら、ママの仕事は丁寧で尊敬する、って話をしたら
わたしは何に対しても尊敬するわ。
孫たちにだってそうよ。お花にだってそう。

って言ってた。

別な日には、私は今、気持ちに余裕があるから人に優しくできるのかもしれない、って言ったら
世界には、善と悪があるでしょ?
私たちの心の中にも善と悪がある。
何か問題があったとき、まずは自分の心のバランスを見るのよ。

と教えてくれた。


昨日は、ママには教養や経験がある、って言った。そしたら
経験は学問の母、っていう言葉があるのよ?」
と言われた。
はじめは、学問、という意味が分からなかったけど。
経験から知恵が得られる、学問から経験が得られる、って意味?って聞いたら、そういうことよ!って。

それが分かったとき、ハッ!と強い衝撃を受けて、泣いてしまった。
そっか、わたしは知恵を得るためにサンセバスチャンという土地で新たな経験をしに来たんだ
ママと私がこの話をすることも、すべて決まっていたんだ
そう確信して、感動した。
経験から知識を増やしたい、という感覚は、わたしの中にずっとあるから。

日本語でも、誰とでもこの話ができるわけじゃない。
興味のない人とは、話し始めることもない。
私とママは、感覚が似てるね、って話して、この出会いは必然だったんだ、ってわかった。

もっと、こんな話をスペイン語で話せるようになりたい。
ママのおかげで、新しい目標ができた。


ママのようになりたい。

わたしが授業についていけずに、へこんで帰った時も、テストが心配で不安になっている時も。
いつだって彼女は、笑顔で、大丈夫だよ、って言ってくれた。

わたしがネガティブなことを言っても、彼女はポジティブな言葉に変換してくれた。
お花の香りや、美味しいごはん、音楽、身の回りのすべてのことに幸せを感じられる人。

たくさんの教養を持ち
ガンジー、ダライラマ、孔子、ソクラテス、マザーテレサ。みんな私の友だち。みんなが私を助けてくれるの。
と教えてくれるママ。

彼女のようになれるのはなかなか難しいけど。
日々の幸せを感じて、過ごしていきたいな。

またステキな思い出と経験が増えた。
ありがとう、インマさん。


読んでくださり、本当にありがとうございます^ ^