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Middle Age Crisis_2

辛さが止まらなくて、自分を慰める薬がわりにこれを書いている。心療内科に行かないとまずいかもしれない。涙が滲んでくるからいよいよまずい。

いっそ呼吸困難になるぐらいの号泣ができたら楽なのだけれど、私泣けないタチで。ふと心緩んだ時にじわっと涙が出る。決壊したら大号泣になりそうだ。泣くと怒られて育ったので、泣いてはいけないおまじないがかかっているみたいだ。それにもう大人だし、理由がないのに泣くのは難しい。それで、膿み出しができなくて朽ちていく精神を抱えて息をするのがとても辛い。

この記事はメンタルヘルスのマガジンにカテゴライズしようと思う。私、またけっこう闇落ちしてる。深い井戸を落ちて行っている感じだ。医療の力を頼らないと無理かもしれない。Middle Age crisisもそうなんだけど、色んな小さなきっかけが重なってまた鬱が再発したように思う。

前回、激務で心を壊した時に通って以来の心療内科だ。勝手に薬をやめるのはダメと、あのネズミみたいな顔をした医師に何度も言われているのに、また勝手にやめて通わなくなったのもこれで二度目なので、怒られるのは必至だが仕方ない。ごめんなさいと素直に謝って、楽になろう。

今日は庭の木を剪定をしていた両親を手伝った。落ちた木の枝を片付けただけだが、身体を動かすと心にもじわじわと血が通いだす。テレワーク3年目。朝っぱらから気づけば夕方まで息つく間もなくパソコンに向かって仕事をして、夜になってパソコンを閉じても通知の音がスマホから聞こえ、疲れ果てて無視してベッドに倒れこんで、その繰り返しの毎日で。この生活スタイルも病む原因かもしれない。

私は身体を動かす接客の仕事がやっぱり向いているのでは?というか、今の仕事も向いていると自分では思っているけど(しんどいけど)、接客の仕事がしたい。今が辛いからそう思うのかもしれないけれど。

そして最近はとくに孤独が辛い。私という人間の有様を見ていてくれる、知っていてくれるパートナーが欲しい。自分の幸福を他者に委ねない。これまで、そうしてきてしまったことは反省している。私はめちゃくちゃ尽くすタイプなので、寄り添ってもらうことだけを求めているわけではなく、私も相手に寄り添うことは大前提です。

自分の安定や幸福を他人に預けない、自立する。これは私の課題なのだが、人生を一緒にやっていくパートナーを希望することは、依存というだろうか。わからない。一人でも満ち足りた人生を、二人でやっていくと幸せ倍増、不幸せは半分こ。これが理想なんだけど。

私は夢の中でもいつも一人で、私はとても一人で、最近は孤独に耐えられなくなってきている。そして、遠くない未来、老後の私はもっと孤独なのだろうかと思うと不安で眠れない。今私がひとりぼっちなのは、自分のこれまでの生き方の結果だと思うとさらに悲しい。人が煩わしくて、避けてきたこともあった。切ってきた縁も数えきれない。

こんな気分のとき、父の書斎があったら慰めになったのに、と思う。このことを記事にしたことがあっただろうか、覚えていないが、父が若い頃から集めたたくさんの本を収めた本棚があった。その本棚は私と父を繋ぐ唯一のものだった。5年ほど前、私の知らないあいだに、母が決めて父も同意して、勝手に書斎のほとんどの本を燃やしてしまった。私にとって、自分の一部をもぎとられたような経験だった。

あの頃私は下町でダニーロと暮らしていて、ふと帰った実家でいつものように書斎に立ち寄り本を、と思ったら本棚がガラガラで、「健康をたもつ7つの法則」とか「人は見かけがどうのこうの」みたいなどうでもよいノウハウ本がいくつか倒れているだけだった。

終活とかいって、母が決めて父と一緒に段ボールに詰めて二束三文で売り払ったと聞いて、私は大人でもこんな大きな声で泣けるんだと、泣きながら自分でもびっくりしたぐらいに泣いた。自分の部屋に寝っ転がって、わんわん泣いた。どうして処分してしまう前に私に声をかけてくれなかったのか。私が書斎をどんなに愛していたか、誰も知らなかったのか。

その日は実家に泊まる予定だったが、私は泣きながら家を飛び出てダニーロの元に帰った。ダニーロにぶつぶつとそのことをしゃべっているうちに私はまたこみあげてきて、また大声で泣いてしまった。ダニーロは優しく抱きしめて、受け止めてくれたっけ。

父と私は文学の趣味が合ったようで、父の書斎にある本はどれも私の友達だった。色川武大、開高健、向田邦子、つかこうへい、寺山修司、赤瀬川原平、姥捨て山の深沢七郎。みんな父の本棚で出会った。

私は宝物の書斎、文字の海、辛い時に私はその海に入っていって文学に溺れることで逃避していた。それがない今、孤独は増し、心の空虚を埋めることもできずにうろたえている。

書斎を燃やされたことは、一生の傷だし、私はそのことに関して両親を許していない。両親はまだそのことで私が恨みに思っていることなどとはまさか思ってもいないだろうけれど。

とにかく古い友達を失ってから、寂しいときの立ち寄り場所がなくなってしまった。古本屋にでも出向いてみようか。

明日は月曜日。いやおうでも月曜日は始まってしまうので、自分が壊れないように。一日一回は外に出てウォーキングとかしよう。身体を動かすことは大事だ。

それからさっきスーパーから帰って来て家に入ろうとして、ふと見上げた夜空にスターリンク衛星を見た。

夜空の星を見つめるのはとても癒しになったので、たまに夜星を見に外に出ようと思う。

今はそれくらいしか思いつかない。ぼちぼち生きていく。


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