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137.夢から覚めて、からの夢を生きる


「彗星のような」とか「キラ星のごとく」といった形容でその業界に現れて、旋風を巻き起こし、さまざまなこと(記録とか実績とか成果とか)をぬりかえていく。
というストーリーに、とても焦がれた。

無自覚でいながらも、どうしても隠しきれない才能や個性がだだもれてしまい、たしかな目を持つフィクサーのような人に見出され、ひとかどの人物にいつの間にかなっている。
というストーリーにも、とてもとても焦がれた。

そう、いつでも焦がれて夢みていたせいだろうか。実際に、手の届く範囲で友人と呼べるようなひとたちが、ひとり、またひとりとその「彗星」なり「キラ星」になっていくところも、何度も目の当たりにしていた。

そのたびに、「痛みで焼け焦げちゃうんじゃないかな?」というくらい、胸を痛めて、眠れない夜を何度も過ごしては、神さまに「どうかわたしに広いふつうの心をください」と祈ったものだった(syrup16gというバンドの曲をエンドレスで聴いていた。いまでも五十嵐くんは天才だと思ってる)。

それから何年も何年もの月日が過ぎて、バカみたいだけれどあらためて「そうか、わたしは彗星でもなければキラ星でもなくって、ただ、わたしなんだな」と思うことができている、ような気がする。

わたしが成長したのかもしれないし、成熟したのかもしれないし、あるいは活力が減退したのかもしれないし、もしかしたら神さまにあの頃祈っていた、「広いふつうの心をください」という願いが、いまになって叶っているのかもしれないけれど、とにかく。


そんな「彗星」でも「キラ星」でもないわたしだけれど、noteではーーーそうだな、クリエイターというのもなんだかちょっと恥ずかしいし、わたしの好きな文章を書くひとが「書き手」と言っていたのでその言葉を借りるとーーー「書き手」として、存在しているなって思う(noteのほぼすべてのひとがそうだけど。書き手って、すてきだ)。

彗星でもキラ星でもない、「ただの書き手」として、いつかの夜に焼け焦がしていた胸が、今朝はきゅっとと甘く嬉しくなるようなことがあったので、それを書きたいと思ってこんなに前置きが長くなってしまった。

それは、毎月のPV数が「微増」、している、ということ。


ずいぶんとダッシュボードや数値的なカウントを一切見ずに、ただただこの137日間(つまり4ヶ月)をひた走ってきたのだけれど、3月よりは4月、4月よりは5月、5月よりは6月、6月よりは7月....といった具合に、月間のPV数が、ほんとうにすこしずつ、増えていた。

その「すこしずつ」の感じは、なんて言えばいいんだろう。わたしが、

「もう、とにかくなんでもいいから書くことを一生やめたくない。もう書けない自分になりたくない。だから、すごくなくていい。ちゃんとしてなくていい。質が高くなくてもいい。ただ、できることを毎日、すこしずつ、積み重ねていこう。だってそれしかできない」

と、やっぱりここでも祈るように(としか言いようがない)スタートさせたわたしにとっての”ささやかだけど、大切なこと”と、ちょうど同じくらいの早さでの、「すこしずつ、増えている」という感じだったので、それがすごく嬉しかった。

これって、うれしいことだ。すごいことだよな、と、そのダッシュボードの数字をすこしの間、幸せな気持ちでながめていた。

一気に増えなくっていい。なにかのきっかけで、ドカンと!というのは、もうずいぶん昔にいっぱい夢見て、そして夢見ることを終えたわたしが、いまここでこうしてやっているのだから。
だからその、ちょうど、ちいさな子どもの歩幅に合わせて歩く早さくらいの、呼吸がちっとも苦しくなくて、となりにいるひととしゃべったり笑ったり、できるくらいの、わたしらしいスピードで。

いつまでも、こうしてただ歩いていたいな、って思えるスピードで。

そんなふうに、このnoteに記事を残していきたいし、それを読んでくれるひとが「微増」してくれるのがほんとうに、この上なく嬉しいことなのだ。


とくにこれといったテーマもなく、たんたんと日々や思いをつづっているだけの文章ですが、なにか伝わったらいいなと思っているし、伝わるならそれが、すこしでも明るいものであったら、と思ってます。100の苦しみが、99になったり、98になったり、するのであれば、それはもうわたしの望みのすべてだったりするのです。


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