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シルバー世代はカッコいい!

私の勤務校は、大変きれいです。
築40年近く経っているので、
そう言うと語弊があるでしょうか。


床も階段も味わいのある
木材などではなく、
よくあるゴム製のような
シートのような、
言わば無難な床なので、
大変清潔です。と言った方が
良いのかもしれません。

腰が曲がったシルバーさんたちが
朝早くから校内をせっせと
掃除して下さっています。

私は朝8時台にときどき
教室へ掲示物を貼りに行ったり
するのですが、
まだ誰もいない廊下や階段を
誰も見ていないのに
シルバーさんたちが
文字通り汗水垂らして熱心に
掃除して下さっています。

朝、教室へ向かうとき
「今日も階段が美しいな」と
思います。

授業が終わって1階へ戻るとき
「まだ廊下も階段もきれいだな」と
思います。

ある時、
シルバーさんに
「いつも階段や床が
 とてもきれいですね。
 ありがとうございます」と
お声をかけたら、
「ワックスを2回かけているんですよ」と
お返事頂きました。


夏の暑い時は
全身汗まみれになって
掃除していらっしゃって、
冷房の効いた部屋に
のうのうといる自分が
恥ずかしくなってしまいます。

「夏は大変ですね」と
お話したら
「もう慣れましたから
 大丈夫ですよ」
とのお答えでした。


朝早くから4限が終わるまで、
スプレー部隊のシルバーさん達も
いらっしゃいます。


エレベーターの使えない
この学校の1階から5階まで、
教室、トイレ、廊下など、
人が触るところをグルグル回って
何度も何度もスプレーをかけ
除菌して下さっています。


ドアノブ、PCのマウス、
キーボード、テレビのリモコン、
それはもう様々なところを熱心に
ひたすら除菌し続けて下さいます。


多少サボっても
誰にも気づかれませんし、
何もデメリットも無いでしょうに。


報酬だって大して
多くないでしょうに。


お陰さまで安心して
授業が出来るのです。



イギリスにいた時、
私はよく怒られました。


「勤務中、そんなに働くな。
 もっと気を抜け」

「人が見ていないところでは
 もっとサボりなさい」

「他の人の仕事まで手伝うな」

「もっと長く休憩しないとダメだ」

「あなたは機械みたいに働きすぎる」


この考え方には
文句はありませんが、
私の親世代の方々、
この学校の
シルバーさんたちのような
世代の方々の働きぶりは
実に素晴らしいと思います。


仲良しのY先生は
70代のイケメンです。
階段を一段飛ばしで
5階までさっそうと登られます。


ヘナヘナしている私は、
「みおいち先生、お先に〜!」なんて
さっそうと抜かされます。


仕立ての良いスーツの
胸ポケットにちらりとのぞくチーフ。
実にセクシーです。


お会いする日は必ずお話します。
熱の入った授業ぶりから
以前、私が担任をしていたクラスに
欲しいな、と思い、
上の先生に頼み込んで
引き抜いて(?)頂きました。


かつて一緒に呑みに
行ったことがありました。
日本酒とツマミの
美味しいお店をご紹介下さり、
はしごしたお店は
Y先生の行きつけのスナック。


スナックなんて入るのは
初めてでしたが、
ママのお手製のお料理が
忘れられないほど美味しくて、
こういう遊びも
お上手なんだな、と感動しました。


そのY先生、
私と同じ日本語科目を
教えていらっしゃいます。


私は当初
1クラスに
日本語能力試験のレベルが
N1からN4までいることに
ウンザリして、

N2だけやってしまおうか。
あとは無視してしまおうか。


試験対策さえされない先生も
いらっしゃることだし。


と、易きに流されようかと
悩みました。


Y先生にお話を伺ったところ

「はい。私のところも
 N1からN4までいますよ。
 全員にプリントを作ってやっています。
 せっかく受験するのに
 プリントが無かったら可哀想でしょう?
 教師は大変ですがね」

とのこと。


Y先生は
私よりずっとコマ数が多く、
担当教科数も多いのです。


経済も、マーケティングも、
責任の重い簿記の試験対策も、
教えていらっしゃるのです。
授業準備に恐ろしいほど時間を
かけていらっしゃるはずです。


あぁ、ダメだな、自分。
と、反省しました。


そう、現在のシルバー世代は
大変にカッコいい。
戦後の日本を作って来られた方々です。


私たちはもっと
この世代を大切に
するべきではないかな。
たくさん教えて頂くことがある。
ウンザリするほど幸せでいて欲しい。


ビヤさんのこちらの記事を読んで
そんなことを思いました。



リレーされたい方は
続きをどうぞ(笑)!



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