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言ったって言わなくたって。

私の教え子は外国人なので
はっきりものを言ってきます。


例えば

「先生、その服は似合わない」

「そこに白い髪があります」

「それは男みたいだからやめて」

「今日は顔が疲れてる。
 夜は早く寝ないとダメですよ」

「そのコートだと若く見えません」

これは実際に
私が彼らに言われたことばです。


これを日本人に言うと

「怖いよ」

「はっきり言い過ぎ」

「そんなこと言われたくない」

と返されることがありますが、
私は彼らの歯に絹着せない物言いが
結構好きです。

私はボンヤリしているから
似合わないものを気づかないで
着ているかもしれないし、
はっきり言われた方が
参考になります。



それに、
単なる1人の意見だから
そんなに重く取るほどの
ことでもありません。



例えばある年の
郊外学習の引率で、
教師も動きやすい服を
指定された私は
ロングTシャツにデニムで行きました。


普段私は着物やスーツで
教えることが多いので
学生たちからは本当にいろいろと
言われました。

「先生、いいね」

「似合ってる‼︎」

「可愛い‼︎」

という肯定的な意見に混じって


「先生......何それ...ハァ〜(ため息)
 子どもみたいだよ」

という苦言も
ありました😆


この辺の感性は
育ってきた文化によって違うので
振り回されては
いけません。


英国のナーシングホームで
まだ制服が貸与される前のある日、
私はオレンジ色のTシャツで
仕事したときがありました。


これについて大部分の
南国から来た看護師さん達からは
好評価でしたが、

英国のマダム達は
残念な顔をされて

「そんな品の無い色、やめなさい」

と言いました。

国によって受ける印象は
真逆なんですね。


何にせよ
心のうちをことばに
出してくれるのは
嬉しいと思います。


じゃあ日本人が
気を遣って本音を言わないこと、
これが苦手なのかと言えば
そうではなくて、


何か
私の異変に気づいたな、と
私が気づくようでも
あえて視線をそこから逸らして
話も逸らす、

この気遣いが出来る人を
素敵だと思い
愛おしささえ感じてしまいます。


どっちだって
いいんですよね。


言ったって言わなくたって
それは愛情だから。


伝える方法が
違うだけだから。

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