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「Jorneys in Japan 香川 建築がつむぐ夢」を観て

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Jorneys in Japan
香川 建築がつむぐ夢
NHK BS-1(2021/05/02)
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約10年前より香川に住み始めてから、瀬戸内国際芸術祭をきっかけに安藤忠雄さんを知り、仕事でも建築物を見に行くツアーなどの宣伝活動を通じて、少し興味を持っていた分野だったので。タイトルに惹かれて録画。
思っていた以上に、内容が詰まっており、知らないこともたくさんあって、見てよかった。
一回行ったことある場所も、聞いたことはあるものの行ったことがない場所も、今回初めて知った場所も。ぜひ、一度今得た知識のもとでもう一度体感したい。
以下、視聴内容まとめ。

▼モダニズム建築

鉄とガラスとコンクリートでできた建物

▼香川県

人口およそ42万人。太平洋戦争中、高松は大きな被害を得た。そして、復興のシンボルとして、香川県庁舎をつくった。

▼丹下建三

日本の伝統建築を欧米の近代建築に応用した戦後日本のモダニズム建築を代表する人物。
※代表作:広島平和記念資料館、国立代々木競技場第一体育館(東京オリンピックのために建築)、香川県庁舎東館

▼香川県庁舎東館

丹下建三建築。1958年完成。
高松市は太平洋戦争において大きな空襲被害を受けていた。そんな中、1950年金子正則(香川県政治家)が香川県知事となる。そして、復興のシンボルとして香川県庁を建てたいと丹下氏に打診し、意気投合。
壁ではなくて柱と梁という日本の木造建築をモチーフにしたところが特徴。建築にアートの要素を取り入れたことで、冷たいコンクリートのモダリズムを親しみのある空間へ。また、高さ7mのピロティを作った。それは、戦後の市民が集って、コミュニケーションを取れる場所を、との思いから。これはまさに戦後の民主主義そのものである。以降、これが日本各地で採用されることとなる。
また、似て非なる以下の2つの文化をうまく調和(親和)させた庭園も造られている。
・日本庭園…自然を抽象化
・モダニズム建築…無駄な装飾を省いてシンプルに見せる

▼豊稔池ダム

1930年完成。国の重要文化財。日本最古のマルチプルアーチダム(アーチ止水壁が複数連なるダム。多連式アーチダムとも呼ばれる)。
当時の度重なる大干ばつに苦しんだ地元の農民の皆さんが、国や県に要望して公共事業として作られた。延べ15万人の大工事にも関わらず、犠牲者ゼロ。およそたった4年で作り上げた。
覚えたコンクリート技術で土木工事を始める人もいたという。鉄の棒が残っており、クレーンも無く、トラックも無い時代に、農民の方々が一段ずつ積み上げた足場や垂直ゲージの跡が残っている。
ダムの景観の素晴らしさはもちろんだが、大飢饉で苦しんできた祖先を作ってくれた貴重な存在。

▼坂出人口土地

1968年完成。建物が組み合って立体的な構造。コンクリートの柱に持ち上げられたヒトの地盤上に建物が建っている。1F:商店街や市民ホール、2F以上:集合住宅となる。
この土地で盛んだった塩田が技術の進歩と共に衰退し、地元の人が住みつくようになった。その結果、坂出駅前は過密化していき、整理する必要が出てきた。未来を見据えて、立体的に空間を使うことになった。
全国で人口土地の構想はされたが、坂出だけが唯一実現した人口土地となっている。

▼直島

3,100人が暮らす小さな島
〇直島小学校
1970年完成。直島本島で一番高い山、地蔵山(標高123m)のラインに沿って、山と建物が立体的に大きく見えるのが特徴。宇宙船のような近代的な外観は、香川県庁舎東館に影響をされて作ったんだそう。
〇地中美術館
エントランス~作品棟は廊下でつながっており、約6度傾きが加えられている。そのため、歩きながら建物を身体的に感じることができる。
無駄をそぎ落とし、非常にシンプル。だが、力強い。コンクリートを使った1つの彫刻のような美術館。モネ、タレル、デ・マリアの3人の美術家のためだけの美術館。自然光と共に作品を楽しめるため、天候、時間、季節によって違う表情を見せる。安藤忠雄建築とアートがお互いを高め合っている。

▼旧香川県立体育館

代々木第一体育館と同年にできた双子といえる建築物(東京オリンピックの年に完成)。2012年に耐震工事が必要と分かったが、改修工事業者が見つからず。取り壊すかどうかも未定のまま、2021年現在も議論が続いている。
現代技術においても非常に難しく、挑戦的な建築といえる。

▼建築とは

・人々の願いがカタチとなったもの
・未来へ伝えるもの

▼NHK公式サイト

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