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転職活動:障害者の転職イベント編。

*障害者の転職を斡旋してくれるって本当?*


障害者の転職イベントなるものがある事を、ある日、SNSで知る事になる。たまたま見た投稿で、地元で開催されるイベントの広告を見たのだ。

事前申し込みも要らず、当日会場に行けば良い感じだったので、3.5時間のパートが終わってから、早速行ってみた。軽い気持ちで行ったので、パートに行く時の私服のまま出かけて行った。

そういう所が無頓着というか、よく分かっていない40代。会場でリクルートスーツ姿で髪をきっちり結んだキリッとした女性を見て心底驚いたし、恐縮した。汗だくで仕事をし、化粧も剥がれかけた疲れた私とは気合いが違う。

しかし、せっかく来たので参加したいという思いは変わらず、知らない世界だし見てみたいという興味と、鋼の心で居座りました、堂々と(笑)。他にもスーツじゃない私服の人もいたし(言い訳)。

イベント会場では、各参加企業の求人広告がずら〜っと壁に掲示されており、それを見て面接を希望する企業にその場で申し込む。飲食店の入り口に設置された記入用紙のようなものが用意されていて、申し込みたい企業の用紙に自分の名前を書くというスタイルだった。会場に参加企業のブースが設けられていて、その日のうちに会社概要や、職務内容を説明をしてもらえるという。

中には既に、履歴書を持参している人もいた。いろんな企業に提出するために、コピーを何枚も用意しているようだった。「そんなの聞いてないよー」と思いつつ、みんな持って来ているわけでもないなと、またしても周りを見て勝手に安堵する(単純)。

全部で20社ほどあっただろうか。その中で気になる企業は4社あったのだが、既に面接のスケジュールが埋まって申し込めない企業もあり、結局2社に絞った。イベントは朝から開催されており、私はパートの帰りに14時頃から参加。そりゃぁもう、後半の後半。企業の皆様も、実は疲れが出ている頃だったりしてね(笑)。

*時間切れで、複数人での面接*


イベントも後半に差し掛かっていたためか、申し込んだ企業の面接まで30分〜1時間待ちなんて事も。その間に会場内をぐるぐる周り、穴が開くほど掲示されていた求人広告を眺め、申し込めなかった企業の名前をメモしたりした。また、そのイベントの主催元だったハローワークのアンケートに答えて提出した際に、担当者さんからハローワークに障害者専用の相談窓口がある事を教えてもらった。

「本日参加していない企業の求人もあるので、是非、ハローワークにも足を運んで欲しい」と言われ「それは是非に!」と思った。障害者の転職について、親身に相談に乗ってくれる専用窓口の存在は全く知らなかったので、とても驚いた。

そうして時間を潰していたら、長く待った上に「時間切れになりそうなので、複数人で面接を受けるか、面接を諦めるか」という究極の2択を迫られる。これは誤算だった。

朝から気合を入れて面接を受けに来ていた人たちの中には、既に希望した企業の面接を終え、満足そうな面持ちで帰って行った人もいた。それに引き換え、パート帰りにぷらっと立ち寄った感が否めない私は、実際に企業の方々と向き合った時に、どんな事をするのかも正直分かっていなかった。

今日で何とか転職先を決めたい!というわけでもなかったし、複数人の方が、むしろ聞きたい事を他の誰かが聞いてくれるかもしれない。他の参加者の熱量も感じたい。とにかく企業の方と話して帰りたい。私は即決で、複数人での面接を希望した。

*そこで見えてきた、障害の種類の豊富さ*


複数人で面接に臨む事で、横並びに座った方々の障害について初めて知る事になる。「障害」と一言で言っても、精神であったり、身体であったり、障害の部位も違えば、病気や怪我の後遺症や、私のように見た目には分からないタイプの方もいた。

いろんな障害を持った方が居る事は知っていても、その方達の実際の声や、困り事を聞く機会は少ない。ある方は「車の免許がないので、公共交通機関以外に通勤手段がない。天候の悪い日の通勤が不安だ」と言い、またある方は「前職はメンタルのダメージで離職したので、人間関係に不安がある」と話していた。みんな様々な想いを抱えてここに集まっているんだと思うと、胸が熱くなった。

様々な想いや背景があっても、ここに集まって来れただけで、
・自分の人生に前向きである事
・その日に来られる元気があった事
・応援してくれる家族や友人、恩人がいる事

など、それはそれは喜ばしい事だと思った。

元気が出なくてとか、それ以外の理由でも、行きたかったのに行けなかった人も居たに違いない。でもここに来られただけでも、みんな頑張ったね!と勝手に妄想して、全員と握手したくなった。

*その後につながるイベント*


複数人での面接では、企業の会社説明や職務内容を聞いてから、こちらから質問できる時間が設けられ、連絡先を記入した用紙を渡してその日は終了した。私が希望した2社の面接は無事に受けられて、後日、返事が届く旨を聞いた。

その「後日」にも企業によって差があり、はっきりと「○日までに結果を郵送します」という所、「3日以内に、合格者だけに電話します」という所もあった。

これは流行の感染症のずいぶん前、2018年の出来事。
転職活動は、まだまだアナログだった。

その日に面接を受けた2社のうち、後日、面接までこぎつけたのは1社のみ。そちらの2次面接は、残念ながら不合格だった。

そしてその後、ハローワークへ障害者の転職の相談に行き、紹介してもらった企業に転職した。その後の人生に、はっきりと影響のあったイベントだったと、今でも感謝している。

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