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それでも私は着物を着る。

文句を言う人は
麓にいるときに出て来る。

斎藤一人さんの名言


※注意!
 この記事はかなり辛辣です。



着物を着ていると「着物警察に遭う」
なんて言います。


着物警察って何か、
と言いますと
着物の着方が悪い、と
文句を言ってくる方のことです。



こんなことを言われると恐怖で
着なくなってしまいますよね。


私の場合、
着始めて1年目程度までは
よく遭いました。


ヒソヒソ聞こえるように
電車で陰口を言われたり、



ほんの少し、数cmくらい
着方が違っただけで
何やらかにやら
知らない方に文句をつけられたり、



そうかと思えば
褒めて下さる方にも
たくさんお会いしました。


2年目程度からは、
全然おあいしなくなりました。
文句を言う方も
わざわざ褒め言葉を言いに
近づいて来て下さる方も。


よく同僚の先生に

「街でも素敵ねって
 言われるでしょう?」

とか

「車内で視線を
 独り占めですね」

なんて(ゴマスリを)
頂くのですが、
いえいえ全然。


まるで私が着物を
着ていることなんて
見えていないようです。

たまに視線を感じると
同じ着物姿の方や
年配の女性の方です。


それで
気づいたんです。

私、着て1年目までの頃は
社会人1年目みたいな、


スーツが着慣れなくて
何もしていなくても
そこにただいるだけで
目立ってしまうような、

馴染んでいない空気を
醸し出していたんでしょうね。

日本人はそういうのに
敏感なので、
どうしたって場の空気を
変えてしまっていることが分かって、
それで着物警察が
ピピッ!とやって来る。

慣れてしまえば空気を
乱すこともないから
周りは気づかなくなりますね。


着物だろうが
コートの中全裸だろうが。

※高校生の頃
 こういう露出狂↑に
 遭ったことがありました😅


ところで私は
現在の勤務校で
10年以上前から着物を着て
授業をしています。


チビが小さい頃は
自粛していましたが。


それで同僚の先生方は
もはや私が着物を着ていても
何も仰いません。


精々、
「その色素敵ね」とか
「襟がいいわ」とか
仰る程度です。


ところが、
10年以上前から変わらず
私が着物で仕事するたびに
自慢や嫌味を言って来る先生が
ひとりいらっしゃいます。


相変わらずしつこいな。

これは私が
着物の世界でまだ
麓にいるからだ、という
教えなんでしょうね。




そして
その自慢や嫌味にいまだに慣れずに
イラっとしている自分もいます。


大概私も
性格が悪いということか。



新人の頃は
着物を着ているたびに

「みおいち先生は無断で授業を
 ドタキャンした」


全くしてもいない噂を大仰に
ばら撒かれて、

今なら誰も信じないでしょうが
新人だったので信頼もなく
嫌な思いをしたんです。


※やっぱり私、しつこいな。
※貴女は本気で無断欠勤していたけどね。


「私は結城紬を持ってるのよ!
 貴女持ってないでしょう?」

とか

※持っていますが何か⁇
 だって貴女もご存知のはずですが
 呉服屋の孫だもの。


「私は800万の着物を買ったのよ!
 すごいでしょう」


とか

※同僚がそれを聞いて
 「あの人、騙されたのね」と
 言っていました。


もうとにかく
ネチネチとからんでは
よくわからない自慢話や嫌味を
仰るので、毎回うんざりします。



先日、着物で授業をしたとき、
昨年度までも何度も着た
お気に入りで行ったのですが、


今年度は新任の先生が多く
はじめて私の着物姿を
ご覧になった先生もいらっしゃって、


少し講師室が騒がしくなりました。


新任の先生方は
皆さん嬉しいことに
喜んで下さって、
中でも60代前半の
女性の先生は

「写真を撮ってもいいかしら」

と、
私を携帯で撮って
下さいました。


私は半衿は手拭いをすることも
多いのですが、
この日は半衿に
藍色の手拭いをしていて
そこも褒めて下さり、


日本の手拭いの長さと
着物の相性について
お話下さいました。


ああ、この先生
教養もあってステキ!


と思っていたら
先ほどの嫌味先生が


「ちょっと!アナタ!」

と私の後ろにまわり
何やら無理やり帯を「無断で」いじった後

「直しといたわ!
 帯は高めにするのよ!」


と、
さも新任の先生方に

「私は着物について詳しいのよ」

と伝えたいように大声で
仰いました。


悪いけど私は反論しました。


「先生、こんな風に帯を高めにするのは
 若い方の結びですよ。
 これじゃお嬢さんになってしまいますよ」



着付を習う人に
最も需要があるのは
子どもの七五三か十三詣り、
成人式ですよね。


だから最初に教えるのは
若い方向けの着せ方なので、
ちょっとだけ習って
すぐお辞めになった方は
いつまでも若い方向けの
着方をする傾向があります。


私はいつもなら
着物の方がどんな着方を
されていようが
心底どうでも良いのです。


だけど、
この先生については
積年の恨みがありまして、
つい挑発し返してしまいました。



「あらそうなの、
 いいじゃない貴女若いんだから」


あのねぇ。

私、自称27歳ですが
ハタチの域まで私を
若返らせるおつもりですか。


「着物にはいろいろと
 決まりがあるんですよ」


そう言うとその嫌味先生は
また新任の先生方に聞こえるように

「私は着付講師の資格を
 持っているのよ!」

と豪語されました。


ちょっと待って。


貴女、着付講師3級でしたよね?


着付で3級と言えば、
日本語能力試験であればN5。


英検も5級程度かな。


そろばんなら9級?
漢検9級?

算数検定も9級だ!


※かなり恨みが入っております。



3級って、
3級ってね、
本当の本当に初心者なんですよ!


先生、
私が看板免許を持っていること
ご存知でしたよね⁇


そもそも3級で、
数年も習っていなくて、
着るのに1時間以上かかると言っていて、
兵児帯と半幅帯の区別もつかない方が、


その程度の能力で
着付講師の名を汚すな‼︎‼︎



私はね、
免許を取るまでに10年は
努力しましたよ!


看板を取った今だって
着物の世界は深くて
学ぶことがまだまだあるって
思っているし、


着付の恩師たちが
何年も教えていても
いまだに毎回自己研鑽されて
他社から講師を呼んで
学び続けている姿を見て来ましたよ!


それを貴女は
着物の全てを知っているみたいに、
さも自分は能力があるみたいに、
おおっ広げに皆の前で
自慢するな‼︎



ぜえぜえ。


もう嫌だ、この先生。


※ちなみにこれは全て
 心の声として、
 実際に言うのは我慢しました。


だけど、こんな変な先生のせいで
着物を着なくなるのも癪だから、
それでも私は着物を着ています。


もっと高みに行ったら
何も言われなくなるかしら。


無理かもしれませんね。


88歳の先生に

「貴女もう引退しなさいよ」

なんて平気で仰る先生ですから。


そう言う貴女が辞めろ‼︎‼︎
と喉元まで出かかった
私はやっぱり修行が足りませぬな。

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