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ヒトリゴト

空が美しいと思うのに
この世はきっと美しいと信じたいのに
確かに目に写る四季は輝くのに

目で追うものは愛しいけれど
目に写るものは哀しみで

聴かんとする音は心地よいのに
聴こえる音は息苦しくて

触れる事さえ憚られる優しさと
触れられる怖さ

活きるために嘘を纏い
虚栄を産む身が
穢らわしく思え
現し世に飲まれて
膝を抱える

眠りの中に安らぎを求めても
浅い夢は時に残酷で


何処に何を求めるのかと迷い
彷徨う日々は
幸せの一片なのかも知れないと
暮明に佇むけれど

幸せは解りやすい方が有難い
捻れた日常
こじれた思い出

行動の始まりには思いがあると
誰かが言った

本音と違う言葉に振り回され
本音に憤る

誰かの言葉を信じては
秘めた嫉妬と恨みに気づき
おまけに付いてくる失望

想いを満たすために
人を絡めとらんと紡ぎ出される
言葉の糸

気がつけば1人
頼れるのはこの身ひとつ
残るのは沢山の不安の影に潜んだ
一抹の希望

白い吐息に胸の痛みを織り込んで
声無き悲鳴を解き放つ
雪の夜













よろしくお願いいたします。