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先が楽しみな生き方

最近、自分の10年後が楽しみになってきた。
10年後には立派に60代。

その頃に日本が戦争をしていないとは限らないし、がんサバイバーでもある私はいつ何がどうなるか分からないことは身に染みて知っている。
「今」を楽しむことが大切だとも思っている。
それでも楽しみなのだ。

どうしてかというと、書道を始めたから。
10年後に自分がどんな書を書くのかが楽しみなのだ。
この書道、やりたいと思いながらも始めたのは遅まきながらこの3月から。
やりたいことはやりたいと思ったときにやるのがいいとは思う。
老後の楽しみに読書をしたいと思ったら目が悪くなってできなくなった。
老後は旅行を楽しもうと思っていたら、身体が言うことをきかなくなってきた。
という話もよく聞く。

私の母などは70歳になったら「ドイツ留学」をすると準備をしていたけれど、70の声をきくと同時に脚を骨折。
その後もガンになるなどして、今は高齢。
けっきょくは留学はできなかった。
それでも、60代でドイツやその他の国に旅行に何度か行ったので諦められたらしい。

だから、やりたいことはすぐにやるのがいい。
書道はやりたいやりたいと思っていたけれど、他に優先したいこと、すべきことがあった。
それと、もうひとつ。
「師」が現れるまで待ったのだ。
本物の「師」は求めていれば準備ができた時に現れる…という話を聞いたことがあるけれど、待った甲斐はあった。
もっと早くやっていたら、もしかしたらもっと10年後が楽しみになったかもしれないけれど、これが自分のタイミングだったのだ。

逆に、私は楽器を弾くので何年もオーケストラをやっているけれど、楽器自体はともかくとして、オーケストラはある程度の年で引退するんだろうと考えている。
認知機能が衰えたり身体がいうこときかなくなってきたら続けることは難しくなるだろうし、若い人に席を譲るのも大切なこと。
だから、後で後悔しないように今はオーケストラでたくさん弾いている。
エキストラのお誘いも可能な範囲で有難くお受けしている。
自分がほんの少しでもお役に立てたら、こんな嬉しいことはないもの。

そんな中で始めた書道。
今は月に2回のお稽古がとても楽しみ。
なかなか思うように上達しない自分とは付き合わなければならないけれど、それは当たり前のこと。
今も楽しく、先も楽しみ。
今を楽しむ生き方もいいけれど、先が楽しみというのはなかなか贅沢なことだと実感している。


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