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Matsudo × Denmark〜北欧の音楽家から学ぶ幸せのカタチ〜 Day2

【幸せな国に住んでいても 子育てはジレンマの連続だ】

フォルケホイスコーレの朝は朝礼から始まります。食堂や講堂に在籍している生徒たちが集まり、歌を歌ったり、先生がプレゼンテーションをしたり生徒から発案があったりと小さなテーマを話し合います。

まつどホイスコーレの朝も、全員での合唱、そしてカメラマンとして帯同していたフレミングさんの人生談から始まりました。


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自分の子供を育てる中で、公立の学校に通わせるか私立の学校に通わせるかなど様々なジレンマにぶつかったと語る彼。

公立学校の教育費の無償化など制度が充実しているデンマークであっても子育ての悩みが尽きないところは親として万国共通です。

参加者からの質問も絶えない中、デンマーク人ならではの意見も聞くことができました。

【音楽を通しての自己表現 新たな自分との出会い】

2日目中盤は、リズムをとりながら改めて自己紹介をしたり

1日目に製作した手作り楽器を使ってバンドとセッションを行なったり

デンマークのフォークダンスを踊ったり

全身でどっぷり音楽に浸りながら過ごす贅沢な時間でした。

ほとんどが初めて顔を合わす参加者です。初めは少し恥じらいながらも、だんだんと高まっていく場の雰囲気に次第に緊張がほぐれていきました。

年齢を問わず、無邪気に踊る一場面では「これこそフォルケホイスコーレのもつ力」だと思わずにはいられない空気を感じることができました。

初めて飛び込む場で、知らない人たちと心を通わせながら歌ったり踊ったり奏でたり。そんな体験をした後の昼食では参加者同士の話も尽きません。

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本場のフォルケホイスコーレでも、生徒同士が集い食事をとります。

食事中に生まれる会話にも学びのタネがたくさん撒かれているのです。


【幸せとはなんなのか なぜ?本当に?デンマークは幸せな国なのか】

2日目の終盤では、参加者同士でこの会の主題を軸にとことん対話を行いました。

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なぜまつどフォルケホイスコーレに参加しようと思ったのか

から始まり、話題はどんどん膨らんでいきます。

なぜデンマーク人は幸せを感じ取ることができるのか

バンドメンバーのクリスティーナさんは言いました。

その問いに対する(彼女なりの)答えの一つは自分が何を大切にしたいのか、自分を一番に考え行動することができるからだ、と。日本人はどちらかというと他者のことを考える場面も多いのではないか、とも。

彼女の話はここで終わりません。デンマーク流の考え方も行きすぎると危険だとも言います。近年デンマークでは、自分を一番に考えるあまり他人のことが考えられない若者も増えているのだと言います。それではただの自己中心思考が蔓延してしまいます。

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フォルケホイスコーレに行けば幸せになれるのか?自分にとっての幸せってなんだろうか?

これらの問いにもちろん正解はありません。しかし、投げかけられた問いに対して自分で考え、発信し、他者の意見を織り交ぜながら考えを振り返る作業を繰り返していくことで、自分の中だけでは言葉にならなかった「何か」がだんだん形作られていきます。

この学びは点数に表すことはできません。

自分の中に漠然と存在している「何か」に気づき突き詰めていくことこそ、この場の学びの本質ではないかと思います。

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このレポートを書いている私自身、フォルケホイスコーレに留学していて感じることがありました。

デンマークの若者に、このような漠然とした問いかけを投げかけた時、今回来日してくれたメンバーと同様にしっかりと「自分の意見」を述べてくれることがとても多かったです。

ただの体験だけでは終わらない。しかし音楽を通して自分を感じ他者と心を通わせた時間があったからこその時間でした。

この対話は2日間の学びを自分の中に落とし込む大切な時間でもありました。

【感じた課題とこれから】

日本の教育やデンマークについてそして"幸せ"について

イベントを通して感じたことは十人十色、様々です。

そしてもちろんたった2日間で全てを理解することは不可能です。

ですが、実際に音楽を通して人生を表現して最高の笑顔を見せてくれるメンバーと触れ合った感覚は、文字だけでは得られない学びを残してくれました。

日本の桜をデンマークの土壌にそのまま持っていっても根付かないことと同じで、デンマークの教育の仕組みをそのまま日本に持ってこようと思ってもうまく馴染むはずがない。

デンマークメンバーの来日を取りまとめたIFAS山本さんの言葉です。

ではより良い日本を作り上げていくために私たちが彼らから受け取ったものをどう活かしていくのか。

私たちMi-Projectも、このイベントだけで終了ではなく、まつどの地でしっかりと課題に向き合い行動つなげていきたいと思います。