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学歴社会に屈した話

学歴は顔や身長とほぼ一緒。自分で選べないことは多いですよね。世に競争がある以上、志望校に届かないのは悲しみ……。

だけど思うんです。本当に受難なのは、ランクでなくジャンルが希望と違った場合じゃないかって。

音楽業と学歴がまるでリンクしない私は、学校名がバレれば「はあっ??」て顔されます……(差別?) 以後シカトされることもよくありました。(逆差別?!)

親の意向に従うしかなかった志望校選択だから、まぁ仕方ないです。

良いことに、30年前と比べると、学歴を言わなくても違和感はない社会になりました。

働く上で、私の学歴は ”百害あって一利なし” 。なので、義務でない限り学歴は表明せずに済ませています。

冒頭の写真は、NY ユニオン・スクエアの人気カフェThe Bean。近くにニュー・スクール(芸術系が中心の名門大学)があるためか、いつもヒップな雰囲気。

ところが今年になって、そんな態度を変えざるを得ない事態が生じました。

学歴社会に屈したみたいで、悔しいです。

その顛末は、ごく単純。所属事務所経由で某音楽雑誌からいただいた寄稿依頼での、プロフィールの件です。

もちろん私は学歴をパスし、仕事内容やCDアルバムの紹介だけ書いて出しました。で、「入力間違いがないかチェックしてください」と送られてきたゲラがこちら。

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左下が私。ピアニスト4人の近況をレポートする月例コーナーです。

キラキラ豪華な他の3人の方のプロフィールを見て、愕然としました。

ショパン国際コンクール入選や、国内有名コンクール(ピティナ)審査員など、キャリアの差はどうしようもないとして……。

学歴が、みなさん揃って国内外の有名音大のご出身。

こうして4人並べられると、学歴なしの私は「青春時代に何もせずノラクラしてた考えなしの人」に見えます。あるいは「無能で、恥ずかしくて書けない学校出身」に。

3対1の威力はすごい!

「他人と比較してはいけない」が常識の、今の世ではありますが……↓。

アメリカの仕事先では、確かに「バークリー(ジャズ・ポップスで最難関の音楽大学)卒」とプロフィールに書いている同僚の割合は多いけど……。私のように、学歴を書かない人も少なからずいます。おかげで、私でもそう見劣りすることはありません。

だから余計に焦りました。

ビル・ゲイツ様が何と言おうが、「自分は自分、人は人」とは思えなくて……。

締め切りまで数日悩んだ末、(一応恥ずかしくはない)出身大学と学部名を追加していただくよう、事務所にお願いしました。

The End.〜〜〜

別に、「青春時代に何もせずノラクラしてた考えなしの人」と思われたってよかったじゃない。(当たらずとも遠からずなんだし)

事実、「学歴なんか超越してる人」のつもりでした。学歴にこだわるなんて、カッコ悪いじゃないですか?

な〜んてカッコつけてる本人が、結局は「外聞を気にする小さい奴」だってわかって……、ショック!!

やっぱり音大卒のみなさんにとって、学歴は誇りで、役立つのでしょうね。入るのが難しいから、当然でしょう。音楽の環境があり、いい先生やライバルがいて、業界の情報やコネもあるでしょうし。

古今東西、名のある音楽家のほとんどは有名な音楽学校を出ています。

一方、そんな学歴のない私の場合、普通の学校を出た人たちからも浮いているのです。同窓生はみんなエリートで、お金持ちになっています。音楽やってる私は「落ちこぼれ」というわけ(笑)  

踏んだり蹴ったりでしょう? 自分の娘だけはそんなことにならないよう、志望校も卒業後の進路も、全部自分で決めてもらいました。

その甲斐あって、私よりよほど成功しているみたい。

終わりよければ全て良し! ということで、ちょっと不幸自慢でした。

欽ちゃん(萩本欽一さん)のご著書の中に、私の好きなこんな一項があります。(以下引用)

運は言葉で変化する

“運の神様が嫌うのは、否定の言葉。「ノー」より「イエス」に運があるの。” ”ちょっといやだな、ぐらいのときは「ぜ〜んぜん大丈夫です」って軽い言葉を返すと、運の神様が喜ぶの。”

学歴が思い通りでない人は、私だけではないでしょう。顔と違って「整形」ってわけにもいかないし、今更変えられないんだけど……?

「ぜ〜んぜん大丈夫」!!

◇あとがき……お知らせ

アメリカのModerna社で、コロナのワクチンができましたね。早ければ今年末にも流通予定とか?

私はニューヨーク・タイムスのデジタル版を購読しているので、日本より少々早く情報が入ります。わからない単語はカーソル合わせで辞書が出て手軽。アプリもあり。

日本の報道と比べるのも面白いですよ。コロナ特価で、今なら1か月$3です。英語がお好きな方に!

自粛生活もテレワークも、そろそろ板についてきた頃でしょうか。

お仕事・読書タイムのお供に、こんなインターネット・ラジオはいかが? “ピースフル・ピアノ” 私こと Mikiko Miyakawa のレパートリーもオンエアされてます。(最近は ”Un Cocon” が何回か)

アメリカ第2位の公共放送APM(日本のNHKみたいなもの)提供ウェブ・ラジオ (コロナ特価……じゃなく、無料です^_^)。

ショパンやドビュッシーetc.定番の他には、イルマさん、ルドビコ・エイナウディさん、坂本龍一さんなどがよくかかります。イベールやジョン・ケージなども。

”ピースフル”そのものの好選曲で、オススメです(#^.^#) ワクチンが効果を発揮するまで、平和に頑張りましょうね!

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