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0684.強くて、大きくて、圧倒的な力とその美しさについて


雪。ほんとうは確定申告の最終チェック業務をプロの方と一緒にする予定だったのだけど、外出がちょっと大変そうだということで来週にリスケすることにして、今日は家でずっとフィアスケートの男子フリーの演技を見ていた。

好きで、感じることも思うこともたくさんあるのだけれど、語彙と理解度が足りないせいで思うように語れないということが残念だ。ショートの演技を終えた羽生結弦選手のインタビューでの「氷に嫌われちゃったかな」という言葉と、まるで迷子の子どものようなちょっと途方に暮れたような、なんともいえない表情をしていたのを見て、たまらない気持ちになった。
「そんなことない、そんなわけない」と、聞こえるはずもないのにつぶやいてしまった。そんなわけないよ。ぜったいにない。


今日のフリーの出番の前にはなぜかばかみたいに緊張している自分がいた。こんなに緊張したことはない、というくらいに身体中がガチガチで、手足が冷たくなって、喉がカラカラになった状態で、固唾を飲んで彼の出番を待って、そして観たのだった。

1位のネイサンから4位の羽生弓弦まで、男子のトップがアジア系なのは「なるほど」と思う。KPOPのスターたちを見ていても思うけど、なんというかアジア人男性の体型が、非常にダンスに向いているんだな。コンパクトな骨格と質量で、機敏で的確な振り付けと高難度のジャンプに耐えうる要素があって。

欧米の選手たちはアジアの選手たちと比べると、ボリュームと重量感を感じる。KPOPはさておき、この先ジャンプの回転数がまた上がってくる競技なわけなので、体型って重要なんだろうな。
SASUKEでも、強い選手たちはパワー系というよりはコンパクトな敏捷系だしな、とか思いながら見ていた。

まあ実際は、羽生くんをみては泣き、宇野くんをみては泣き、鍵山くんを見ては泣き、そしてネイサン(すごく好きです)を見て最後には泣き笑い、みたいなぐちゃぐちゃな顔になりながら見てたんですけどね。今シーズンの…..というか、ちょっと前からのネイサン、無双。

同じ「4分間の自由な演技」という枠なのに、それぞれ選ぶ音楽がちがい、構成する技がちがい、組み合わせるスピンやステップがちがい、衣装がちがい、世界観がちがい、表現がちがう。

ジェイソン・ブラウン選手のように4回転はひとつしか組み込まないのに、メダル上位圏内に入ってくるほどの卓越したスキルを持つスケーターがいて、もちろん彼は「競技としてのフィギュア」に参加しているのだけれど、「とにかく4回転をして得点をゲットする」だけのフィギュアには参加しない魅せ方をしてくれる。こういう道もある、こういう表現もある。

羽生選手は「関節が柔らかいのですかね」という言葉では収まりきらない、身体全部が流れる水のようななめらかさとすべらかさというものがあって、同じ高得点を叩き出す演技でも、ネイサンとはまるで異なる質感を感じさせるのに、あらためて魅入ってしまった。
仄暗い情熱と、張り詰めたドラマチックな悲壮感とが、炎と水の動きを感じさせる舞となって見る人の胸にせまっていた。

ネイサンは、もちろん情熱的ではあるんだけれどその動きのひとつひとつがとにかくミリ単位で正確で、踊りそのものにインテリジェンスを感じさせるものがあった。羽生くんが水のようだとしたら、ネイサンは伸びやかに木々を揺らす風のようだった。演技後半からはもう「とにかく無双」「何をどう動いてもパーフェクト」という絶対王者感も相まって、疾走感と疾風感がすさまじくってあまりにも彼が氷の上で強い喜びとともに風になっているので、お腹の底から笑いが込み上げてきたもの。そしてネイサンも笑ってた。とても幸せそうに。
見ているこちらまで、台風のあとの青空のような「完全なる浄化状態」になってしまったのだろう。


踊る人。踊る男性。男性のダンスが好きだ。まちがいなくこの世でもっとも美しい存在だと思う。女性のダンスとはちがう。魅せるものがちがう。

わたしはかじっている程度ではあるものの、去年の夏からベリーダンスをやっている。ダンスのタイプもあるけど、女性のダンスはバストとウェストとヒップの曲線と揺れを強調する。女性のバストとウエストとヒップというものが、美しいからだ。力強くプリミティブに躍動するというよりは、軽やかに雅やかにキラキラと魅了する。放出するというよりは、奥へと誘い、引き込んでゆく。

男性の踊りはぜんぜんちがう。その力強さと原初の躍動というものに、わたしは果てしなく憧れて、だからこそこんなに感動するのだろうと思う。彼らの踊りを通じてわたしの内側の男性性というものが共鳴し、目覚めるのだと思う。

強くて、大きくて、圧倒的な力とその美しさ。

わたしたち全員の中にある、そういうパワーに触れさせてくれて、目覚めさせてくれるのが、アスリートでありアーティストという存在なんだろうな。


といいつつ、来週の女子フィギュアもすごく楽しみ。
雪だし、さむいし、なんかいろいろ流行ってるし、みなさんもおうちであったかくして楽しくお過ごしくださいね。あんにょん!



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