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497.単純にユーモアがあってほしいんだが / フェミニズムとか


どうしても西荻窪の今野書店に行きたくなって、隙を見て行ってしまう。午前と午後の間にちょっとだけ隙の糸が見えたのだった(これが言いたかっただけ)!

今野書店はわたしが今のところいちばん好きな書店で、ほどよい大きさとこだわりと目利きのラインナップでかゆいところに手が届く品揃えになっていて、うろうろしていると大変楽しい。吉祥寺のほうがアクセスが良いので、吉祥寺の書店でもいいけれど(アトレにはブックファーストが、コピスにはジュンク堂が、パルコにはリブロがある)、個人商店ぽい書店が好きなんだよね。

小学生の頃の夏休み、いつも暇だったから近所の書店をぶらぶらしていた。入った瞬間にすうっと涼しくて、目の前に本がたくさん広がっていて飽きなかった。飽きたらなんとなくかわいい文房具を見たり、ちょっと大人なコーナーのところをさりげなくチラ見しながら通り過ぎてみたりして、本屋は最高の遊び場だった。
ジャンプを毎週走って買いに行ったのも、ドリルを買ったのも、『ムー』とか『マイバースデイ』を買ったのも、街の小さな本屋さんだった。

そんなわけでわたしは今野書店を気に入っているんだけれど、なんと言ってもフェミニズム関連、レイシズム関連、女性学・男性学関連の書籍がまあ揃っているよなあという感想だ。そこはわたしも気になるジャンルなので、いつもじっくり見てしまう。手に取ってパラパラと眺めることもある。
最近では、韓国発の「女性が尊厳を持って自由に生きることにしました」系の本が多く出版されている。あの国もなかなかに女性が生きづらそうな国だと思う。

でも、手に取ってパラパラと眺めるだけで、実はあまり買うことはない。正直、なんだか読んでいて辛くなってしまうのだ。女性が、女性のために書いたフェミニズム関連の本は。
読んでいて、自分の体験と重なってフラッシュバックしてしまって辛い、ということももちろんある。そういう体験、わたしもあったな。あのとき怖かったな。辛かったな。ずっときつかったよな、と。確かに思う。

痴漢は迷惑行為です、ってずいぶん軽いアナウンスだとわたしも思う。死にたくなりそうな恐怖で、紛れもなく犯罪だ。ここでわたしの体験を語る気にもなれない。

でも、それでも「なんか読みたくない」のは、正直言って「わたしが男だったらこのテイストでこの文脈で書かれたものを読みたくはないよな」と思ってしまうからだ。

わたしが男だったら。

こういう話のとき、ある仏教の高僧の方の語りを思い出す。

あるところに、レイプされた少女がいたそうだ。そしてその少女をレイプした少年もいたそうだ。それはあってはならないことだし、許されざる行為だし、痛ましい出来事で、少女のことを思うと言葉も出ない。ただただ、彼女の心と身体の傷が癒えることを祈るしかできない、それほどむごいことだと心から思う、とその高僧は続けたのち、それでも私はその少年を責めることはできないし、憎むこともできないし、その資格はない、と言ったのだ(正確には書籍の中だったので、そう書かれていた)。

なぜなら、
私がその少年として生を受け、その少年が育った環境で育ったとしたら、私もまた同じようにその少女をレイプしていただろうから。と。
その少年は、自分だったかもしれないのだ、と。


被害者と加害者が発生する文脈の話と出会うとき、いつもどこかでこの話が頭をよぎる。わたしがその少年として生を受け、同じ環境で育ったら、レイプをする人間になるのだ、と語っていたその僧の話を思い出す。


うーん、なんかなにが書きたいかむつかしいな。

「女性が尊厳を持って自由に生きることにしました」系の本がたくさん出てくるのはもちろん良いことだと思うんだけど、そういうのを大量に読んでいると、同じ性でもあるわたしも「うわあ、なんかすいません」みたいな申し訳ない気持ちになってくるときがある。

そりゃあお互い受け止めなきゃいけない痛みとは向き合うべきだと思うけど、わたしがそこにもう一手欲しいと思ってしまうのは、「わたしも男だったら、そういう風に女性を、世界を見てしまうんだろうな」という視点と、単純に”ユーモア”だ。

わたしたちは戦いたいわけじゃないんでしょう?
わたしたちはお互い責め合いたいわけではないんでしょう?
わたしたちはわかりあって、愛し合わないまでも、ともだちくらいになりたいよね?

なのであれば、表現や対話や語りの手段は、そこに参加したくなるような、それをもっと読みたくなるような、希望とユーモアがある形だったらいいなと思ってしまう。怒れるひとに向き合うのはだれだって怖い。男とか女とか関係なく怖い。
なんか重いのはもういやだ。

軽いから真剣味が足りないということはないと思うし、重くて深刻だから重要だということもない。軽やかに楽しく笑いながら、良い関係になったっていいと思うし、わたしはそうやっていきたい。


今日買った一冊。


まあなんつうか、ザ・百害あって一利なし!って感じですよね(笑)。
パートナーを抱けない男性には勧めたいけど(けっこういるでしょ 笑)。


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