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お水は大事だから町中の水脈を覚えておく

 神戸は阪神大震災があったので、その経験から色々と町ぐるみで防災に関する取り組みをしている。
 町中の井戸もその一つで、公園に井戸の手回しポンプがあったり、道端に井戸ポンプがあったりする。うちのお隣さんは庭の水やりに井戸水を使っている。
 最近知ったのだが、災害時に緊急で共用できる町中の井戸があるらしい。登録制で、災害時市民解放井戸という。


 たとえば、タクシー会社、お寺、お豆腐屋さん、銭湯、運輸会社の車庫や金魚の養殖業、などがある。(登録している所のみで、全ての業種がそうだという訳ではない)
 そうか、今も井戸水を日常に使っている業種があるんだよなあ。
 タクシー会社や運輸の車庫は洗車に水を大量に使うから自社に井戸を引いている。
 お豆腐屋さんや銭湯は水があっての商売だし、金魚の養殖もそうだ。登録はなかったけれど酒造業もそうだろう。
 古いお寺や神社なら、昔からの井戸はそのままに残しているのだろう。
 このあたりは良い水が豊富で、町中に天然ミネラルウォーターの汲める場所があったり、天然温泉の出ている銭湯もいくつかある。
 井戸のある個人宅も登録していらっしゃる所がいくつかあった。普段は使えなくてもいざとなれば開放してもらえるのは有難い。

 災害時に一番困るのは水が使えないことだと思う。飲料水にしても、トイレやお風呂、洗濯の水にしても。震災の時に給水車までお水を貰いにいくのが大変だったと母も言っていたし、一時は川で洗濯もしていたという話をする人もいた。
 家に井戸があるっていいなあ。渇れることもあるかもしれないけれど、なんか安心できる。
 水が一番大切。


 とか言いながら私は、今夏の地震騒ぎでお風呂にためていた水も先日抜いてしまった。空のペットボトルに水道水を詰めたりはしているけれど、飲料用の水の買い置きは特にしていない。そろそろスーパーに水の在庫も戻ってきているみたいだから買っておいた方がいいんだろうか。なぜか気がすすまない。
 で、井戸のある町中チェックをしているのは、なんて言うのかしらねえ… 防災意識からというよりは、単に町の秘密を知りたいだけなのかもしれない。知られざる町のポテンシャル、みたいなものを私は知っているぞ~みたいな気分を味わいたいだけのような気がする。
 井戸があるかもしれない会社や商店を見るとちょっと不思議な秘密の場所みたいに思うようになった。町の見え方が少し変わった。


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