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史上最高に簡単なフィンランドのブルーベリーパイの作り方

森で摘んできたブルーベリーでパイを作りました。今年の夏は、7月27日に最初のブルーベリー摘みに行き、それから数回森を訪れ、9月30日の今日も摘みに行きました。なんと2ヶ月以上も摘める時期があるとは。人間や動物に個体差があるように、同じ森でもブルーベリーのなる時期に差があることを学びました。フィンランドに自生するベリーの7割は手つかずのまま季節の終わりを迎えるそうです。たぶん、今もまだどこかにたくさん実がなる茂みがあることでしょう。

そんなわけで冷凍庫には摘んで来たブルーベリーがいっぱい(フィンランドの人々はこうして、夏に採ってきたベリーを冷凍して冬の間少しずつ食べてビタミン不足を補うのです)。これまでに色々なブルーベリーのお菓子を作って来ましたが、エミールのお姉ちゃんのエマからレシピを教えてもらったこのパイは一番簡単。なんせ小麦粉、ベーキングパウダー、牛乳、卵も不要。準備時間10分未満、焼く時間20分でできる史上最高に簡単なパイです。今回は摘みたてのフレッシュなブルーベリーをぜいたくに使います。


【ブルーベリーパイ(4−6人分)】
*材料*

①ブルーベリー:約200g
②オートミール:約300-400g
③バター:125g
④砂糖:100g
⑤バニラクリームソース、またはアイスクリーム:適宜

おととい採って来たベリーを仕分けたようす。赤いのはリンゴンベリー。こちらは熱を加えないジャムにしてミートボールと一緒に食べたり、ほうれん草入りのパンケーキと食べます(どちらもエミールの大好物。ミートボールはソイミートのもの)。

これはフィンランドの製菓用バターとオートミール。このほかに要るのはお砂糖だけ!

*作り方*
①バターは室温に戻しておきます。ブルーベリーを耐熱皿の下に敷きます。
②オートミール、バター、砂糖をざっくり混ぜ、ブルーベリーの上に乗せます。
③225度に熱したオーブンで約20分焼きます。オーブンの種類によるので時々のぞいてみてください。
④お皿に適当にサーブし、食べる前にバニラクリームソース、またはアイスクリームをたっぷりのせて召し上がれ。

焼き上がりはこちら。

焼きたてのあつあつパイにバニラソースをかけたりアイスクリームをのせて食べるのがキモ。

びっくりするほど簡単なこのレシピは、エマのお母さんからエマへと受け継がれたレシピです。実は庭にある2本の木からどんどん穫れるりんごを消費すべく、アップルパイを作るエミママ・エマのアップルパイレシピなのですが、わたしはブルーベリーで作ってみました。もちろんアップルパイもおすすめです。その場合リンゴは薄切りにしてお皿にぎっしり、でもあまり重ならないように並べてください。

見えないけどアップルパイバージョン。


手の込んだ料理も愛情を感じていいけれど、森や庭で大量に採れたものを上手に簡単に美味しいものに変えていくフィンランドの日常料理もいいものです。自分の手で育てたり、摘んで来た自然の恵みは美味しさもひとしお、シンプルに食べた方が味わいが際立つような気がします。

かつて紹介したフィンランド料理のレシピはロヒ・ケイット(サーモンスープ)とレンズ豆のスープもあります。ぜひお試しあれ。

こちらはリンゴンベリー。


最近は森に行くのが趣味になりつつあります。歩いて行ける距離にはよく行く2、3の森があるのですが、やっぱりバスや電車で1時間ほど行ったエスポーのヌークシオ国立公園やルーッキに行くと格別に楽しいです。数々の湖や木々に包まれて呼吸を続けるうちに、都会ではぼんやりと何かに隠れて消えそうになっていた自分の本当にしたいこと・望んでいること・欲しいものなどの思いが、どんより厚い雲に覆われた青空が少しずつ晴れていくようにはっきりと意識のなかに浮かんできます。木々や岩、草花や湖を見つめたり、鳥の鳴き声に耳を澄まして、時々となりにいる友達やエミールと会話をして、てくてくと歩いていると、自分にとって大事なことはもうとっくに手に入っていて、こだわりも執着も必要ないんだ、という気持ちになってきます。夏に自転車でフィンランド旅行したときにも感じた、集中力とリラックスが一体となった不思議な感覚です(森や田園を通り抜けたり、大きな道路の脇道で転ばないように、トラックにひかれないように、疲れすぎないように250キロ自転車をこぐという行為はけっこう集中力を必要とするのです。でもそれと同時にひとりで考え事を何時間もできて、やりたいこと、好きなこと、好きなひとのことなど考えていたら、とってもシンプルな答えに行き着いたような気がします)。

最近では白樺の木々の葉がいっせいに黄色へと変わり、風が吹くとまるでうれしさで拍手をしているようにパタパタときらめきます。夏の強い日差しはもうここにはないけれど、まだまだ暖かい黄金の光が森をやさしく照らします。厳しくて長い冬もあとちょっとのところに来ているけれど、このままもう少しだけ太陽と戯れていたい今日この頃です。

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【過去テキスト】

失うもの、手放すもの:https://note.mu/minotonefinland/n/nb7c459620200?magazine_key=mf53e59f9f07a

歳を取ることは結構イイこと:
https://note.mu/minotonefinland/n/n9af24cef38b0?magazine_key=mf53e59f9f07a


妄想フィンランド7日間の旅に皆さんをご招待:
https://note.mu/minotonefinland/n/n1dc2b5304706?magazine_key=mf53e59f9f07a

フィンランドのロヒケイット(サーモンスープ)とレンズ豆のスープの作り方:
https://note.mu/minotonefinland/n/n72df81a29c36?magazine_key=mf53e59f9f07a

せかい食べ物紀行―第二話、フィンランドとパイヴァン・ケイット(本日のスープ):
https://note.mu/minotonefinland/n/na05b7d010c15


シネマレビュー: Casse-tête chinois(邦題:ニューヨークの巴里夫):
https://note.mu/minotonefinland/n/n924cbf1aad4a?magazine_key=m86a5f3f1198a


シネマレビュー: Land Ho!
https://note.mu/minotonefinland/n/n1f7e8e240883


1年前の今日:
https://note.mu/minotonefinland/n/nc6c323670bea


せかい食べ物紀行―第一話、パリとアップルタルトとトマトと玉子の炒め物:
https://note.mu/minotonefinland/n/n72a918228e5c


フィンランド―若手起業家たちの生まれる地:
https://note.mu/minotonefinland/n/ncb081698cdf8


かつてmixiで友だちに書いてもらった紹介文を振り返ってみた:
https://note.mu/minotonefinland/n/n1f9ed7196e07


アールヌーボー、ジャポニズム、サイケデリック、女性:
https://note.mu/minotonefinland/n/n8e2725c2bdcf


時の宙づり:
https://note.mu/minotonefinland/n/n2a182b91e783


不思議惑星キン・ザ・ザ(Кин-дза-дза! Kin-dza-dza!):
https://note.mu/minotonefinland/n/n3d2e049be0ff


日本からのサプライズの贈り物:
https://note.mu/minotonefinland/n/n1f33b547e2f4


フランスについて、2014年夏に思うこと:
https://note.mu/minotonefinland/n/n5bbe675bd806


エミールの故郷への旅(前編):
https://note.mu/minotonefinland/n/n8d7f3bc8d61d


エミールの故郷への旅(後編):
https://note.mu/minotonefinland/n/n6ccb485254c2


水とフィンランド:
https://note.mu/minotonefinland/n/n82f0e024aaab


ヘルシンキグルメ事情~アジア料理編~:
https://note.mu/minotonefinland/n/nb1e44b47da30


わたしがフィンランドに来た理由:
https://note.mu/minotonefinland/n/nf9cd82162c26


ベジタリアン生活inフィンランド①:
https://note.mu/minotonefinland/n/n9e7f84cdc7d0


Vappuサバイバル記・前編
https://note.mu/minotonefinland/n/n2dd4a87d414a


サマーコテージでお皿を洗うという行為:https://note.mu/minotonefinland/n/n01d215a61928



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